みつめる
そらの珊瑚

みつめる
みつめる
じっとみつめる
そうすると
何かが
語りかけてくる

種を手放したあとの
たんぽぽが
茎に残された
小さな瞳で
私をじっとみつめる

世界には
なんと
多くの瞳が
あることだろう

みつめたい
みつめたい
じっとみつめていたい
涙が
あふれてくるのは
瞬きを我慢しているから

みつめる
春という名の
ほんの少しだけ
かなしい季節を





自由詩 みつめる Copyright そらの珊瑚 2013-04-05 10:12:35
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