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私は父親の顔を知らない。
けれど私の顔は、父親にそっくりだと
ある日酷く私を殴った後、母が吐き捨てるように言った。
腫れて赤くなった頬を氷で冷やしながら
私は鏡を覗いていた ....
雨の日はビー玉に
世界を映して覗き見た。
このビー玉をくれたのは知らないおじさんで
両手に溢れるほどの色とりどりのビー玉をくれた。
雨の日は透明。
夕暮れは橙 ....
毎晩3人の『子ども達』と一緒に寝る。
名前は
『ライオン丸』
『ライ次郎』
『うさこ』。
9年前にとある雑貨店、いや、『産婦人科』で
発見、いや、『出産』した。 ....
水晶に映る未来なんて信じない
私の未来は
いつだって私の物よ
占いなんて
食べかけのチップスよ
身体中に流れるコールタールが心臓を突き破った
屋上から見上げた空には自由の文字が浮かんでた
地に着いた両足は腐り始めてる
優しい人達の笑い声は遠く
涙だけ詰まったボトルが転がっ ....
受話器を上げる瞬間と置いた後の数分間。
切なくなるのは
なぜだろう。
切手まで貼った手紙を捨ててしまったのは
なぜだろう。
あんなに楽しそうに笑ってる ....