こもる
凪 ちひろ

ただ生きていくことが難しい
生き残ることが難しいし
毎日を幸せだと感じることは もっと難しい
一人では幸せを見つけることができず
けれど 人の中に入っていって傷つくのは怖い

布団の中にこもって その温もりにのみ安心を覚え
「出たくない」「行きたくない」と
甘えていたかった
それは悲痛な叫びにも似ていた

「そんなことでは何も変わらない」
なんていうのは 強者のお説教で
言われれば言われるほど
傷ついていく
でも
「いつまでも休んでいていい」
なんて言われたら
わたしはずっとここから出られないだろう
そしていつか 浦島太郎になった自分を見るのだ

逃げてしまった過去は
時が経つごとに重くなるばかり
全てを覆すことは 既にとても困難で
だから余計に 手も足も出ない

多分わたしは 完璧主義者だ
自分自身の理想も 親の願いも 世間の評価も
全て満たさなければ
0点だと思っている

本当は 完璧でなくていいから
ひとつ ひとつ 片づけなければならないのだ
全てが満たされなければ
生きる価値がないなんて
誰も決めてはいないのだから




自由詩 こもる Copyright 凪 ちひろ 2012-01-10 22:38:22
notebook Home 戻る