エール

     吉野家で並を注文する時の
     卵と味噌汁は基本中の基本
     黄身を潰して軽く掻き混ぜ
     丼の上にとろりと浮かべて

     紅生姜を満遍なくまぶして
     降り掛ける一味に彩りの妙
     塩辛い味噌汁を一口啜って
     一気に掻き込むは至福の宴

     嗚呼母様有難う御座います
     嗚呼父様有難う御座います
     店員の兄ちゃんにも有難う
     米の一粒すら残しはしない

     染み渡る肉汁は体内を巡り
     歓喜の溜息は笑顔を運んで
     傍から見ればイってる表情
     もう止まらない箸の擦る音


     思い出すだけで涎が零れる
     財布の中では硬貨も小躍り
     さあ出かけよう目指せ吉牛
     年中無休の24時間に感謝
 
     割箸綺麗に割れるといいな
     汗臭いオヤジの隣りは鬱だ
     朝定の御飯は少なくて困る
     汁気全然の並弁もまた良し

     お茶か水か選べるといいな
     椅子をも少し前に引きたい
     卵だけ先に出て来てもなぁ
     そんな時間を楽しんでいる

     今日も一杯ごちそう様です
     流石、牛丼ひとすじ三百年
     早いの美味いのやっすいの
     今年も宜しく御願いします♪





自由詩 エール Copyright  2004-01-01 03:51:35
notebook Home 戻る