すべてのおすすめ
男:ねえ、
女:月?
五反田へは
品川まわりの方が早いけど
君を思いだすために
久しぶりの家並みを見ながら
今の僕には池上線が
ちょうどいい速度で
君と出かけた日
洗足池で降りだした雨は
五反田で本降りにな ....
積み重ねられるものなんだよ
我々は
と,
棚に置かれた網籠の呟きが
聞こえる
そのことに
何かを見出すつもりは
無いと,
店先にあって,
彼らは
無駄ではないが,
添え物 ....
とどまらせようとするかぎり
けしてそこにはとどまらない
手をとり 馳せる
見えない姿
見える意思
ほぐしても ほぐしても
つむぎあうもの
暗い光の
いち ....
ライオンは
その牙とたてがみで
王者の風格と讃えられ
カモシカを食べた後に
カモシカに憧れて涙した
おいしいコーヒーをお家で飲みたかった
だから
豆と、ドリッパーを買った
ミルクスチーマーも欲しかったけど高すぎた
だから
仕方なく手動のを買った
あなたを愛し続ける自信がなくなった
....
ラジオから天気予報
東京地方は
雨のち曇り
所によりキャッチャーミット
所によりボールならば
キャッチャーミットでも持って出かけるが
キャッチャーミットの場合は
何をもっ ....
それははちみつのいろ
きんいろにかがやくアスファルト
カーブの手前
かげのように
染みがきえない
きえないでいる
からすの世界はあかむらさきで
いいものだけ光ってる
たとえ ....
アンモナイトを食べたら
夜目が利くものだと思っていた
嵐が近くなればなるほど
私は理科室が怖くなって
階段をスロープした
スロープした
スロープした
手順を間違えて私は嵐 ....
猫、
も、
またいで行く吐瀉物にアーメン。
ティッシュ配りの余りでデスマスクする
僕は敬虔にひざまづく、足音。
渋谷Chikaに嘔吐で乾杯。
Chika、君の瞳に乾杯するカク ....
一本のラインが羊を造形する、その工程は普遍化の道程を離れ手工
業の未分化へと進んでいる。進むことは進歩ではない。進むことは
退化ではない。多様化と呼ばれる分岐信仰がラインを圧迫するポイ
ント ....
子供が突然
図鑑に頬を押しつけて
「宇宙遊園地!」
と しゃべりだした
「電車」の次に
覚えた言葉だった
そうしてみると
確かに 遊園地だった
台所の妻も
....
男の料理は色々うるさい
彼の作るカレーは実に凝っているらしく
野菜だの果物だのがどっさりと入っていて
長時間煮込むのだそうだ
それはさぞかし美味いだろう
しかしうるさい
特にすりおろし ....
少し煩かったので首に巻いた鎖を強めに引っ張るとあっけなく死んでしまい仕方なくオブジェにでもと思い立ち鎖を梁に掛けてそのままテコの原理でククッといや本当はズズっという音がして小便やら大便やら ....
涙をぬぐって
窓と枠のわずかなすき間を
テープで何重にもふさぐ
危なかった
もう少しで食い破られるところだった
鳥はどんな小さなすき間も見つけだして
部屋のなかに入ってくるから
声を ....
うねび/くちかげ
うねび
くちかげにささやぐ め(う)み の
床下に落ちた砂浜、
まうむ、あうむ、みむ、
扉で裏側の思惟が
深くふかくきしっている
傾いた百合……
うつ ....
なんの特徴もない女が
シャンプーのつめ合わせ持ってやってきて
さっきからうちの風呂場で
シャンプーの中身をつめ替えていて
僕は黙って後ろから性交し
女の中に白い精液をつめ込んだ
....
筆を取れば
紙は消え
紙を取れば
筆は消える
身体にあいた小さな穴を
言葉は通りすぎてゆく
灯りの消えた店のガラスに
明るい傘がひしめきあい
水た ....
果実のように眠る蛇が
枯れ木の枝に揺れながら
見知らぬ少女に呑まれる夢を見ている
少女は蛇を知っている
眠ったままの蛇の頭を
深く口に含んだとき
無味の毒が舌を ....
ひょいと持ち上げれば石の下にも
木々の葉の裏にも
川にも、山にも、雲や風の中にも
ニコニコ笑って神々は居る
チョット助けてよ
ほら手伝って
と声をかけても
にっこりわらって
ないな ....
誰だ、窓を塗ったのは!
すりガラスが震えて
ブラインドが
閉まる気配
縁石に腰掛けた老人が
日焼けした手で
顎をなでた
何かつぶやいて
しゃがれ ....
1
引っ張られたから
振り返ってみたけど誰もいない
左手は引っ張られたまま
そこから伸びる
糸
からんでいる指の先
坂道
たぐってみた
釣り糸みたいだけど
おかしな色してて ....
言葉をなくした二人の間には
天使が通る道が出来るのだと
教えてくれたのは確か君だった
さっきからずっと何も話さないでいる
僕と君の間を
ほら
天使が団体で通り過ぎていく
天使が通 ....
あなたのすべてを愛すには
私の心は小さすぎて
二種類の雨とともに
時は流れて行きました
器に合った形を探そうと
野原に出かけて分かった事は
器には収まらないということ
なのでやがて縁 ....
明るいBGMと
アナウンスが
故郷と同じような
匂いと共に流れている
笛の音を合図に
まずはゆっくりと一周
そして係員と握手
歓声と笑い声
拍手が聞こえる
僕はただ
笛を吹くトレー ....
青白い校庭のすみで
二人手をつなぐ
土管の中
ひんやりと湿ったコンクリートの円形が
彼らの頭から足先を連続させて
皆既月食のように輝いている
静かな夜
土管の外側は小さなタイルのモザ ....
彼女はレースの手袋をしていた
日傘の陰の中に棲む渦巻のように道に迷い
信号を渡ると必ず赤になるのだった
僕たちは警笛と仲良くなって
赤いビートルのボンネットにひと蹴り入れてからひとごみに消える ....
棄てられた道のざわめき
野に沈んだ鉄の轍が
震えるたびに運び来るもの
蒼と紫の光が軋み
激しく小さな
数え切れない夜になり
雲を鳴らす音とともに
草の波をつくりだ ....
あなたのざくろを手にとり
涙が止まらない
いつのまにか降った雨で
道は濡れている
雲は西へ西へ西へと渦まく
夕暮れはもう地のほうから蒼い
鉄塔をまわり終えれば
....
書く端から
言葉がもろい陶器になって
ぱりんぱりん割れていくので
どんなに壁にしがみついても
もう書けないのです
コンクリートは湿ったにおい
かび臭い指先から滴るインクでは記号にならない
....
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