数え切れない
 手に負えないくらいの
 幾千枚の白いはなびらが
 ほとんどいっせいに
 枝という枝を離れて
 舞い踊る
 まるで蝶のように
 儚げであるのだけれど
 或る意志を持って ....
息を殺して真夜中ミノムシになる      
       あの日の空は青かった
       夏が終わろうとするほんの手前
       夕暮れ迫る束の間の時刻
       受話器の声が世界の音を奪い去る
      ....
  あおい瓶が 枯葉の水を噛んで
  斜めにさしていく光が さがしている
  あなたの瞳は 樅木の陰にいて
  微笑っている 葡萄のように
  ああ もっと遠くへいきたかった わたした ....
冷蔵庫にジャムや
ピーナッツクリーム
スライスチーズがあるとき
知らぬ間になくなってしまう

誰だ食べた奴は
と言ってみたところで
夜起きて
半睡状態で何かを食べたのは
私に違いない ....
どんなふうにしてか
わからないがそれほど悪くない朝
カーテンがわずかにめくれている
白線をたどるように一日を思い描く
そして、
あなたのことをもうそれほど好きではない
それは意外なほど ....
自分に背を向けて歩く 世界が終わるという予言を
紹介するテレビ番組を見て
下の娘が心配している
「ねえー、終わらないでしょー?」
ぐずぐず絡む娘をあしらいながら
妻は蒲団を敷いている
上の娘は気にせぬ素振りで
 ....
マネキンの曇ったメガネ冬の服 地球儀を逆にまわしてもう一度お別れしようサヨナラ言おう 泳げない魚だじっとしている 急いでいるのか
寒くてしかたないのか
女子が小走りしている

大きなショッピングモールを
自転車で横切ると
裸の木々に電飾がいくつも巻かれ
楽しそうに優しそうに
綺麗に輝いている

 ....
餃子がね
とっても美味しいんだよ
昔ながらの佇まい
町の人達が
あちらからこちらから
電話も鳴って
店先で
生か焼きかを選んで買っていく

ラーメンとかもあるけれど
餃子二人前とラ ....
そうしてわたしたちは眠りについた
朝、
無遠慮にかたちを引きずりだす光にまみれながら
疲れきって でも
ほっとして
役目を終えた靴のように萎びて
わたしが
とても小さなこどもだった頃
なにも知らない
知らないということが許されていて
それが
どんなにか幸せだったかということさえも
知らなかった
笑うたび頬に
くぼみを作っていた頃 ....
誰かより自分に届く歌を詠む私よ私あきらめないで 鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師 私のてのひらの雨雲を
誰かに届けるために 
来たのかもしれない

役割は
私が与り知らぬところに
あるのかもしれない

笑うかもしれない
怒るかもしれない

まっすぐな犬のように ....
いくら死人に口なしと言ったって
死んで間もない死人はそっとしておけ
代弁なんて口寄せじゃあるまいし
死んで間もない死人をパペットにするな
祭り上げるな自分たちのために
理想の英雄に仕上げるな ....
猫になる理由は無数にある
仕事がイヤになったとか
満員電車がツラすぎるとか
一人になりたい時があるとか
どこかに行ってしまいたいとか   
生きてく理由がわからにゃあ
どうするべきかわから ....
ひとつも
うまく言えない気持のする
2月
ぼうと立ったまま

こころのなかで
頁を繰って
見つけます
いとしいかわいいやつら

あなたはもうあなたになりましたか
森の手前でと ....
     しゅんしゅんしゅんと
     蓋をカタカタ鳴らしながら
     やかんがじれている
     それを尻目にガリガリと豆を挽く
     ペーパーフィルターの二辺を
     丁 ....
君と夜更かし
君と猫じゃらし
君と雨ざらし
君と市中引き回し
君とおかまいなし
君と御伽草子
君と裏返し
君とアメフラシ
君は幻
七月のある日 兄は ぼくを呼んだ
風通しの良い部屋に一人伏せていた兄は
「今度は帰れないかも知れない」という
「弱気なことを…」
ぼくはそう言ったきり次の言葉が出ない

幼少時父も母も病で ....
一面の雪の朝
私は
兄とかまくらを作る
田んぼ中の
雪を集めて

できました
私たちの秘密基地
しゃがんで入れば十分余裕
通学路からも
はっきり見える
不格好な雪の家

それ ....
朝の五時半を少し回ったころでした
六畳の畳が漂流し始めたのです
思わず活けようとしていた椿を咥えましたの
そうしてうんと股を開いて立ち上がりました
初めてですこんな太ももの上まで晒しちゃって
 ....
時々思い出す
二段ベッドの下のうすい隙間に
うつ伏せになって潜りこんでいたこと

とても気持ちが落ち着きほっとする
目を細めると
奥の奥へその先があるような
私はぺらんぺらんになって
 ....
バイパスを車で走っていると
右手から
白い猫がとび出してきた
ひいた!と思い
急ブレーキをかけた瞬間
左手の方へ
黒い猫が走り抜けていった
不思議に思いながらも
安堵して
私は車を走 ....
私はちょっと出られないな
きっと
出られない

今さら
とってつけたように
気づく今までは
出られるって信じてたのか
出ようとしつづけることに
意義がある
なんて思っていたか

 ....
もうこんな季節だねと
誰かが言っているうちに
時は絶えまなく流れているから

いつも気づく頃には
紅葉は枯れ
雪は解け
桜は散り
蝉は死んでいる

この瞬間は
すぐ枯れて解け散り ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
墓所にて- そらの珊 ...自由詩2315-2-13
息を殺して真夜中ミノムシになる- 北大路京 ...自由詩315-2-13
青い夕暮れ- 石田とわ自由詩12*15-2-13
葡萄- 草野春心自由詩515-2-12
犯人は私だ- 灰泥軽茶自由詩915-2-12
白線- はるな自由詩515-2-12
自分に背を向けて歩く- 北大路京 ...自由詩315-2-12
世界の終わり- やまうち ...自由詩5*15-2-11
マネキンの曇ったメガネ冬の服- 北大路京 ...俳句215-2-11
地球儀を逆にまわしてもう一度お別れしようサヨナラ言おう- 北大路京 ...短歌115-2-11
泳げない魚だじっとしている- 北大路京 ...自由詩615-2-11
ポテトチップスな夜- 灰泥軽茶自由詩415-2-8
庶民の味方- 灰泥軽茶自由詩515-2-7
眠りにつく- はるな自由詩715-2-6
雨上がりのステップ- そらの珊 ...自由詩1715-2-6
誰かより自分に届く歌を詠む私よ私あきらめないで- 北大路京 ...短歌715-2-5
鬼の子に『桃太郎』を朗読させる小学校教師- 北大路京 ...自由詩1115-2-5
雨かもしれない- やまうち ...自由詩4*15-2-5
無題- ただのみ ...自由詩16*15-2-4
理由- やまうち ...自由詩7*15-2-4
- はるな自由詩1315-2-4
束の間- 石田とわ自由詩14*15-2-3
- やまうち ...自由詩115-2-3
寒い夏- イナエ自由詩22*15-2-2
雪の家- umineko自由詩16*15-2-1
終ノユメ- ただのみ ...自由詩21*15-1-31
二段ベッドの下- 灰泥軽茶自由詩915-1-31
猫だまし- やまうち ...自由詩4*15-1-29
私は出られない- Lucy自由詩15*15-1-29
きまぐれのみぞれ- 灰泥軽茶自由詩915-1-28

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