ああもうだめだ 何にもできない
そんな時はきっと一日寝ているに限るね
そんなことを思いつつ
着替えて外出を始めるのだ

戦闘の準備はできたかい

それでは
足元に広がるのは私の亡骸だ
あれもこれもそれもどれも私であったものだ
ひどく醜悪でそれでいてなんと切ないものか

打ち寄せる波が見えるかい
あれは血潮だ涙だ脳髄だ
小さくか細い声が聞こえる ....
僕も何かの主人公のように

何もせずに周囲の美女達に惚れられて

取り合いっこされる

そんな風な奴になりたい


僕もテレビの中の芸能人のように

きらびやかな舞台でスポットラ ....
ベタベタに甘い少女漫画が読みたい
スポーツに夢中な青春を送ってみたい
愛しい気持ちでいっぱいにしたい
愛用のマグカップの中のコーヒーに
後ろ暗さもアンニュイも夕暮れも
混ぜ込んで、飲み込んで ....
そうです 私は妥協しません

私はイケメンでお金を持っていて

若くて、良い大学を出ていて

将来有望な男性と結婚します



そうです 私は妥協しません

だから、そこらの男 ....
私の中に言葉がやってくると

私はつい沈黙してしまいます

・・・私、詩人なんです

馬鹿馬鹿しい事に



私だってジャニーズが好きです

特に、亀梨君が好きです

真面 ....
  かなしい歌をつれて、
  春風がきみの頬をさわるとき
  ひとびとのささやきは町を彩り
  光が、もの静かな雨のように靴に落ちる
  白い花の影がひとつ、心のなかに揺れている
  ....
自分が死ぬ時に

天井が見えるのか

それとも、誰かの悲しそうな顔が見えるのか

あるいは窓の外の樹が見えるのか

そんな事は分かりはしない

それは、自分が生まれた時に

何 ....
スーパーで並んでいたときのこと

小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた

理由はわか ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音

ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
あなたはいちども
わたしを愛さなかったけど
あの
朝とも夜ともつかない暗がりに
わたしともあなたともつかなくなったどろどろに
手を抜いたこともなかった

かわいそうに
いつまでも
 ....
セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット

セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている

ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる

小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
ねえもういやなのよ
脂の匂いでたるんだ男どもの顔と
画面の中のかわいらしいみんなを見比べる毎日は
世の中をこんな風にしたのは一体誰
いくら泡のような微笑みで満ちていても
私をぶつ手の感触が本 ....
こわくない
冬なので
こわくない
ビタミン剤あるから
ぜんぜんこわくない

花柄の靴したを
いつもばかにされても
構わないで履きつづけていた
ななちゃんは9歳だったのに
勇敢だ ....
夫の恋人はわたしよりすこし背がたかくて聡明な肌をしている
恋人の妻はアイロンがけがうまい それしか知らない
鳩も恋をするんだろうか
箪笥や窓枠も恋をするのかな
わたしの目はどうして
いつ ....
アナウンスが流れる

線路内に鹿が入り込んだため
列車は3分遅れて隣の駅を発車しました


その鹿はどうなったのだろう

寒いホームに
誰もが無言で
同じ方向をむいて並んでいる
 ....
優しいね けれどあなたも男なら 私に「好きよ」と言わせてごらん 音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

 ....
言葉の針に意図を通すのは難しい
何を繕うでもなく
きれいなシシュウを夢見ては
チクリチクリと傷つける日々


   《針子のトラ:2014年2月11日》
語弊があるような言い回しは避けて
誤解を生むような表現は消して

本当に伝えたいことだけを

傷つけないように
耳を傾けてもらえるように

心を開いてもらえるように

気分を損ねな ....
私達の生活はいつからか映像化され

その細部の細部まで

いつの間にか、演劇的なものになっている

私達は日夜、自分と他人に

「そのような見かけ」を与える為に奮闘し

 ....
あなたがむかし
わたしにつけた縄を
こんどはわたしが
あのひとに結びます

雪は屋根のうえでだらしなくなって
白がすこし疲れたようす

毎朝 沸騰する
わたしの身体を知らないでし ....
わたしのとういところをみぞれがながれていった
かこがかこらしいままかせきになり
結晶とわたしが
まったくおんなじそんざいになった

いつかひかるものとしてあつかわれる
幻の火にてらされ ....
腐る。
ギリギリのところで
なんとか持ちこたえている
としたら
死がとても怖い
かくれんぼしていて
うっかり見つけてしまった
小鳥の死骸にうごめいていたうじむし
その卵が
この空気中 ....
夜中
息をひそめて
折りたたんだ気持をひろげていく
広げきったら折りたたみ
わたしが
きのうのまま
朝を迎える
1000日まえに
あなたがはじいた額のうぶ毛が
わたしの下腹であわい振動となって
いまではすっかり花のよう

つぼみとも種ともつかぬ時間が
おいしい毒になって
いつかあなたにも届くと ....
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった


何 ....
  きみの手を握ったとき
  カモメたちが空の低いところを横切った
  それから 二人で歩き出したとき
  潮風が鼻をつんとついた



  沈んでいく夕日のせいなのか
  き ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
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