冬至に至るのだなあ
ゆずだ かぼちゃだ
忍耐を希望へ切り替える
あとは冬を乗り切るのみだ
小さな種を埋めておくこと
冬至の後は
明るさが増すのみだから
きのうまでとは大違い ....
九月の市民球場を
木枯らしがさらってゆく
土埃を巻き込んで
ピッチャーのいないマウンドと
帰る者のないホームベース
永遠のような
0対0
僕は欠け ....
アイキャンゲンノウノウのところでタイムカードがガシャピーと鳴く
昼休みひとに会わない公園で齧るおにぎり冷えてカチカチ
小便のあとで鏡に中指立てて廊下で上司にお疲れさまです
....
鉛筆で駅舎の絵を描く
沿線にある家の
縁側に弱い陽が差して
映画館の片隅では
液体をこぼした子どもが
延々と泣き続けている
エンドロールが流れ始め
遠近法で描かれた ....
愛憎ちゃうから
愛だけやから
裏表ちゃうから
表だけやから
ほんまやからな
冬至の朝の日の出を待つ
なんでこんなに暗いのだ
幾時間かが経ちまして
冬 ....
ちょっと、背中掻いてくんない?
その、ハネの付け根あたり
うつむきかけた
あなたの頭から
静かにズラが外れ
ハゲる
ハゲる
一歩手前で
あなたは何をするべきだったのだろう
あまりの多さに戸惑うように
ポコチンの周囲のように
生え ....
海が泳いでいく
そんな夢を見て目を覚ました
真夜中 真っ暗闇
何も見えないから
この部屋がどこまでも
広がっているような気がする
世界がもっともっと広がれば
僕らは淋しさなんて感じない ....
ひとなみのなかにまぎれて君は息をしている
不毛に時々は悩みながら歌をうたうのだね
小さな偽善の積み重ねが君の鎧
教会の鐘がなっているこの世界で
盲目のままで生きてゆく
....
寒い日
白い息がふわりと空へ飛び立つ
大好きな歌を聞きながら
自転車をこぐ
流れるメロディー
歌詞に出てくる「君」に
あなたを重ね合わせて
きゅんとし ....
ページは真っ白なのに
あたしは自由じゃない
ぎゅって押しつけて
あたしの型をとって
転がっても転がってもなににも
ぶつからない面積が
自由と呼ぶならそれは
孤独の別名だね
赤ん ....
それぞれに様々な「ことば」が書かれた無数の箱の前で男は沈思する 名詞 熟語 接続詞 形容詞…吟味に吟味を重ねた末 男は箱を積み上げて建物を建て始める
実存の子 ....
あんまり寒くて
鼻水が出た
そんな時
あなたが好きだと
ふと気付く
ノルウェイの森を、久しぶりに読み返していて、七章に差し掛かったところで何かおかしいな、と思えば、43ページ目(つまり44ページ目も)がきれいに破りとられていたのだった。ワタナベと緑が昼間から酒を飲 ....
笑みを絶やさずにいよう
しずむあなたの灯台となるために
ずっと絶やさずにいよう
日常に潜む「?」という文字から
背を向けてないか?
逃げようとしていないか?
いつからか、目の前に
私と等身大の氷塊が、ある。
足元に一本の斧が、置かれている。
目を凝 ....
ゆうべ
きみのまとう
しろい布にふれました
それはやさしく湿っていて
かみさまの一部のようでした
ゆうべ
窓のそとでは
たくさんの雪が ....
またきたか 雪
せいぜい覚悟して降れ
消されるくせに
やっと生き残った枝をへし折り
修理した屋根を壊し
道をうめて無くし
叫び声さえ凍らせるなら
覚悟して私に降れ
美しい冬 ....
なんてことない不在の言葉に
愛しさを汚されたその時は
無情の荒野にうずもれて
枯れ草毟ってやり過ごそう
なんてことない不定の言葉に
審美眼を汚されたその時は
悲観の海をたゆたって
船 ....
ウシとウマが
うつ伏せになって
ウサギを見ている、そんな
現という名の
美しくない嘘
右折すると
海が広がっている
うまくいかない遊びみたいに
浮き輪が浮かんでいる
....
大阪市のあたらしい市長がニコニコ笑っているテレビ、独裁者が死んだ、知らない言葉、知らない人々。ずっともう昔に、キリストは死んだらしい、日本の政治は永田町でなにやら絡まっています、名刺交換、ミサイル ....
掴もうとする指と
突き放そうとする腕は
どちらが速い?
駆け出そうとするつま先と
立ち止まろうとする踵は?
ねえ、教えてよ
みんなものごとの始め方ばかり
教えようとするんだ
....
アイビーが空間を探っている
感覚だけをたよりに
つかまえて 己のからだを寄り添わせ
まだ見ぬかたちを具現しようと
精一杯手を伸ばし
探している
探している わたしも
この感覚だけを ....
言葉はしめっていたがよく燃えた
ガス・スタンドの男と
寝てきたせいだろうか
{画像=120510131253.jpg}
あ、
見上げた夜空に
流れ星が落ちていく
急いで願いごとを
心に描こうとしたら
瞬く間に消えていってしまった
ああ、
なんと儚い
....
街角で
僕は
釣りをしている
信用金庫と新聞屋とコーヒースタンドの並ぶ角で
きみは
なにか
硬そうなものを抱いて
立っている
そのうち雨が
降るかもしれない
ふりつもったばかりの
しろいゆきをほると
くろいつちがでてきた
そのつちをほると
こんどは
しろいほねがでてきた
しろいほねをほると
またくろいつちが
しろいほねが ....
さぁ憂鬱よ
私の無意味な情熱を
無に還してしまえ
さぁ無関心よ
私のお節介を
有限にしてしまえ
さぁ流るる時間よ
未熟な私を
頭でっかちな老人にしてしまえ
さぁ服従心よ
....
僕の奥さんになるだろう人は
鶴ヶ島に住んでいるので勝手につる姫とよんでいる
あなたは孤児だった
身寄り誰もいないって言ってましたね
彼がおんなと逃げて消息不明
子供3 ....
ほんとうの深呼吸をしよう
北国を旅した時に泊まった宿で
火鉢の前で両手を暖めるひと時のように
ほんとうの手紙を書こう
血の通わない文字のメールを
百通送信、するよりも
旅の便 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120