すべてのおすすめ
嫌いな奴にぶつけてやりましょう。
ぷちぷちシートを潰すことが
私のストレス解消法でもあった
その晩も
テレビを見ながら私は
ぷちぷち
とやっていた
突然
どこかから叫び声が聞こえた
テレビではないらしく
気の ....
ほんとにあなたに会いたくて
阿佐ヶ谷とアムステルダムが 草続きだったら
走って行きたい と思います
足をとられるのは
たんぽぽのつるではなく
カマキリの白い糸で
血が流れると
あなた ....
咲くものを追い
影は葉のように落ち
描かれた歌を隠した
ふと混じりあい
ふと離れ
振り向き
微笑む日
影は速く
光は遅く
まわりつづける
....
誰もいなくなった教室で
同じ図形をノートの端にひたすらに書くということを止められなくて
一本の線で四角をどんどん連鎖させて黒くなるまで
はじまりがどこだか見えなくなっても
鉛筆の先に終わりはま ....
忘れないようにと
手の甲に書いた文字
『ケッペレペケペケ』
左手の甲にオレンジ色で
『ケッペレペケペケ』
いったいどう言う意味だろう……
けっぺれ?
けっぺ
けっぺ ....
いました、指がしなやかさを失ったその瞬間から既に、
すべて気付かれていました、知れ渡っておりました。
だからこっそりと集団の流れる気配に背く信号を
飛ばしたのです、届かない、知っていました。
....
堂々巡りの話が止まらないのでいっそのこと
回り回って溶けてバターになってやろうかと思ったが
パンのカリカリの表面の上できれいに塗られずに固形のまま
押しつぶされたりするのが嫌だったのでとにかく反 ....
水たまりに映るいさかいと雲を
雨がゆっくりとかきまぜる
人は過ぎる
空は過ぎる
水たまりの底のむらさきに
次の空がやってくる
鳴き声のように震える音が
どこから ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....
何処か知らない 浜辺
の砂の上に座りこんで ぼんやり
海を眺めていたようで
すぐそこの岩屋の蔭
から蟹が一匹
ちろっと動いた ように感じて
眼を凝らそうとしている
つもりが逃げ ....
フィリッピンの
バタンガス地方
カラカの
小さな漁村が消え
三〇万KW石炭火力発電所 出現
あつい日盛りで
海には風もない
遥かセミララから
ふるぼけた石炭船が着いて
なんに ....
吸い込まれていくのが見える見える過ぎ去った
いくつもの粒子を放散してやぁまるで星空のようだねと
星空を見上げながら隣の盲は何を言ってるのか分からない
少年は目を見開いて膝をいっぱいにした星空 ....
縄とびをする子を探していると
ピンク色のセータに 水色の縄で跳ぶ子がいたので
失礼して
卵を置きました
割れて出たのは 木屑です
カラス 雀 みみずく キリンなどが それを喰うので
「トッ ....
私は拒否された
冷たく重い扉の外で私はゴキブリのようだった
歯の奥でコンクリートがじゃりじゃりする
深夜四時
新聞受けに挟んだ手を抜くこともできぬまま
このまま朝まで過ごすのだろうか
....
難しい言葉はきらい
難しい言葉は 結局
何も表現していないことがあるから
でも
簡単な言葉ばかりをよく使う人が
難しい言葉を使うのはすき
きっとその言葉でしか表せない感情なんだろう ....
喉の奥を製本したような風邪をひいて
いっそのこと美しく装幀されて図書館でカビ臭くなりたいと夢見て
布団に入るといつのまにか17時間半経っていた晴れた午後4時に
炊いたお香でひとつ咳をして
....
毛糸を見つけたネコは
その大きな丸い塊を
小さな手でじゃれた
ころころと転がり出す
毛糸
ネコは何が面白いのか
それを追いかけまわす
いっこうに捕まる様子のない
毛糸
ネコは ....
美しい憂鬱
高貴なる倦怠
曇り空の下のチューリップ
仔猫は路地を駆け出し
大きな黄色い車に轢かれた
子供たちはチョークで人型を描き
死体を学校の花壇に埋めた
その土によってしか咲けなかっ ....
うもれてねていた
いまはいつだろうか
どれくらい
ねていただろうか
このくらいへやでは
わからない
おとがする
こまかいおと
おおくのかさなる
しんどうがする
ごはんをたべ ....
一日じゅう
好きなことだけをして過ごした
だれとも会話をしなかった
台所に寝そべって本を読んだ
お風呂の窓を全開にして四回入った
泣いた
難攻不落の坂道を自転車で登りきった
技術の限 ....
夏に捨てられた蝶が
ひらひらと自転車の前輪に身を投げようとしている
これ以上ペダルを重くしないでおくれ と
黄色いはねをかわす
崩れそうな空
地響き
空鳴り
....
机の上で顕微鏡に誤解されたい
絵に描いた夢に初恋が覗かれて
家出の新聞記事に胸を痛めたその隙に
始まりと終わりが泪の後で同時に流れた
ツー
ツー
流れた
ひっくり返ってたたみかける空 ....
テーブルの格子模様に
グラスの底を当てて
君はその大きさを測っている
今週末は雨が降っていて
僕達はまるで
晴れ間をうかがうような顔でしか
会えない
八重洲の長い地下道を歩いて歩いてきて ....
青い鳥がじっと見てるので
毛をむしって 顕微鏡で見ました
顕微鏡で最初に見るのが 鳥の羽だが。
真っ白。青い鳥じゃないじゃん。
「あの子はピンクのお尻をしてる」と思われたい
初恋は最 ....
舞台の中央には透明な攪拌機がありまして
僕によく似たピエロが登場します
ピエロは無言で虚空を凝視めると
両手をひらひらさせて様々な八月を取り出します
粗末なリュックに詰め込んだサツマ芋 ....
いまひとひらの蝶
ゆっくりと私の眼を奪って
流れ着いたのは何の彼方でもなく
オフィスの私のデスクだった
電話の喧騒の中
不意の来客は用件を語るでもなく悠然としている
よく見ると胸に社章 ....
僕の窓から
不意に
せせらぎの音が聞こえてきた
じっと聞いていたのに
もう
聞こえない
ジット が続かなくなったのかな
そういえば
小さい頃は
ズ-ット だった
いつか
....
これが、かのん
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃん
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット
これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット
のなかの白いお ....
森はあたしの同級生で
森というのは苗字ではなく名前で
苗字は山田とか佐藤とか鈴木とか
そういう犬のクソみたいなたぐいだったと
思ってほしい
あたしはいつも森とだけ呼び捨てにした
mor ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111