すべてのおすすめ
雨上がりのそら
草原に敷かれた鉄路
長大な貨車を曳く機関車が
ゆっくりと風景をよこぎってゆく

産業革命をささえた心臓が
風景のなかで鼓動している

そんないまではめったに在り得ないシ ....
まだ自転車に乗れなかったころ
ともだちの自転車を借り
田舎の緩い坂道をおそるおそる降りながら
何度も練習していた

不思議なことにあるときすっと自転車が自分のものになる
そんな瞬間を体験し ....
休みの日
うだうだ家にいる

仕事では夜の首都圏を走る
赤羽 池袋 新宿 渋谷 神田 三田 五反田
駒沢 荻窪 吉祥寺 青梅

池袋や新宿歌舞伎町には
所在なげなあるいは
あきらかに ....
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか

迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる

光沢を失った風景 ....
僕の文法のSは君と僕
Vは生きることだ
訳もわからずOをもとめてさまよう
たまさか生まれる言葉でCを綴る

規則正しいものに反感を持ち
疑うことの正当性をつかもうとして
いつのまにか自分 ....
仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる

人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも

保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻

零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて

帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
目覚まし時計の呼ぶ声に乳白色の霧をかきわける朝

夢の続きの小路をたどればあの古い石の門がが見えるかもしれない


丘の上の教会には孤児院が併設されていて僕の友達がいた

通りを浜のほう ....
拡散する
薄く透明に広がって止まない 大地は世界は 逗留するには狭すぎるから

陽光は優しく乾いた匂い 風の中に見えるもの それを慈しんで生きてゆきたい

心は風 すべての物の中に 僕は生き ....
粘りついている私

張り付いて剥がれない

経験なんてなんだろう

一回性の事実


誰も愛せなくて

こころ焼き付いて

悲鳴はいまさらあげないが

次のことを思うんだ ....
入道雲がたかく盛り上がっていた
あの丘の向こうにぼくらの夏がある

縁側にふたりならんでこしかけて西瓜を食べた

僕が種を飛ばすと君はぼくより遠くへとばそうと
おたふくみたいに頬ふくらまし ....
君は望遠鏡や顕微鏡を造る僕の会社の設計室に勤めていた

僕はある日君に恋した

それはけっこう素敵なことだった

会社の裏の独身寮のそばに総務の峯岸さんの貰ってきた柴犬の仔が三匹

彼 ....
君と同じ空を見上げたかったのだ

お雛様みたいに仲良くちんまりと並んでいるんだよ

桃の花だって咲いているし重箱には煮物バスケットにはサンドイッチ

おまけにスパークリングワインなんぞも冷 ....
窓を開けると校長先生が欠伸をしていた

校庭ではポニーテールが僕に微笑んだ
片えくぼを連れて

まだ風は冷たかったが沢山の蕾が輝いていた

遠くの山では雪も消えはじめ
柔らかな表情へと ....
月は淋しくて蒼い光をそっと流すのだった

夜は哀しくて汽笛をひとつ響かすのだった

風は切なくて切れ切れに吹いているのだった

君は懐かしく僕の思い出の窓辺に座っていた

仄白い水仙の ....
人生は一瞬一瞬の光を増すための努力

最期は一筋の光となって空に流れればいいさ
いつかみた風景のなかに僕たちがいた
求刑されることをまっていた

無期懲役かおなじぐらいの罪障が押しつぶそうとするが
僕は罪のために生きようと思った

生きること自体はもう辛くはなくなった ....
固く結んだ歴史の果て

柔らかな風を含んで君は花開く

大輪ではないが機知にとんだ
しっかりした花だ

空からやって来る言葉を迎えるために
僕らは産褥をしつらえねばならない

 ....
銀色の矢が空から墜ちて来るそんな夜

僕は系統樹のほとりに佇んで生命の音を聴いていた

風がちいさく闇を巻き込んで通り過ぎていった

ときはすでに多くを語らず寄り添っているような気がした
 ....
夜に浮かぶ幻想群

いつも夜の湾岸線を走る度に思うのだ
川崎と木更津を結ぶアクアラインも然りだが

陸上の建造物よりも海上の光のなかに浮かびあがった巨大建造物は
何故か深く心を打つ

 ....
僕たちは夜を旅する
孤独にむかって囁き続けるナイトバードなんだ

代償なんてありはしない
ささくれを癒す為に空を飛んできた
まぬけなオウムの類だが

ちっともいいことなんてないって言いな ....
子供はお菓子でできている
あるいは機関車トーマスとか仮面ライダーとか

おとなは憂鬱でできている
打算と愛がごちゃ混ぜの変な生き物だ

一本の鉛筆の語る世界は広くて遠くて
芯の通ったその ....
おそらく僕の知らない
無数のははがいたのだろうと思う

まあ今も昔も聞いたってこたえないだろうが

母の遺品を整理している

書道用具

浦和のなんとか堂とかいうところで購入した
 ....
寒中恋酒女

壊中金銭薄

身中満妄念

偲遠過去多々罪障

望月落涙虚

残少人生希清廉

要身辺整理整頓


遥山冠雪語狭小我

宇宙大深志更遠

自由何処在 ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた

僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった

いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持って ....
家にどうしてもチューニングのあわないギターがあって
まあ中古のフェンダーステージキャスターというやつのアンプ内臓ミニギター

先輩のショーさんにきいたら直すとけっこうかかるんじゃないって答え
 ....
煙草をすっている間考えたんだ
天気の良い日ばかりでは無い事を

世界はちょうど良い硬さでバラバラにならずに済んでいるが
手綱を緩めたら僕をおいて走り去ってゆくことを

ちょうどバランスのと ....
浜川崎から羽田線に乗る
古い高速道路はそのまま川崎大師の大鳥居をくぐり
モースの大森貝塚を三周程して
干し網の漁師たちを驚かす

ようやく京浜急行が高架になり環八がスムーズになっても
森永 ....
乾 加津也さんの梅昆布茶さんおすすめリスト(60)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ロコモティブ- 梅昆布茶自由詩1215-5-27
自転車に乗って- 梅昆布茶自由詩2215-2-5
Holiday- 梅昆布茶自由詩1214-11-25
- 梅昆布茶自由詩1914-7-11
文法1- 梅昆布茶自由詩1114-6-14
ブックエンド〜オールドフレンズ- 梅昆布茶自由詩29*13-12-2
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
沿線暮色- 梅昆布茶自由詩1913-10-7
海流の街- 梅昆布茶自由詩1613-9-15
拡散する- 梅昆布茶自由詩1813-8-25
妄執- 梅昆布茶自由詩1613-4-21
ぼくらの夏- 梅昆布茶自由詩11*13-4-1
恋を抱きしめよう- 梅昆布茶自由詩1213-3-21
君と同じ色- 梅昆布茶自由詩18*13-3-18
13番目の春- 梅昆布茶自由詩1113-3-14
寂しいものたち- 梅昆布茶自由詩813-3-14
光芒- 梅昆布茶自由詩1213-3-8
風のなかのソネット2013- 梅昆布茶自由詩1013-2-26
君咲く春に- 梅昆布茶自由詩2113-2-20
親父の暇つぶし- 梅昆布茶自由詩1613-2-8
夜に浮かぶ光のように- 梅昆布茶自由詩2413-1-29
ツアー- 梅昆布茶自由詩2013-1-23
子供の哲学- 梅昆布茶自由詩14*12-12-23
母の行方- 梅昆布茶自由詩2312-12-16
えせ漢詩- 梅昆布茶自由詩1012-12-3
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
デスペラード- 梅昆布茶自由詩3112-11-23
はずれた音- 梅昆布茶自由詩16*12-11-7
洗濯物は乾かない- 梅昆布茶自由詩1812-10-18
昭和遺文- 梅昆布茶自由詩1612-9-30

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する