花火の上がらぬ街に線香花火ポトリ 内ポケットから手帳を取り出し
暗号を記録する
一晩かかって嗅ぎつけたのだ
約束の時間まであと五分
場所はいつものX埠頭
ここ数週間奥歯が痛む
しかめ面はそのせいもある
トレンチコートの内 ....
人のこころは
陽炎に揺らめく砂漠に置かれた
少しだけ水の入った
壊れやすい硝子のコップ

君の言葉で水は満ちる
放っておけばすぐ乾く

君の言葉が
君の愛が
僕を満たし潤し ....
床の上で夜中に何時間もノートに何かを書いてました
それは小説と言ってもいいのかもしれないですが
とても人には見せられない 滅茶苦茶な小説でした

一日の睡眠時間は2時間で 夜中に滅茶苦茶な小説 ....
嵐のように怒り
自分のために大雨を降らす
周りの者は巻き添えになる
はた迷惑な幸せ者


誰にも悟られたくはない
暗い海の底へ
暴れる心を鉛に詰めて
幾つも 幾つも


寛容と ....
忠犬に黒歴史を掘り返されている   一日中、
  こわれた雨樋をみていた
  網戸にささって死んだ虫をみていた
  あなたがこのよにいきているなら
  わたしがしぬことはぜったいにない
  わたしたちのなかで 言葉 ....
{引用=


とてもおなかがすいたので、

おおきく口をあけてみた、

すると小魚たちが、

つぎからつぎへと、

のみこまれていった、

ぼくはくじらだったから、

か ....
ケイコさんは
帰る家を探している

いつか住んだことのある
川の傍の古い洋館
蔦が壁一面を覆った
赤いトタン屋根に
所々塗りの剥げた
白いバルコニー

夜になると屋根裏を鼠がはしり ....
みんなみんな渡り鳥

みんなみんな切実さをもって

なんぜんメートル

なんまんメートル

空高く海越えていってしまう

みんなみんな渡り鳥


まっていてくれなかった

 ....
祭りの翌朝
小雨降る広場で
ゴミと小銭を拾うお年寄りを蔑む中年夫婦が
小さな野花を踏んだ

こんなに綺麗な花なのに
本物の生きている花なのに
偽物だらけのこの世の中に
確かに信じられる ....
GIRAGIRA

あの頃の僕の瞳は
油の浮んだ水溜り
空も街も人も季節も
虹色に濁って見えた

今にも分解しそうな心を
繋ぎ止めていたのは
少し哀しい臭いのする
ギラギラ
 ....
何処に行くにも二本一組で
助け合って動く足に異変が生じた
左足の指の関節を骨折した
左の指先が大地に触れると
痛みが全身を走り頭に抜ける

医師は左はかかとで歩けという
左足を半歩前 ....
異物混入の原因になるから
何も持ち込めない
でも
結婚指輪はオッケー

そんなバカな
と思いながら
エアシャワーを浴びるのに
朝の工場には
かいくぐってきたものが
たくさんある
 ....
光れない蛍飛び交う山の奥 突き返された合鍵が錆びついている 幸福は匙で掬ったアイスクリーム みつめていても溶けてしまう      カナカナと遠いどこかで
     かなしげに、
     啼く声を聴きながら
     今日という日を
     麦茶漬けで締めくくる
     さらさらとなんでもない事のよう ....
蝉は喚いているのだろうか
虫に生まれたわが身を嘆き

いや むしろ
祈り続けているのだろうか
来世の至福を待ち望み
朝、昼、夜と、勤行を欠かさず
一心不乱に経文を唱えた
信心深い祖母の ....
真夏のまんなか
乾いた道のさきに
誰かが描いた蜃気楼

午後9時の
Summer in the city
大気圏の対流に耳を澄ます

アウトをとれない甲子園
酸素が足りない金魚鉢
 ....
草の間を
誰かの幸せを約束した風が
走っていく

固く閉じた地面から
這い出た夏の蔦が
頭を伸ばしていく

夜になれば
プールを洗浄する
機械音

落ちてきた十八等星を拾う
 ....
宝籤はもうすぐ二歳になる。相変わらず尻尾の先をわずかに白く染めているかわいい黒犬。でも、もう自分の手足を持てあましたようなちぐはぐな動きは消えてしまった。暑い日、賢い番犬よろしくブロックのうえに身 .... 福島のお祭りへのライブ参加を終え
皆東京に帰っていったが
俺とKはN子にタカりながら北を目指した
Kの友達が青森にいるという
各駅を乗り継いで下北半島へ
皆東京では無職の歌唄いだった

 ....
サナギサヨナラ夏の庭

あだなをつけに飛び立った僕の蝶

声の遊びが続くなら
伝えよう
おはよう

終わらない円の上では
神様も仲間はずれになるという

愛の踊りが煮え立つ前に
 ....
17歳
パンクロッカーでありながら童貞であることを恥じていた俺は
女性器に対する不安と恐れがあった
物心ついた時から空想がちだった自分にとって女性器は現実そのものであった
政治や社会よりも避け ....
プラグマ 全体として
継承した 水が
頭から痛い痛い水が流れてくる
天から流れてくる
プラットホームの蛍光灯を
なぞりながら
おりてくる
ぬくもりをもった
夜の闇。
夜の市ヶ谷駅の
下には釣り堀があって
人々はうなだれながら
みたこともない
翼の生え ....
松田さんが死んだ
白兎駅でソアラをシャコタンにしようとしていて
車に押し潰されて死んだ
倉吉で暴走族を立ち上げようとしている時で
関西から帰って来られた先輩が何人かおられた
松田さんはその1 ....
なんだか疲れてしまったよ
なんだか疲れてしまったよ

誰か助けにこないかな
誰か探しにこないかな

もう駄目になりそうなのに
誰も探しにきてくれない

呼んだら見つけてくれるかな
 ....
あの娘はとても可愛いな
私はあまり可愛くないな
あの娘はとても綺麗だな
私はあまり綺麗じゃないな

あの娘はとても素直だな
私はあまり素直じゃないな
あの娘はとても優しいな
私にはあま ....
まーつんさんのおすすめリスト(3356)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花火の上がらぬ街に線香花火ポトリ- 北大路京 ...自由詩414-8-11
歯痛殿下- やまうち ...自由詩514-8-11
こころのコップ- 凍月自由詩17*14-8-10
わがままノート- 陽向自由詩17*14-8-10
徳と毒- ただのみ ...自由詩19*14-8-10
忠犬に黒歴史を掘り返されている- 北大路京 ...自由詩514-8-10
雨樋- 草野春心自由詩814-8-10
テレビしかみなかったひに、- mugi自由詩5*14-8-9
特急電車は警笛を鳴らし- Lucy自由詩12*14-8-9
みんな渡り鳥- 吉岡ペペ ...自由詩1014-8-9
きっと- ichirou自由詩17*14-8-9
八月の欠片- nonya自由詩25*14-8-9
かかと歩き- イナエ自由詩17*14-8-9
かいくぐって- nemaru自由詩5*14-8-8
光れない蛍飛び交う山の奥- 北大路京 ...俳句314-8-8
突き返された合鍵が錆びついている- 北大路京 ...自由詩414-8-8
アイスクリーム- はるな短歌614-8-8
沢庵と月と扇風機- 石田とわ自由詩15*14-8-7
夏の歌- Lucy自由詩17*14-8-7
アウトをとれない夏- 梅昆布茶自由詩2114-8-7
おかえりなさい- mizunomadoka自由詩614-8-7
まなざしのこと- はるな散文(批評 ...514-8-7
下北半島のみどり- 馬野ミキ自由詩814-8-7
輪廻で輪舞- やまうち ...自由詩214-8-7
初体験- 馬野ミキ自由詩414-8-7
プラグマ- 佐藤伊織自由詩214-8-6
『うたごえ』- あおい満 ...自由詩1014-8-6
国道9号線を走った- 馬野ミキ自由詩714-8-6
疲れた- baby bird自由詩414-8-6
綺麗なもの可愛いもの- baby bird自由詩214-8-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112