とうみつパイ
かなりや

むかし読んだ本のことを
ふっとおもいだした
外国のある家族のはなしなんだけど
みんな関西弁で
もうちょっとちがう風にかけば
大草原の小さな家みたいな
おはなしなのに
みんな関西弁で
おかしいことばっかりおきて
いなごの大群とかおそってきて
みんな関西弁で
おかしい。
その家族がよくたべる
「とうみつパイ」

おかしいとおもう
あますぎて
あますぎて
どろどろとろとろ
していて
たしか
食べているとすぐ虫がよってくるパイ。
とうみつってひらがなのほうがいいとおもうよ
糖蜜ってかくと
字面もあまあまで
やんなっちゃうもん。
でも
そのころいちばんみてみたいおやつだった
たべるのは
その場でむしばになりそうだからやだけど
べちょべちょであまあまのパイを
一生懸命
虫とたたかいながら食べる人を
みてみたかった
その場でむしばになるさまも。
ぜんぶ


自由詩 とうみつパイ Copyright かなりや 2004-01-02 22:50:14
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