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プーケット島であそびつかれて
男たちはミニバスによこたわり高鼾。
たおした座席に足をなげだして
ふとめざめて窓越しにみあげるとき、
ああ空がとんでゆく。雲がながれて
刻々と色をかえる熱帯 ....
蜜柑の里の海辺の丘で
まるで童謡の一節みたいに
蜜柑の里の海辺の丘で
太平洋に浮かぶ船をみている
船は遠くて
たぶん大きいのだろうけど
ちいさくみえる
たぶん動いているのだろうけど
....
切なさをもっとたくさんください
君のお父さんとお母さんは
中途半端に愛し合っていて
ほんとうは 友達だったけど
セックスも何だかなまぬるくて
彼はずっと壁を見ていて 彼女は天井を見ていたので ....
雨上がりが
夕暮れに間に合ってしまい
その為に見てしまうもの、を
見ていました
結局は
全て冷えゆくというのに
明るみに出てしまったショベルカー、の関節
轟き続ける工場からた ....
まばゆさの
明かり障子 前にして
あらゆる形状の輪郭は
努めて 溶け
まばゆさの内にあり 薄く 美しい水墨のようで
それでいて
あらゆる形状は 悲しかった
思わせ振り ....
甘えてくるひつじ
この言葉に今、萌えています
想像して下さい
ふんわり・もこもこっ・ふにふに・・・
たぶん
べーと鳴く
めー ....
ちいさいくつは
ちいさいころにはいったっきりで
ちいさいおもいでとともに
ちいさいはこにいれて
ちいさいおしいれに
ちいさくしまいました。
ちいさいってなんてかわいらしくてかなしいのだろう ....
わたしのすきな
みっちゃんは
ぼくはとうさまのおはなやさんをつぎます。
と
ようちえん
や
しょうてんがい
や
しんせきたちのつどい
でも
ゆっていますが
いつも
うそのめをし ....
げんまい
China Store
は知名商店
県立病院のはす向かい
時刻表が意味を持たない島の
まだ暗い時間から
白衣のままのインターンが
パンや牛乳を買って
{引用= ....
赤い 忌憚 の
ただ 中 を
棘 成る 不知火
喰 すすり
龍 の 大王
なま山 覚まし
海里 マグマ
の血に消える
裂ける 白花
破る 異質夜
ほ ....
わたし
たいよう
ひとりぼっち
よびかけても
へんじはない
なにもみえない
みんなどこへ
いったんだろう
わたし
わたし
つき
ひとりぼっち
さむい
こごえそうだ
....
さみしかったけど
雨が降っていたから
窓を少し開けて外を見た
空中で透明な雫達と
輪舞曲を奏でる
桜の葉たち
落ちてゆく哀しさは
私が見守ってあげよう
地で雫が揺れていた
桜 ....
うまれた時に にぎっていたのは
青いちいさな さみし石
てのひらからもぐりこんだそれは
ぼくの ひざっこぞうになった
ときどき いたいの
とっちゃいたいと おもう ....
天気雨が終わり
朝が降る
花の頭の魚が
光の首の鳥が
幾つもの頭の獣が
何匹も空へ昇ってゆく
海のなかのふたつの木
冬の終わりとはじまりのように
降りそそぐ朝のなか ....
気がつくと
捨てようとした広告紙の裏一面に
ひとつの名前を繰り返し書いていたりして
それがまた
自分でもびっくりするくらい意外な名前で
戸惑うというより不思議な気分になってしまって
驚愕と ....
石の階段を{ルビ真=ま}っ{ルビ直=す}ぐ上ると
{ルビ古=いにしえ}の文人達が林に眠る東慶寺
境内の門の向こうには
紅白の梅園が広がり
石畳の正面奥に
惑いなき御顔で座る大仏
....
おぎゃあ
一字一句間違わないように強要された私のからだに
それとなく触れるだけであなたは最前列から並べら
れた裸体ばかり順番に、顔だけは別にするようです
....
ひとつ物音が消えてなくなれば
かき消されていた音が聞こえてきます
テレビを消してみましょうか
ちょうど今頃は庭先から
みなさんがよく知ってるものや
そうではない虫の音も聞こえてきます
....
マレー人たちが群れ遊ぶ夜
路地裏に押し潰された家並
薄明りのしたで媚びを売る
タイの女たちの問いの意味
なにも特別な意味などない
男たちが女たちにもとめる
たったひとつの部分的な哀
....
むかし読んだ本のことを
ふっとおもいだした
外国のある家族のはなしなんだけど
みんな関西弁で
もうちょっとちがう風にかけば
大草原の小さな家みたいな
おはなしなのに
みんな関西弁で
お ....
ふたりでハヤシライスを作った
きみがハヤシ
ぼくがライス
手分けして 仲良く
やっとこさ完成して ふたりで食べた
顔を見合わせて
「酸っぱいね」
やっぱりワインとワインビネガ ....
疲れたら 死ねばいい
そんなカッコイイこと ドラマは連載した
みせつけの ときめきを だきしめて
無言電話にこたえよう
見えない世界には みえすぎた者がいる
あぁ ....
乾季にはいったらしく日毎
陽射しも強くなってまこと
南国らしいあかるい空の下
元気ですと書いた手紙の後
ひどい雨がやってきました
ナイヤガラの大漠布の真下
さながら、川に浮かぶ船 ....
吉野家で並を注文する時の
卵と味噌汁は基本中の基本
黄身を潰して軽く掻き混ぜ
丼の上にとろりと浮かべて
紅生姜を満遍なくまぶして
....
おおみそかのことを
おおみそかと呼びはじめたのは
いつだったかしら
はじめてきいたときの
みそっぽいっていうイメージが
どうしてもはなれなくって
おおみそかっていうたび
なんだか
しょ ....
悲しい歌がひとつ終わり
静けさが喜びのようにやってきて
ふたたびはじまる悲しさに微笑む
雨の花に空は映り
空には雨の地が泳ぐ
水の歌が降り
歌の水が降り
鳥 ....
冬の日に
熱いレモン汁のような言葉を胸に納め
春の日に
春雷のような瞳で足下を叩かれた
夏の日に
かき氷より冷たい涙を流し
秋の日に
火照った月を癒す星のまぎれのように
素 ....
支那世からぬ昔話や
明日ん歩みそおりい
笑てぃ歩みそおりい んち
事実ぬ辛さや事実ぬ涙や
美らさぬ物ん裏んかい
美らさぬ ....
スィーユゥ
君は
金色の 風を
朝陽になびかせて
去っていった
そうだった
やはり 金色には
それなりの わけが
ある
残してくれた トールサイズの
モカ
ト ....
0. forget me not
ない
ということは
きえない
ということ ね
1.
首筋には天使が住んでいて
風向きなど気にならな ....
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