すべてのおすすめ
ナツ、おばぁちゃんに聞いたんだけどぉ
ほんとはもっと暑いかったらしぃのよぉ
何が。
かというと
久しぶりに過ぎ去った台 ....
視界に広がるこれまでが
あまりに深いので
私たちはすくみながら頂に立ち
いつの間にか手を繋いでいた
あの層を一枚一枚剥がしてゆけば
私たちがいつか手放した大切なものに
また会え ....
左側のはたちが痛い
咀嚼するたびに じいんと痛む
甘いものばかり食べていて
気づかなかったけど
上も下も上も下も
みんな
中も外も中も外も
すべてが
ほかには何にも食べれない
二十歳 ....
けっこっけっこう
けっこうです
タチツテタの滑り台を降りると
コテムシトタの小山にジャンプ
ケッタッケッタ
長靴にたっぷり水を飲ませろ
こってっこって
おさげ髪のブランコに
しゃぼんを ....
子どもの頃 私はパン屋さんになりたかった
幼稚園からの帰り道にある 公園のとなり パン屋さん
優しいおばあさんが いつもひとつだけ菓子パンをくれていた
その菓子パンがだいすきだったか ....
体温を逃がさないように
君は丸くなって僕の隣りで
いつものように
まだ寝息を立てている
まるで小さな生き物が
昨日も生き抜きましたと
陽光に告げるように
寒い、寒い、いつもの朝
....
群青の空に
月が出ていた
レモン色の
まんまるい月
あれはなぁに、と
君が言うので
天国だよ、と
僕は答えた
Boy
話のわかる先輩とグラスを重ね
生意気を言い放っては
頭を撫でられている
Boy
姉さん達より自分の肌を瑞々しいと言った後
懸命にフォローの言葉で繕って
やっぱり頭を撫 ....
チリチリしたものがふわふわして
涙たっぷりの朝の食卓になりました
誰もいない台所はいま荘厳なひかりにあふれています
醤油のこびりついた容器も金色に輝いています
空気の一粒一粒が新しく生まれ ....
ぼんやりと
視界の縁に揺らいでいる
僕は多分 君を見ているから
やわらかな陽射しに包まれて
ここは海に見えるのかもしれないよね
でも
いつしか君は居なくなっ ....
二〇〇〇年隠居元年一月一日。墓参。
東京都立多磨霊園二四側四九。
おふくろとおやじとおとうとに「無職」報告。
おそい午前のひざしはおだやかで風もない。
よどんだ時のながれのなかに六九歳 ....
駅のホームは終電まで1時間の23時で、ぼくは「のりかえ」が「チェンジ・ヒア」と訳されているのに気づく。「チェンジ・ヒア」というのは「いる」ところからスタートしているが、ぼくらは「いない」ところからスタ ....
愛してるをみじん切り
ドコ行ってたのをすりおろし
怒ってないけどを手でちぎって
フライパンで炒めます
5分後
聞こえにくい感じの眉間を小さじ1杯
閉じるか閉じないかの目蓋を大さじ2 ....
ひとつの恋やひとつの季節や
その移り変わりのたびに
ひとつのうたをうたう
あなたのうたは
あなたの心を解放してくれますか
それとも
縛り付けられたままですか
その合間 ....
「 ひとりで寝るのは
寝るのじゃないよ
まくら抱えて
横に立つ。」
生きていた時
おやじが謡った
都都逸だ。
習い性になって
毎夜長い枕を抱えて
眠りに就く。
....
4本の弦を見つめるあなたの写真を見つめる4人の仲間たち
好き?
と彼女に聞かれたので
好き
と彼女に言う代わりに
100行の詩を書きました
それはそれは思いを込めて書きました
100行じっくり読んだ彼女が言いました
で ....
まけじゃんけんというものをおそわりました
さきにあいてがだしたてに あとから
わざとまけるてをだすじゃんけんだそうです
ぱーには ぐーを
ちょきには ぱーを
ぐーには ちょきを
ま ....
打てば鳴りそうなこんぺいとうに
いつかの夢をぶらさげました
眠れぬ夜に凍えても
決して寂しくないように
やがてつららが溶ける頃
こんぺいとうは消えました
落 ....
土曜の夜はカレーだった
カレーを食べながら全員集合を見る
土曜は、カレーで、ドリフだった
子供時代
兄が結婚して家を出て、春はもう三度目
週末には実家に子供をつれて帰ってくる
甥っ ....
冬
風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコを一服、宙に吐いた
背広を着込むようになってから
時々、神様の音を探して
じっと耳を澄ましてい ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車
割れたブラウン管
骨の折れた傘
骨折り損のくたびれ儲け
破れた心臓
そんなもののうえに
....
拍手の海に耐えるための水分が足りない体は、溺れそうだと訴えながら
神経という神経を振動させては、火花の散乱のような絵に惚れている
疑問の類、或いはそれに酷似した感情が地球上に生まれた原因は ....
婆さんは忙しいのである。
なにしろ忙しいのである。
化粧するヒマはない。
みなりととのえるヒマもない。
そんなわけで
髪はおどろに振り乱し
服はボロボロ顔は血みどろ。
時には走る車の ....
実をいえば
俺は
電話ってものが好きじゃないんだ
その俺が
真夜中に
水に浮くキャンドルの
揺れる炎をみて
無性に誰かと話したくなった
誰でもいいって訳 ....
・息子より左ハイウェイ
いっちばんおおきなもの なーんだ?
ハイ!じょーじわしんとん
ハイ!うもうぶとん
ハイ!びたみんしー
不正解だ お前等
何もわかってねえ
何が ....
夜空を往くものがいる
丸く小さくひかって
星よりおおきく
飛行機より小さく
月の無い空を
意思もって動くものは寂しい
水茎を行く天道虫の意志
生きて動くものは寂しい
林檎 トマ ....
君は木立の中に
透明な花を
隠している
涙は霧のようで
僕から熱を
奪わない
幾たびも逢いたい
僕は変わってゆくけれど
やわらかな予感に包まれた
君が変わることはない ....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章
これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
泡だけは
沈んでけば
いーのに
未練がましく何故
昇るソレを
ボクは
見上げなくては
いけないんだろう
乳白に
ポぅくり
煙りのがまだ
軽やかだ
唇を撫でるよう
最後に吸 ....
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