席はあったが
  わたしは座らなかった
  銀いろの月によく似た
  さみしい言葉だけ胸の奥に置いて
  けれども誰にむけたものかわからず
  きまり悪い笑みをうかべて わたしは ....
  この径は 小学生の頃歩いた径だ
  カモシカの出る薄暗い通りをどういうわけか私は再訪する
  時間をかけて少しずつ完成に近づいていく 一匹の軟体動物
  私の躯で存在を大きくしていく ....
 僕は普段、インターネット上に小説を書いて発表などしたりしている。僕はまだ無名の書き手にすぎず、その書いたものにはほとんど反響などは来ないのだが、先日、僕の小説を読んでくれたらしい人物から、長文のメー .... 理性と衝動

その二つの直線に挟まれる時

感情はあらゆる符号を失い

道なき道をたどるお前の標となるのだ
  右へ行ったカワウソは
  けさ、左から帰ってきた
  蘭の花が 腕の真ん中あたりで咲いていて
  よく考えたら ゆうべきみがそこを強く吸ったのだった
  部屋のあちこちに敷き詰めら ....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ

蕾の持つ美しさ

それは未来(あした)という一瞬の輝き

過去(きのう)は蓄積され

そして、沈澱してゆく

現在(いま)は消費され

過去の薄っ ....
さあ、どうぞと皿が私に差し出される
その上にきれいに盛られている
とてもいい匂いのする料理は
食べやすいように切り分けられている
中には苦いものもあるけれど
健康でいたいでしょう?
それを ....
アスファルトに残された雨
今は水溜りと名を変えた
干上がりかけたわずかな身に
懐かしい空を映す
風の愛撫にさざなみながら

二羽のすずめが水浴びする
天と地といのちが戯れ交じり合う
明 ....
  門のむこうから
  犬らしき影が近づいてくる
  私は 昨夜みた夢のなかで書いた
  一篇の詩を 門のこちら側に置いて待っているのだが
  犬らしき影は 近づいてくるだけで 決して ....
白髪の師は
開いたドアに凭れて
私を待っている

次に私が
ドアを抑えて
青年を待っている

ほんとうのことはそうして
語り継がれてゆくだろう

ドアを抑えて立つ、私の傍らを
 ....
{画像=140517224248.jpg}


その人の手は
ほっそりとして
冷たい手だった


いや冷やかな手だった


上手く想いが伝わらないが
こちらの熱を冷ましてくれ ....
雨音の向こう側に
ジェット機の爆音が
ごうごうと通過するのが聞える

わかりやすい
聞こえのいい
情に訴える言葉の裏に
狡猾に織り込まれた思惑が透ける

雨の向こうに
鳴り響く轟音 ....
ぼた餅の重さで棚が落ちた 引っ越した日から
時々庭に来ていることに
気づいていた

人になついているのかしら
窓から眺めながら
そんなふうに思った
出ていけば
きっと逃げるのだろうな

ある日、庭で草取りを ....
弟が死んた時、俺はにやっとしてしまった
仕事も休めるし
ずっと苦しんでいるよりは死んだほうがいいだろう思った
当時子供がまだ赤ちゃんで俺はきつい土工の仕事をこなしていた。

京都でアル中にな ....
言葉と言葉を繋いで紙の上
裏返しにしたらもうあなたはいない
見えないところで
優しさといのちを繋いで
載せる人差し指は悲しく踊る
詩に説明はいらないとは
誰かが言った言葉だが
ここにある ....
耳元で囁く日常
猫がじっと目を凝らして
僕の眼をのぞき込む
だらだら歩いていた日常が
突然両手を上げて走りだす。
平穏に不満を述べている日常が走りだす。
大声を上げて

テレビの事件が ....
あなたの黒い長い髪がうたうたび
わたしの胸はいちいちこまかく傷つきました

海岸のガラスみたいになめらかにちいさくなっていくわたしを
拾いあげて陽に透かして
その美しい呼吸を一瞬でも止め ....
ぼくの化石が、笑いながら尋ねる
もう春ですか、と
やさしい物音が辺りに満ちてきたから、と
そう尋ねた時、湖水で何かが跳ねた


漆黒の深い闇の底へ、光はすべて埋葬され、
1つの箱だけ ....
お母さんに会いたい。

風邪を引くと、
かさついた手で私の背中を一晩中さすってくれた
お母さんに会いたい。
太陽の眩しさの中で両手を広げ、
一心不乱に走っていく私を捕まえてくれた
お母さ ....
 凪いだ水面のしずかさで
 花のように老いてゆく
 女がいる


 さくら
 と よばれた
 ひとりの女は
 ひとりの男の
 妹で


 おまえのよろこぶような
 ....
誕生日に
どこへも行かなかった
髪をくしけずらなかった
うねるにまかせた
口紅をぬらなかった
洗いざらしにしておいた
たいていの人がしみだと呼ぶ
頬にちらした点々を数えた
  (およし ....
整えた言葉に寝ぐせがない 角度、模様、ゆれかた
1日ごとに忘れること
空をさす指にのる爪が
いちいちあたらしく光っている
赤や白や茶に落ちついた傷あとや
庭のれんがが古びていくこと
角がまるくなったノートを
 ....
煮た竹輪と梅干
飯には煮汁が染み込んで
みっともない模様を描いていた

蓋で隠しながら
弁当を食った
級友に見られるのが
たまらなく恥ずかしかった

日曜日も休むことなく
ミシンを ....
親愛なるショウコ様

わたしは有りもしない食事を温めます
冷静な面持ちで 本質は野蛮
回りくどくて執拗 ときには結果オーライの力技
事の恥部を明らかにしたならば
したり顔で仮想の敵をフォー ....
病棟の面談室で
並んで座った僕と君は
三五年前と同じで
とりとめもないことを話す

天井は低く殺風景な面談室
飾るものは作者不詳の風景画
部屋の隅のテーブルでは
患者を囲んだ四人がひそ ....
山の桜は満開でした
おとうさん桜だよ
見える?

父は眼を見開いて
悲しげに少し眉を寄せて
(眩しかったからかもしれない)
車いすの上で
桜をじっと見上げた

あー見てる見てる
 ....
そのAは

ほとんどBだった

CはそもそもDだし

EとFは難しく

GはいつだってHで

朝からIについて考えて

JとKを眺めながら

Lを食べている

MはNと ....
 なんでかな ひどく苛々してる
 チョコレート食べたら口内炎にしみる
 すべて君のせいだよ
 君が約束の場所に来ないせい

 忘れるために寝ようとしても
 君の笑顔がちらついて
 そ ....
まーつんさんのおすすめリスト(3347)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 草野春心自由詩1014-5-21
二十七歳- 草野春心自由詩214-5-21
アンチ礼賛- yamadahifumi散文(批評 ...2*14-5-21
感情の絶対値- Neutral自由詩5*14-5-21
カワウソ- 草野春心自由詩414-5-21
つぼみ- ……とあ ...自由詩17*14-5-20
差し出された皿- そらの珊 ...自由詩23*14-5-20
……雨- ただのみ ...自由詩20*14-5-19
門のむこうから- 草野春心自由詩214-5-18
風の通路- 服部 剛自由詩614-5-18
白い手の感触_/_憧れ- beebee自由詩23*14-5-18
雨の向こうに- Lucy自由詩14*14-5-17
ぼた餅の重さで棚が落ちた- 北大路京 ...自由詩10*14-5-17
セキレイ- Lucy自由詩12*14-5-16
弟の死- 馬野ミキ自由詩614-5-16
詩的なあなた- 乱太郎自由詩24*14-5-16
非日常- ……とあ ...自由詩15*14-5-16
海岸- はるな自由詩914-5-16
【邂逅】- ハァモニ ...自由詩7*14-5-16
会いたい- ららばい自由詩10*14-5-15
さくらの笑み- 石川敬大自由詩1114-5-15
そばかす- そらの珊 ...自由詩20*14-5-15
整えた言葉に寝ぐせがない- 北大路京 ...自由詩214-5-14
すてき- はるな自由詩714-5-14
弁当- 山部 佳自由詩1114-5-12
手紙:RONYORISYOUKO- ただのみ ...自由詩15*14-5-12
面談室- ……とあ ...自由詩20*14-5-12
- Lucy自由詩15*14-5-12
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ- 左屋百色自由詩7+*14-5-11
口内炎- はるこ自由詩414-5-11

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