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蛇口が
みずうみにつながっているように
蜜柑は
五月の空へつながっている
かぐわしい白い花
まぶしい光に
雨だれに
ゆっくりと過ぎてゆく雲に

蜜柑をむくと
その皮は
しっとりと ....
ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選ん ....
どこかに
わたしの詩を読んでくれる人がいて
わたしはその人のために書いたのでもないのに
ありがとうと伝えてくれました

それではだれのために書いたのだろう

もうひとりのわたしが
小さ ....
ゆっくりと
頁をめくる
それは
何かを
惜しむような
誰かを
見送るような
こころもちで
結末を
知ってしまえば
この手の中の
物語が終わってしまうから

桜は咲いて散る
 ....
スーパーで並んでいたときのこと

小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた

理由はわか ....
娘の反抗期も
そろそろ終わりかなあと
やれやれと思う反面
なんだかそれはそれで
一抹のさみしさもあり
手放した自覚もなく
ああ、季節というものは
こんな風に過ぎてゆくものなんだと思う
 ....
黒いアイリスは
男の喪に服した女だ

ジョージア・オキーフが描いた
花の絵は
どれも女の顔に見える
花が儚く美しいという概念は
もしかしたら幻想なのではないか
もうこれ以上
対象に接 ....
冬の肌は
こわれもの

夕餉の火を落とし
手にたっぷりと
クリームを塗る
ひび割れから
そっとしみこむように

日常というものは
重力がある限り
何処に行ったとしても
そう変わ ....
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
MRIに写った骨に
ほんの少しの ヒビ在り
しばし見入る

ヒビは歌わない
ましてや笑わない
責めたりしないし
冗談も言わない
財布の心配もしない
後悔もしない
原因があって
結 ....
露天風呂に
注がれる湯を見ていた

細い竹筒を通って
それは 私のいる場所へと
落ちてくる
水面に触れるだけで 
透明だった湯は
たちどころに白く濁る

真暗闇なのに
ほのかに明 ....
ばーばに手を引かれ
ゆるい坂道をてくてくいけば

「コカ・コーラ!」
わたしは畑に捨てられていた瓶を指さして叫ぶ

ママ、という言葉は知っていたけれど
ママ、と呼ぶ対象がいなかった
日 ....
水中花は
水がある限り
生き続けます

におい
こえ
てざわり
ある種の予感
見えはしないのに
確かに在ったものたち
次は
何に生まれ変わりますか?

一秒に
『チョモラン ....
人は
はぎとった他者に
記し
記してきた

鳥は記さない
慈しみあう
つがいの声は
白い森に響き
溶けて消えていくだけ

{ルビ草子樺=そうしかんば}は
カバノキ科シラカバ属  ....
おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り

さく ....
ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう

吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけ ....
「ママ、なんでみどりなのに、あおっていうの?」
信号を指さして
そう問う
まだ乳くさい我が子を
天才だ! と思った遠い日

わたしは
なんと答えたのだろう

仮に
みどり、と名づけ ....
明け方
素になった
あしのうらが
のんびり呼吸をしていた

朝、起きて
人が再び活動を始めたときから
あしうらは忙しい
意にそまない誰かであっても
一緒に過ごさねばならない
破れか ....
声がする
崖っぷちに
かろうじて
爪を立て
呼んでいる
誰かを
よるじゅう
求めている
雨に打たれて
傘も持たない
家もない
母もない
優しい思い出も持たない
痩せた猫が
 ....
みつめる
みつめる
じっとみつめる
そうすると
何かが
語りかけてくる

種を手放したあとの
たんぽぽが
茎に残された
小さな瞳で
私をじっとみつめる

世界には
なんと
 ....
もう なんにちも
雨は降らないし 降りようがない
雨乞いの呪文も
もはや効き目は薄れ
わずかばかりの
水を流して
やり過ごしている

 {引用=さかな 苦しいだろう
さかな 底に怯え ....
女の子の
苗字と名前にある
わずかな空白に
小さな川が流れて
いる
せせらぎのような気安さであるから
そこをいったりきたりすることが
できる
時々流れてくる桃を
無邪気に拾って遊んで ....
人なかで咳が出ると
はやく止まれとあせる
半径3メートルにいる人たちから
無言で疎まれていると感じて
目的地のことなどどうでもよくなり
消え去りたくなる

独りで居るとき咳が出ると
ほ ....
なぐさめが
嘘だと知っていた
けれど
この世の中に
ほんとのことなど
在るのだろうか

わたしの躰に産みつけられ
冬を越した
薄黄色い{ルビ卵=カプセル}が
もうすぐ
孵化を始め ....
備え付けの
グレイのロッカーの扉を開けると
中に針金のハンガーが二本
ぶらさがっていた

わたしの前に
入院していた人が
使って残しておいたものだろうか

ただ一本の針金からできてい ....
廃屋になる少しまえ
きみょうに やねがかたむきはじめた
それは ただのきっかけだったが
終わりまで止むことの
許されない
狂ったアリアだった
ちょうつがいが蝶に戻って飛び立つころ
えんき ....
赤いウミウシの模様であった
デパートの包装紙
それで母はちゃっちゃかと洋服の型紙を作る
かつて何かを包んだものの匂いがしていた

ヒトガタに切った人形が
夢のなかでトモダチになるように
 ....
雪は
ひとひらと数えます

ひら、ひらと
落ちてくる様は
心がなにかを探しているようで

雪を
ひとひらと数えます

ふたひら
みひら
あとはもう数えるのは止めました

あ ....
ほころびを縫う
小さな欠落をたぐりよせながら
そのひとつひとつを
確かめるように埋めていく

ほころびのない人生など
ない

冬の夜にほころびを縫って
いる

母さんにもらった針 ....
ひかりをみつけたよ

人が踏みゆく
黒いアスファルトのなかに
埋まっている
埋まっていた
だけど
誰も
拾わない
拾えやしない

だいあもんどなんかより



どこ ....
乾 加津也さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蜜柑をむく女- そらの珊 ...自由詩21*16-3-2
おかえりなさい- そらの珊 ...自由詩23*15-1-8
青い手紙- そらの珊 ...自由詩17*14-5-19
桜百景- そらの珊 ...自由詩1314-3-10
ただそれだけのこと- そらの珊 ...自由詩20*14-2-22
女同士- そらの珊 ...自由詩25+*14-2-3
閉経- そらの珊 ...自由詩24+*14-1-30
こわれもの- そらの珊 ...自由詩2213-12-24
とうめいな容れ物が収集を待っている- そらの珊 ...自由詩2613-11-17
ヒビいった- そらの珊 ...自由詩15*13-11-15
白骨の湯- そらの珊 ...自由詩1113-11-9
もらい乳- そらの珊 ...自由詩24*13-8-6
ねがえり- そらの珊 ...自由詩11*13-7-10
【草子樺】_詩人サークル群青_6月の課題『慈』から- そらの珊 ...自由詩20*13-6-11
花まんま- そらの珊 ...自由詩22*13-6-4
ゆくすえ- そらの珊 ...自由詩21*13-5-29
【仮にみどりと名づけてみる】群青五月のお題、緑から- そらの珊 ...自由詩20*13-5-25
あしうら- そらの珊 ...自由詩23*13-5-15
痩せた猫- そらの珊 ...自由詩21*13-4-9
みつめる- そらの珊 ...自由詩1913-4-5
川という女- そらの珊 ...自由詩19*13-3-30
川岸にて- そらの珊 ...自由詩18*13-3-20
- そらの珊 ...自由詩10*13-2-26
宴_/__春の祝福- そらの珊 ...自由詩19*13-2-18
針金ハンガー- そらの珊 ...自由詩23*13-2-7
アナザー_ドア- そらの珊 ...自由詩1713-1-19
かりぬい- そらの珊 ...自由詩34*13-1-17
ひとひらの雪- そらの珊 ...自由詩1513-1-15
ほころびを縫う- そらの珊 ...自由詩1713-1-15
雑踏- そらの珊 ...自由詩1213-1-13

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