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これは1618年にロバート・フラッドという名の錬金術師が発明した永久機関です。さしずめ「アルキメデスの螺旋」の応用といったところでしょうか。この螺旋の管が水車の力でまわると水は上方へ運ばれそこにある枡 ....
改札口で君のこといつも待っていたのは
ノグチゴロウだったけど
実はぼくもノグチゴロウと同じように
君のことを待っていたんだ
あの頃はまだ改札口に駅員さんがいて
切符を切ったり回収したりしてい ....
おおきくいきをすいこんで
少しずつ、大きくなっていく
何かをひとつ手にするたびに
少しずつ削られていくとして
今ポケットの中で
残されているもの
ひかりが、まぶしい
冬の午後
....
街の箱
そこで遮断機は間延びした挨拶をする
走り出した少年は億劫な表情で振り返る
無益な背中へ 罵声を上げるかも知れない
少年の背後でにじむ夕暮れは
街を陥没させ、
「磔にされた。」
....
すべての歯の間という間にクッキーを詰めてにやりと笑ってみせるとあんたはにかっと笑って各々の歯の間に胡麻を挟んで見せて、全部食べろと言うので舐め取ってみるとさながら胡麻クッキーが如しだ
....
アリプールで
ミクロの透明感
重力感ふり落ちるプチ人マンダラフィギア
壁掛けのネジを無限に配列し
がががとすり切れる子供の肩口
刻印は自由 肉片は関節
それでいく
それでいく ....
一番好きだったのは
二人のくちびるが
触れるか触れないかの瞬間
三回目に逢った時
予期せぬ打ち上げ花火に照らされて
アスファルトに映った影くっきりと
四月が来て
もう逢えない ....
転ぶ
そして
また転ぶだろう
僕は
望みどおりに
爆発的転倒哲学を打つ
言葉は生き埋めた
いちいち
いちたすいちの答えを反芻して
ぎゅっと
唾を飲みこむ
どうしても生きる意味が
....
おいしい
おいしいと
たべつづけ
たべすぎて
すこしだけ
もどしてしまいました
くちから
はきだしたものが
あまりにも
きたなくて
きみわるくて
こんなにも
きもちのわるい
....
雲のよく見えるところまで
歩いて
写真を撮ります
残された言葉を
写真に撮ります
笑顔や うつむいた顔も
まぎれこみます
今 撮らないと
もう 2度 ....
帰る家がない ほんとうに帰る家がない
廊下しかない 部屋がない 電気が点かない
真っ暗な廊下しかない 歩いていても帰れない
帰る家ではない
動物が居る 百万匹居る
五月蝿くて仕方ない
....
電信柱のカラスを
仰向けにしてしまってよと
君がそんなことばかり
言ってたから
のど飴を舐める旅に出て
もう
帰って来れなくなった
冬の太陽が投下する限界を浴びて
蜜柑を剥くのが憎らし ....
絶望を語る人は
絶望を語る上において
楽しそうだ
恋の苦しみを語る人は
恋の苦しみを語る上において
楽しそうだ
国を憂うことを語る人は
国を憂うことを語る上において
楽しそうだ ....
豆腐の角に頭ぶつけて死ね
角の豆腐屋に頭ぶつけて死ね
豆腐屋の角に頭ぶつけて死ね
「奥さん」
と呼ばれて振り向いた
そこにはオウムがいた
オウムはオウムスタンドに
鎖で繋がれて
にこにこ笑っている
「なあに」
とわたしは答える
オウムは首をかしげ
「こんにちは」
....
おッ母さん
久しぶりに夜更けに実家に帰って
ダイニングテーブルでうたた寝してる
アンタの背中を見ていたら
おッ母さん
なんだかもうアンタは
死んじまってるんじゃないかって
そんな気がして ....
プリンが食べたいの
入院している妻がそう言うので
会社の帰りにコンビニに寄って
プッチンプリンを買って面会に行った
病室の硬いベッドに二人並んで腰掛けて
プッチンプリンを食べながら
や ....
向かい風の吹いている
地図の上です
収縮と膨張を繰り返す波打ち際の
緩やかなカーブをなぞること
波音は届かずに
待ち焦がれるばかりの
海岸線が近い
そうで
少しずつ僕らに迫 ....
チョコチップクッキー
ひたすら食べ続けて
気分悪くなって
悲しくなってテレビつける
そしたら
チョコチップクッキーのコマーシャル
チャンネル変えても
チョコチップクッキーのコマーシャ ....
グルグル回って
いつの間にやら元通り
ピンクと緑のストライプ
グルグル回って
薄気味悪い茶色になって
食べてみたら
結構イケるぞオイ
と思ったら腹がグルグル
地獄の一週間が始まるのであ ....
冬の窓辺に羽が生えてました。氷の。
寒い地域に生息する鳥は、夜に飛びます。
誰も姿を見たことはなく、窓に羽を置いていきます。
窓ガラスが羽の形に凍っている ....
コンビニで買ってきたポテトチップスをテーブルに撒き散らして
両足で踏み散らすのが僕の恋人。
それを食べるのが彼女の恋人の僕。
僕は犬だから、彼女はショーペンハウエル。
....
一獲千金を狙う鉱山労働者と
サイコキネシスを操る占い師
密談は16日の夜
下関のカーテン屋の二階で
二言三言
それだけを手がかりに
持っているカードを切る
三本並んだ煙突が
....
空き缶を蹴飛ばしたら、僕だった
残っていた中身が飛び散った、僕だった
野良犬が怒り狂って追ってきた、僕だった
慌てて電柱によじのぼって見回した
空き缶は車に潰されてぺちゃんこで ....
朝、目をさましたら地球儀の上でした
当然ですが、びっくりしました
あんまりびっくりしたので
枕元のメガネをさがしあてるのに
2分40秒もかかってしまいました
頭の上のあたりを
何度も何度も ....
つづら坂のてっぺんが赤く燃えて
曲がり角のそれぞれに暗がりが生まれる
それがくねくねと蛇のように眼下の町へ
影法師が一組
手前の角の煙草屋の暗がりからあらわれて
穏やかな夕日にそっと目を伏せ ....
8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている
8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問 ....
みじんと鳴って落ちる月
高い梢にキタキツネ
朝露の
濡れる重さに耐えていた
非体験の罪状は
朝日の中でも暴かれて
憎々しげに現れる
認否を迫る百済の観音
内蔵する
輪廻 ....
あいもかわらず
あたりはブルーベリーガムのにおいばかりしていて
もちろんそれもあなたのせいだった
ねえ
、と珍しく呼びかけてみると
暗闇の方にブーメランを飛ばしたみたいに
見え ....
たとえば、庭に米粒を撒くこと
集まる鳥たちの名前をよく知らない
色、とりどりに、鳥
天空から降ってくる音
羽ばたく、空
それさえ分かれば、自分のどこかで
満足している誰かが在る
遠い ....
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