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わたしの夜のとなりに
ことばがたくさん住んでいて
ときどきベランダで
お話をする
こどものかたちをしてる
一緒にトマトを食べたり
くっついてみたり
ゴミを片付けたり
たのしいね ....
連続していく
足元で繰り返していく季節
飛び越える音も聞き慣れた
回り続ける円の内側を
ただ一列に連続していく
繋がっていく
足元で連なっていく蟻の行列
長く長く終わりが ....
目的地を探して
彷徨う心の軌跡は
直進し
蛇行し
迂回する
高い山の頂上を
目指すルートを探しているなら
地図を調べればいい
かつて登った者に尋ねてもいい
頂上の
その一点が
....
ビルディングは
壊れると
風よりも早い
たくわんの淵は よれよれしてて
噛むとカリコリやのに
今日のはまた特に
薄っぺらくて よれよれ
あたり前やけど まんまるやないし
たくわん なんで よれよれなん?
なんで もっと しっ ....
臆病みを申し上げます
遠く闇が講じる膚滓
歩み聴かす、気化す藍
ソウダ、泡立つか別つか
ほら、小舟はすぐだ
操舵守りも無しに彼岸に
雨漏りの杜に蝙蝠の籠る幻視
戦う以前に戦死ですか
愛 ....
ぴしゃん、と
はねた
さかなのおを
おって
ぼくは
もぐる
ぼくのなかの
くうきは
こぽり こぽ こぽ
ぼくを
つたって
そらに
かえる
ぼくは
ぼくで
....
陽が当たらないこの部屋には夜が堆積したまま、おはよう。
けして眩しくはないけれど、それは挨拶だ。
腕を下にしていたのでしびれた。下敷きが平たく硬いのは、しびれずに楽に生きていくための防 ....
せんえんで
ひゃくえんのものを
さんこかいました
おつりは
いくらでしょう
あほう
ちっとは
頭を使えや
解るか
客が
なんぼやって言うたら
負けろって意味なんやぞ
普通な ....
熱くも無く 涼しくも無く
肌に濡れる風は心地よく また煩わしくもあり
音は無く
揺れる木葉は遂に無言
それを何と呼ぶかは人の自由で
ただ「微風」と 私はよんだ
赤いランドセルは女の子の特権よ
真っ赤な真っ赤なランドセル
その中に
金魚の群れを飼っている
小学校三年生の夏
真っ赤なランドセルをせおって歩く姿に
隣の家のえみりさんを ....
きのえだいっぱいに
きれいなはながさいていたので
よじのぼって
ごめんねゆるしてね
ちゃんとあやまって
ちいさなえだをひとつだけおって
はなびらがちらないように
ちゅういしてもってか ....
誰だろう?誰かに見られてる。おかしい。ゾクゾクする。
男だ、と思う。わたしは女だから、見ているのは、たぶん。
わたしは、うつくしくない。いわゆる美人さんではない。
わたしは男に見られることは少な ....
指と指の間から
零れ落ちていくそれが青春だと
零れ落ちていくそれを左手ですくい
左手から零れ落ちたそれを右手でつかもうとする
もどかしさに胸をかき
からっぽであることにはたと気づく
ぬるい ....
なんだよ、ダジャレじゃねえか
と激しく笑われたので渡しそびれた
きっと勝つと、キットカット
受験合格のお守りだって
コンビニだって神社になる
簡単に買えたけど
その気持ちは簡単 ....
ぷよぷよ頭のシロイルカや
花火のようなくらげをみて
三人でおおきなアイスクリームを食べても
小さな女の子はそっぽを向いたまま
だから水族館から海へ向かう砂浜は
お母さんと君だけで歩いて行った ....
ついに発見されたのですね
青空いっぱいの無色な孔雀の骨
嗚呼ただの伝説かと思っていたのに
雲雀の血のにじんだ五月の空の
気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
発見されたので ....
ニュー。ニュー。
新しくなることについて考える昼すこし前の柔らかい光だ。
上着のポケットにしまっていた石を垂直に投げる。加速度と重力。そう、加速度と重力がせめぎあうその瞬間の曇り空に、押し ....
こどもがえへへと笑う
かわいいね ぎゅー
なんてするけど
パパの好きな塩辛
手作りして
「お帰りなさい」とか
言うけど
ほんとは
わたしが
誰のものでもないように
....
桜前線 が来て
花見客
そして
砂漠
ぎっしり 携帯した
迷彩服
の 中に 人
ほおばる 春
つづく 虐殺
信じてなんか いられない
みじめな 幸福 ....
泥のような緑
黙したままの光景に
虚ろがる夢が漂い
わたしは疲れている
コンクリートで舗装された
河川敷をよたよた
歩く老人を見て
わたしは疲れている
反省など冷たく
こおろ ....
きみがプリンが好きだと知り
ボールと泡だて器を用意した
すると 卵をきらしていることに気づき
悩んだ末に おもてに出た
ぼくは 公園に向かい
砂場にすわりこんだ
誰かが忘れていったプリ ....
干し竿に捉まったやかんが
風をすいこんで
ふるりゆれ
蓋はいつの頃にも
なかったようす
雲が影って
うつむき
口をぶらぶらしているやかんには
少し水が入っていて
のぞく顔を ....
オレンジ色の光が
揺らいだり翳ったりするのを
目を開けることもなく
ただ感じていた
あなたは
薄い壁越しに私を愛撫する
そのたびに光は翳り
わたしは波に揺られながら
あなたの手 ....
雪の降る夜
暗い工場脇で
体を探りあったこと
覚えてる?
あなた息遣いが
荒かった
学校帰りの
暗がりで
キスをしたことも?
二人とも
熱くなったね
寒いのに
....
師と呼ばれる男と
弟子が出会ったのは
ゴギと呼ばれる岩魚が棲む渓流で
両岸を繁みに覆われた小さなポイントだった
弟子は師の手造りルアーを3個藪の中に投げ込み
その夏最後の渓流釣りを終らせた
....
無い知恵を絞っても
さまざまに思いつくことは
己一人の生き様だけで
それぐらいしか思いつかぬ
そんなものでこの世を測っても
いい加減が
疑わしい物を計るのだから
腑に落ちる話にはならない ....
指先を
もてあそぶのが好きか
聞けば そんな事は無いわ、と
君はいつも苦く笑いながら 応えましたね
最近ね、よく、虫になった夢を見るの、
虫よ、羽の生えた、音を鳴らして飛ぶ、虫。 ....
通勤電車でまいにち通りすぎる
田んぼの景色
あぜ道のとちゅうにちょこんとすわって
毎日欠かさずに
電車を見おくる親子の犬がいて
気になって気になって
もよりの駅で降りてみた
当てずっぽう ....
色々と大袈裟に語られることが多いから
一つを信じるにも力が必要で
惑わされないように見ないように
うつむきながら加速していく
こんな時代を
ゆっくりと流れていくのは
夕暮れくらいなのか ....
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