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天気雨が終わり
朝が降る
花の頭の魚が
光の首の鳥が
幾つもの頭の獣が
何匹も空へ昇ってゆく
海のなかのふたつの木
冬の終わりとはじまりのように
降りそそぐ朝のなか ....
気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
石の階段を{ルビ真=ま}っ{ルビ直=す}ぐ上ると
{ルビ古=いにしえ}の文人達が林に眠る東慶寺
境内の門の向こうには
紅白の梅園が広がり
石畳の正面奥に
惑いなき御顔で座る大仏
....
おぎゃあ
一字一句間違わないように強要された私のからだに
それとなく触れるだけであなたは最前列から並べら
れた裸体ばかり順番に、顔だけは別にするようです
....
ひとつ物音が消えてなくなれば
かき消されていた音が聞こえてきます
テレビを消してみましょうか
ちょうど今頃は庭先から
みなさんがよく知ってるものや
そうではない虫の音も聞こえてきます
....
マレー人たちが群れ遊ぶ夜
路地裏に押し潰された家並
薄明りのしたで媚びを売る
タイの女たちの問いの意味
なにも特別な意味などない
男たちが女たちにもとめる
たったひとつの部分的な哀
....
むかし読んだ本のことを
ふっとおもいだした
外国のある家族のはなしなんだけど
みんな関西弁で
もうちょっとちがう風にかけば
大草原の小さな家みたいな
おはなしなのに
みんな関西弁で
お ....
ふたりでハヤシライスを作った
きみがハヤシ
ぼくがライス
手分けして 仲良く
やっとこさ完成して ふたりで食べた
顔を見合わせて
「酸っぱいね」
やっぱりワインとワインビネガ ....
疲れたら 死ねばいい
そんなカッコイイこと ドラマは連載した
みせつけの ときめきを だきしめて
無言電話にこたえよう
見えない世界には みえすぎた者がいる
あぁ ....
乾季にはいったらしく日毎
陽射しも強くなってまこと
南国らしいあかるい空の下
元気ですと書いた手紙の後
ひどい雨がやってきました
ナイヤガラの大漠布の真下
さながら、川に浮かぶ船 ....
吉野家で並を注文する時の
卵と味噌汁は基本中の基本
黄身を潰して軽く掻き混ぜ
丼の上にとろりと浮かべて
紅生姜を満遍なくまぶして
....
おおみそかのことを
おおみそかと呼びはじめたのは
いつだったかしら
はじめてきいたときの
みそっぽいっていうイメージが
どうしてもはなれなくって
おおみそかっていうたび
なんだか
しょ ....
悲しい歌がひとつ終わり
静けさが喜びのようにやってきて
ふたたびはじまる悲しさに微笑む
雨の花に空は映り
空には雨の地が泳ぐ
水の歌が降り
歌の水が降り
鳥 ....
冬の日に
熱いレモン汁のような言葉を胸に納め
春の日に
春雷のような瞳で足下を叩かれた
夏の日に
かき氷より冷たい涙を流し
秋の日に
火照った月を癒す星のまぎれのように
素 ....
支那世からぬ昔話や
明日ん歩みそおりい
笑てぃ歩みそおりい んち
事実ぬ辛さや事実ぬ涙や
美らさぬ物ん裏んかい
美らさぬ ....
スィーユゥ
君は
金色の 風を
朝陽になびかせて
去っていった
そうだった
やはり 金色には
それなりの わけが
ある
残してくれた トールサイズの
モカ
ト ....
0. forget me not
ない
ということは
きえない
ということ ね
1.
首筋には天使が住んでいて
風向きなど気にならな ....
ぼくにはあしが二本あり
うでが二本ある。
どうたいが一つあり
しかもそのどうたいには
おもてがあり
うらがある。
あたまが一つ、かおが一つあるのだが
左のあしを三十分
右のあしを三 ....
寄りかかれる温かいものが現れると
みんな幸せになるらしいのに
不安が増殖していく
欲しい言葉がもらえると
みんな嬉しくてドキドキするらしいのに
寂しくて堪らなくなる
....
低い山である。
釣客でにぎわう人造池と、
桜の並木が名物だが、
冬の夜明けには誰もいない。
狸しか通らないような、
細くて険しいけものみちが、
雑木のあいだを縫っている、 ....
散る空があり 重なって
地にひとつの花を描いた
子供がたくさんの光を飛び越えていった
声の飛沫はらせんに昇り
かがやきとかがやきとかがやきの差異が
手をつなぎ かすかな羽 ....
Molly、
君の
、を
想えば
濡れるつめたい
瓜。
十二月の
みず、水
みず、水、瓜 みずうり
ミズーリ
みずうみ。
Mol ....
もう でんぐりがりたいから
ひしから はしまで いきます
ほんとは みていてほしいけど
ごはんをたべてるまえを とおるので
ごめんなさい
と、3才のももちゃんは言った。
17才 ....
こののっぺりとした皮膚の
まあるく空いた黒い空間は
だまってゆっくりあなたを吸い込んで
肺にとどめて気持ちよくなるはずだった
もったいぶって持ってかえって
夜のベランダの下や
明け方の ....
血みどろの肉塊みつめ ふるえおののく
愛死の恐怖に そそぐ熱湯の滝
ほとばしる白い飛沫でも消せない記憶
耿耿と夜空にうかぶ 摩天楼の秋。
欲望の体系埋めてねむれる都市の
清潔な熱帯の緑は ....
蚊の羽音に憤怒する夜
その対策について考える
この蚊が君の化身であれば
羽音も心地よいのかも知れないが
羽音の君は
言葉を持たず
愛してると言ってるの
悲しいと泣いてるの
....
これは自分の部屋で彼から聞いた話
深夜に泥酔しながらドアをノックした彼の話
とりあえず水を一杯渡すと玄関で倒れ込んでいた彼は
受け取ったコップをじっと見つめたあと床に叩きつける
....
その男はゴミを集め
庭に溜め屋根に溜め
家の周囲までゴミだらけ
悪臭は付近一帯に漂う
注意も警告も無視して
男はゴミを集め続ける
ある日行政のトラックと
TVカメラがやってきた
そして ....
花を負う花が雀になり
鴉にやさしくついばまれている
音は聞かれる間もなく火となって
水だけを求めて落ちてゆく
別の音が別の音を得て空に生まれ
二羽の鳥の背の上から
川に沈 ....
りんごあめ かってよう
いけません あなた いつだってたべきれないでしょ
きょうは ぜんぶたべるもん
じゃあいちばんちいさいのにしましょうね
や いちばんおっきいの
どう ....
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