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高慢娘のおまえが
夏の光にパラソルさして
これはまたなんと恥ずかしそうな!
小指の先まで恥ずかしそうな!
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している
触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とり ....
錆びれた雨が
まとわりついて
カサの中まで
ぼくの中まで
薄情なまなざしで
憧憬の隙間に入り込んで
ぼくを湿らせる
だけどね
これも通り過ぎるよ
....
光りに触ってみたいな
カラダ中がココロ中が
透けるくらい照らされる
光りに触ってみたいな
音になってみたいな
ナミダが零れるくらい
胸の弦を震わせる
音に ....
風を見た朝のこと、時の子は過ぎてゆくことを拒み、羽根のある少年のように、中空を浮遊していました。誰かが風をイルカと呼んでいます。そして風に青い月の名を持つ花を贈りました。
―あのこが好きな ....
風が見たいの、と
きみが言ったから
縁側に座っててごらん、と
言ったんだよ
本当はそこじゃなくたって
いいんだ
吊るされた青銅は
お寺の鐘にも似て
思わずぼくは
しあわせ、とかを ....
街にはビーズが散らばっていて
きらきら きらきら
あちこちに染み渡っている
信号待ちの隙間に
自分の色を
みんな拾い集めている
窓には夏がはめ込まれていて
静かに 静かに
深い青を ....
りんは河原で泣きました
自分なんて居なくても
地球は回るのだと
石ころを蹴飛ばそうとして
空振り すってんころ
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【 問1 ....
くちびるから突然漏れる息があって
今ぼくがそれを名づけるから
太陽
坂道を自転車で繰り上げてゆく
いつまでもうしろをからっぽにするために
風が残ってしまいそうな零時に
目が乾いて仕方な ....
飛ぶ鳥は水平線を濁しながら渡る その足が青いのを見て追いかける 何か落とした! 青色一号の入っていた分別されていない容器につまずくと 足が染色されてしまうことがよくある もし洗っても取れないなら その ....
私は父の剥製を抱く
怒りの集積が父を剥製にした
不動明王の縄になって縛りたいものが
「偽りの手」かもしれない
23年間の沈黙が破られて
見えてきたものは父の死の真実だ
無知で作られた平 ....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある
ハリー、ハリー
誰か ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
青ざめた夜に
チック、音
青ざめた夜にチックが走る
そして、音のある鬱
青ざめた夜にチックが走る、そして
音のある鬱
を、雷光が
ヒステリックに笑う、雷光が
....
霧の森をぬけると
朝朱の陽が射し
湖はゼリーで
きらきらと波打っていた
向こう側へ行きたいの
今がたぶんその時だって わかるから
手をつないでね
ほら、
標識だって あるわ
....
葉ずれから
名前のしらない時間を思い出した
さて、君はだれなんだろう
隙間からみえる
青い流れは遠い
いま僕の
肩に降るこの雨が
いま君の
心を潤していたら
いいな
もし君が
いまこの雨に
渇くなら
僕はカタチを失くして
君を真っ赤にしたいのに
そん ....
街から海まで
飛びました
ポチャンと海へ
落ちました
底まで
潜っていきました
底には
空がありました
ボクは
空に浮かびます
それは
....
遠い日の妹へ
幻影に愛された魔術師の妹は
悲しみも苦しみもマゼンタの組紐に変えてしまう
私の内なる地上絵の上を飛ぶ時も
橋が壊れたから
つ ....
サンダルをはいて
かわべりをあるく
ゆうだちのあとの
なつのにおいはわたしの
あしのつめににじんで消える
わたしがいなくなる
みどりのなかにとけはじめ
ゆっくりとかぜにながれる
上 ....
みずいろの
そふぁーのうえに
あなたは
たいじとなって
ねむっている
てれびでは
よいどれてんしが
ちをはいている
そしてぼくは
ねころびながら
とおく
うみのおとを
....
佐藤君は思います。
たまには西田君みたいに
晒されたり裏返されたり、
そんな生き方もいいかも知れない。
いくつもの賞をもらっても、
皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
透明な堅 ....
誰にくれてやることもせずむさぼった
粗いフィルムの陰影を透しスカートから
のぞくガーターの片りんを思う
音量は振動となり骨肉に伝う こんなときには
ありがたい むさぼるだけ
むさぼっ ....
カーテンを開けると
山が見えて
その中腹には墓が並んでいる
集団住宅を思わせる密度
西の端にペンギンのような像
人に聞くと観音菩薩像らしい
部屋の端で
卵と砂糖と薄力粉をかき混ぜる
....
新しい音が鳴り出すと
見上げてしまう癖がついた
国道沿いの滲んだ校舎の上
スピーカーが漏らす
ひずんだ音
ずっとずっと変わらない
ひとつ
呼吸のように響いては
震えている何か
....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
火炎
のどから
くラいひぇン
太陽の
のどの奥から
ィ矢が出る
....
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
ぼくの中の沸騰石はころころ
指のさきまで転がるんです
背骨を真っ直ぐにしている力よ
どうか今すぐに椅子ごとざわめきを引きちぎって
このぶつかりを
愛だと言わせて下さい
きみに言わせてくださ ....
チンピラだ
わたし
声がもう
濡れてる
夏の
アスファルト
熱い
マンホール
開けて
野良猫を
放り込んで
自分も飛び込みたい
人が恋しくて
誰かにしがみつきたい ....
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