ぼんやりと雨で白灰色にくすんだ空を見上げ
彼はただ自分の不遇を嘆いていた
心地よい雨音
窓に映る何も変わることのない陰鬱な樹影
まるで干からびて細い指を広げて絡め取ってしまいそうな

自分 ....
ある少女が広場で粗末な麻の衣服すら全て脱がされ
諸肌出した状態で鞭打ちの刑に処されていた
どこかで小耳に挟んだメロディに
彼女なりの詞を乗せて口ずさんでいたのが災いとなった
彼女の歌声を聞きつ ....
南の祖母は
星の名を教えてくれた
できの悪い生徒である私は
星の名をときどきまちがえた
そのたびに
牛乳をいれたコップが割れたり
黒猫が尿路結石になったり
母の眼鏡が折れたり
祖母は言 ....
○「坐禅」

「ムームームー┅┅」
今日も広いお堂にすわる
若いお坊さんとすわる
世間から切り離された特別な空間だ
しかしムになろうとしても
ムにはなれない
かえっていろいろなものがき ....
ささくれをめくる
なくする
そう自分をなくするだけ
傷ではなく暇つぶしの惰性で飽き性な私の
遊ぶ人はいないし
私と話す人はいない
私は私と見つめあっている
私が私を見ているだけで
じっ ....
小さき窓を開けて夜空に質問状  ピンのあるタイヤは禁止されて
スタッドレスタイヤの時代になっても
凍結路面での安全性は保たれている

トゲのあるコトバは禁止されて
スタッドレスマンの時代になったので
凍結場面での安全性は ....
岸壁に腰かけて

オレンジ色に光る波を見てた

足踏みしかできない私たちが

束の間 癒された時


こうなる前に

どうにかできただろうに

選択権は私にしかなく

 ....
あの人の声が聴きたい
あの人の言葉を知りたい
願っても
それは叶わないこと
私には
もう頼れるものは何一つない
すぐそこに海が見える
5月の青空も見える
しかし、それらは
どうでも良 ....
171号線を

バイクで走る

奇跡的に壊れずにいたから

赦されたのだろうか


色々なものを振り切って

走る走る


道がずっと続いていて

色んなところに繋 ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
花の名前を調べてる。恋をしたから
髪を梳いてる。恋をしたから
光を見つけて連れて帰る 恋をしたから
くだらない言葉を愛しはじめる 恋をしたから
花が枯れたら泣いて悲しむ、恋をしたから。
 ....
逆剥ける体の傍に花水木
あなたのことは忘れてあげる



温い土 簡単な嘘 五月雨に
思い出すのはあなたの背中
胸の奥
ざわめく風に煽られて
過ぎるのはただ
彼の面影
近くの公園で
詩集を読んでいると
小さい虫がページのうえに

無造作に手ではらったら
簡単につぶれて
ページにしみがついてしまって

すぐに部屋に戻って
消しゴ ....
なにやら
胸の奥が粟立って
仕方がないから
五月を
描こうと思った

ところが
緑の絵具を切らしていて
仕方がないから
青と黄の
絵具を混ぜてみたが

五月にはほど遠い

 ....
晩秋 晴れた木曜日
局を出て配達のとっつきへ向かう
のぼのぼのんとバイクを走らせる
朝の跨線橋を小汚いパーカーが
とぷてぷたぷと歩いている
見習いで辞めた象遣いみたいに

記憶の海がざわ ....
 ブーニンが
 ブラウン管から姿を消して
 ゴルビーが
 民衆にもみくちゃにされていたころ
 楽しい
 未来の思い出話に
 盛り上がる
 クラスメイト達を
 現実に引き戻す
 チャイ ....
シャッターのおりた憂楽街
眠りに落ちた改札口
プラットフォームの底
沈んだレールから
明日が聴こえますように
壊れた飛行機が
指先に落ちていた
修理して空を飛んだ
空を飛ぶなんて
ありふれた夢のようだけれど
空に来なければ見えない景色は
確かにあった
題名のない本があったので
表紙に着 ....
ここのサクラ並木は
申し合わせたように満開になるね
まるで地下に栄養の供給パイプが
張り巡らされているみたい

そうだね
「サクラの開花六百度の法則」というのがあって
二月一日以降の毎日 ....
曇天のいろむらに
絵筆をあらう少年の
かなしい青を見た
あなたの
深い行間の谷の底
眼裏に熱いわななきを拾う


ゴミ箱の中身を外に捨て
空になったそれで世界をすくいとる
だがわた ....
あたらしい皮膚に着替えて金曜日
胸ポケットにきれはしの恋

痛いのは気のせいですよと君が言う
だけどあなたも血だらけですよ

この夢はここでおわりと書いてある
字が読めないから先へ進 ....
カレンダーの途中
発車するわたしの
ポケットがあった

行き先が非表示の時刻表と
あり合わせの足音
打ち水をする初老の駅員は
いつも固く唇を結ぶ
口の中で飼育している金魚が
 ....
俺もそう
俺も
お前が
嫌いだよ
俺はお前が
一番嫌い
 

宵の夢
夢に穢され添い寝して
カラスに起こされてしまう疾風



触れたくて
触れられなかった悲しみを
あすの予感と呼んでもよいかな



生きている
だけ ....
知らない国の見果てぬ路線図
ここで乗り換えると海へつながる
春を見たければ各駅停車で

こうしているうちにも
砂時計のすなはおちつづけ
耳をかたむけると
さらさらさらさら、とささやき
 ....
 まったく仕事のない家業の室内で、山に行かない日はひたすらネットフリックスを鑑賞し、厭になると動画サイトを見る、現代詩フォーラムを徘徊し気になる作品にポイントを付与。そのほか、時折自分のための料理を作 .... はっきりと覚えていることがある。
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