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ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
懐かしくてももう泣けない自分がいました
それが寂しくてそっと瞳を閉じました
太陽が淡く輝いた冬の日のことです
太陽 ....
現象でくらいそうになる
にじけた光線をぬるりとした衣服にねじ込み
固まっていく木ねじを肉ビデオに録画した
いつでも愛玩ベクトルで
小鳥の影腹切り込んで
圧迫感あるくらいで
天使 ....
裸足で踏む、土は冷たく
北を見て、
南を見て、
東を見て、
西を見て、
それから俯き、土を掘る。
今年もやってきた厳冬と
軍人が抱える白菜にひそむ現実。
キムチ月間が
ここの子ど ....
朝、目覚めたが
からだがかたい
かたまった
うごけなくなる
心臓まで止まるので
ふだん着のままで
こそこそと道路を渡ったら
車に轢かれた
よそ行きに着替えて
タクシーを止 ....
自分が
突然きれいに感じるときは
かかとを持ち上げ
太ももを感じながら
クシャクシャと
髪などほぐすと
女の
酔った
匂いがします
たまらず
白い肩に
くちびる這わせば
愛 ....
雨、降ってきたかと
てるてるぼうず
雨、降ってきたよと
へのへのもへじ
雨、降ったやろと
黄色い傘
雨、降ったんかと
お地蔵さん
雨宿りの軒先を探しながら
帰り道 ....
憂鬱な鳥が若さに飢えて転がる三階
防風林が倒れて久しい今夜の過去に
裁かれることは嫌
雪まみれのやわらかいを脱いでぬいでぬいで
今 分かち合う幻想の氷
冷たくて縫う/つめたくて縫う
濾過さ ....
私は大腿骨である
私は頸骨である
私は肩胛骨であり鎖骨であり肋骨であり
胸骨であり恥骨である
私は横紋筋と平滑筋である
私は繊維質の束である
私は気嚢であり胃腸であり ....
指のあいだからこぼれてゆく、
アルファベット、
ひらがな、
漢字、
カタカナ、
見覚えはあるけれど読めない象形文字、
もしかしたらヒエログリフ、
言葉になる以前のかけらたち、
さりりと ....
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして
遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
....
県庁跡の建物の中で期待もなく調べ物にとり
かかり、時間を待って香林坊に出る。そこは
ほんのひとにぎりの銀座で、渋谷で、新宿で
もあり池袋の匂いを探して片町に流れる。ス
クランブル交差点では ....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ
暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
君の興味を乱暴に触る
君を敏感に関知する
乗れない雲が冷たく広がる
恐怖は熱い人肌空気のにおいがする
遠い日付 新しい言葉
固まったガムシロップを君が包む
微弱な 微弱な振動
....
きみ
図鑑にのってるよ
知ってるかい
きみだけじゃない
ぼくも
きみの、
ぼくの、
おとうさんも
おかあさんも
きみの赤ちゃんも
さっき
赤ちゃんの手の甲をペロリとなめた ....
螺旋の風
吹きつける明かり
扉が開いて、あなたが降りていく
螺旋階段の先に繋がる平静を
高い音を響かせて
どん
ノックするドア
いつまでも起き上がらないのは
まだ眠って ....
自由を磨く
きらきらと輝く
誰にも手が届かない
プリズムのスペクトル
粒子が密室で猫を殺す
確立で消失する一つの扉
倉庫に保管したナイフは
既に蜘蛛が丁重に包装した
使 ....
一つではない音が
低空で飛行して
私まで押し上げていく
地面すれすれの
振り返れない朝は
きっと、昨日の
覚めない夢を残したまま
ここは水の集まる
ような、そんな場所
沈んで ....
酔った勢いでマンホールの蓋を開けた
深い井戸の底のように停止している水
薄暗い中で理不尽な差別にじっと耐え
黙って光を貯めている馬鹿野郎め
と
思い切り悪態を付いてから
....
あなたが
ほんとうに
マヨネーズを
好きだとしたら
貴女が明日
迷い込むのは
迷子の世話する
児童相談所ですね
あなたは
可愛い子を
相談なんぼで
空売するなんて ....
無職のくせに
街を歩き回ると
警官に職務質問され
無職と答えると
「おれも」と答える
言葉は引き金
テキサスの銃撃戦
サボテンは乾いている
ぼくたちはとげとげして
ただひきこもり
....
とっぷりとくれる
きょうのよるはきまえがいい
なのにぼくはねむれない
るるる と
{引用=初恋の頃の歌が聞こえてきました
耳を澄ますつもりはないのですが
それはもう
....
決めた
今日
君以外の事
しない
君の名前を呼吸して
君の笑顔で働いて
君の鎖骨をおつまみに
君の言葉を食べて
寝る
今日
僕
君以外の事
しない
遠い昔
父さんはマネキン
母さんはトルソ
小さかった僕は
マリコ、と
そう呼んでいた
一体のボディがあった
スタンドに立てられた彼女は
母親のくたびれたドレスを着せられて
部屋の ....
トボトボと
T-FAL の口から黒いマグカップに
安堵が注がれ
煎ったヘーゼルナッツの香が広がり
OA 椅子をクルクルと回すと
北窓から
向かいのブリック貼りの壁に映える陽射し
....
夕、の
色褪せた
暮らし術が浮遊する書店をあとに
ネクタイが黒光る昆虫にもたれかかられ
車内から逃亡する方法を探し
散在する吐露をいぶかしがりながら
圧し焼ける空がつぶれ落ちる坂道 ....
夕暮れになると
ばくは星間に漂いはじめるのだった。
追いつめられてすきとおっていた
声なき声は銀河の構造
肉体を失って誘いを待つあなたは光の粒子
粒子は崩れぼくは光速で見えないあなたを通 ....
榊が揺れて鳥が鳴いた
庭の隅
雨粒が降りてきた気がする
雨音が聞こえた気がする
冬模様の服を着ようとする頃
紙の上を走らないペンの先で
言葉にならない
遠くの音を待っていた
本 ....
だれも起きていないリビング
ガラス戸の光
外の空気
となりの墓地から
鉦の音が聞こえてきます
いぬがしんで
しずかです
百科事典をひらきます
わたしもいつ ....
空腹だけは真実だ
R246、クラウンのシートにてやや傾く
高架下の信号待ちでスパイラルカフェの
ランチについて考えている
急発進がサイドブレーキを促す
再び加速
する、欲 ....
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