初恋
mizunomadoka

星の余韻にひたされて
自転車の窓を開ける
白い胞子を吸い込んで
肺がケホンと拒絶する
ペダルを恋でどこまでも
そんな気持ちでいたけれど

ハンドルが糸を引く
いっぱいの花が咲いてる
名前を知らないのが
残念だけど
きみなら喜んでくれると思う
この映像が届けばいいのに

思い出に帰る地図はない
それなら未来に走ろうと思って
自転車を改造した

旅に出て知ったのは
僕の身体の弱さと
自転車を降りて息をとめる
残された世界

きみに向かう道のりの
美しさと

静けさ







自由詩 初恋 Copyright mizunomadoka 2012-05-31 20:38:21
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