すべてのおすすめ
用は足したのですが
ちょうどうちの部屋の若いものがやってきて
口喧嘩をはじめましたので
出るに出られません
原因は私のだらしなさで
その尻拭いを
誰がやるのかともめてる ....
ちょっとでも過去が他人のものになったらいいのに
とおもってずっと恋愛ごっこをしてきたのさ
8月9月10月
絵日記
11月
道路わきのさびた缶に無造作に挿された枯れたお花
いつか誰か ....
彼はにんじんだが
私がおろしてしまった
まな板のすみに にんじんのおろし
主人の好きな きんぴらをつくらなければいけないので
いつもより速く ごぼうを切る
トマト 枝豆も切る
その ....
「すべての武器を楽器に」
プラカードを掲げ、楽器を打ち鳴らしながら歩く男女のグループ
はしゃぎながら笑みを絶やさず、カレシらしき男に唇をおもねる女
皆おそらく学生ばかりなのだろう、サ ....
空がきれいに映った窓の拭き手
命綱に繋ぐ彼が空を拭く手
見上げるのはあんまり小さい
動かす腕の振り幅
すべての空を拭き終えるには
ビルさえ朽ち残らない
しずくひとつ零しても
....
のらりくらりとしていた。歩道で信号チッカンチッカンしだしたから
ではないのだけれどなんだか ハ・シ・レ 、っておもってしまって
横断してから止まらなくていつまでもいつまでも走って ....
そいつは間違いなく蛇だった
カッと照りつくような夏の日
蛇はきまって現れる
1匹目は
小学校の時の夏休みのの暑い1日
隣町の海水浴場へ行った帰り道
その町の白いアスファルトの上に
小さな ....
ビンいっぱいに詰まったビー玉
フタに開けた小さな穴を
片目で覗き込むと
不思議な光の模様が見えた
きれいでしょ
となりん家のけーたくんが
得意げに笑った
世の中には
キラキラ光る透 ....
真冬の外房の海は重く静かに
藍色に拡がり風も無く澄んでいる
寄せて来る波は高く聳え立つ岩に
強く白く砕けてその音に聴き入る
城ヶ崎海岸に立っても染み入る
目の届く限りの海は幻覚を乗せ
....
それでは納得いかないわ。
布団をパンパンたたきます。
恐怖の大王が降りてくる前に、
お日様のひかりをね。
まだまだ、パワーが足りないわ。
「カレンダーめくってやらないんだから」
と ....
ぬれた銀杏から
ぬれた銀杏の においがする
眼をとじても とじなくても
晴れた日の銀杏から
晴れた 葉のにおいがするように
紙の 傷のある指と
かさの柄をにぎる指
と ....
最初の舞台は私の家の玄関先
(もう三十年も前に植えたという)
ダイダイの木の濃緑の葉に
まんまるな卵が産み付けられたのは
風薫る五月の午後
うるる。るる。うるる。
あったかい。
....
夢を食べて生きてはいけない?
この季節、月はとても高いところを通る。
「監督ぅ、ここの寸法はどのくらいにしたらいいんですかー」
越後工務店の若い職人が急ぎ言う
「そこは、rがこれくらいだから・・・」
サンダルを脱いで上に上がると
こっちをちょっと振り向いて監督が ....
またいつか
ありがとう
わすれない
さようなら
ありがとう
わすれない
さようなら
またいつか
わすれない
さようなら
またいつか
ありがとう
さような ....
湯船にゆっくり脚をのばす
私は顔をお湯から半分だけ出して
鼻息で作る波紋を楽しむ
沈黙
あなたが入ってくるとき
私は寝たふりをしている
湯かさが増して
鼻で息ができなくなったとき
はじ ....
だからクーピー
暗室に三日月を浮かべる夢なんだそうです
地の色は黒です 真ん中に黄色と白
アルバムをひっくり返して
深呼吸
サル顔の赤ん坊の名前を呼んでください
逃げません
塗り ....
ましかく な
雨
つち の
少し 上
ころっと
笑ったの
沈む
柔らかい
折り畳まれた
船
流れる
朝
ひ
一回でいいから
ビー玉をとかしてみたい
るりいろの
そらいろの
あのビー玉
やら
このビー玉
なんかを
そしたらきっと
きれいなかたまりができるよ
あのひとの
涙のレプリカにでも ....
あれっ
お客さんも うそ をお探しですか
うちはもともと まごころ屋 なんだけどねえ
ええ いいですよ
お代の方は 必要な時間だけ
お客さんの寿命で払っていただきます
軽い ....
流れる空が歌う
消えて行くのは雲のほうだと
波打つ海が歌う
消えて行くのは魚のほうだと
見えないものすべて
人の思いで出来ている
形成された形に名など付けないでくれ
形の無いモノ ....
ふたりしてはだかになってだきあい
てをからめあしをからめ
さけびながらのなみだあめ
ひごとよごとのむさぼりあい
おとことおんなのむみょうのせかい
えにかいたようながんじがらめ
あれはじ ....
自由になりたい
自由になりたい
っていうのが
口癖だったわけ
そしたら朝起きたら
翼がついてたわけ
そりゃもう嬉しくてね
飛びましたよ
ぐるぐる
ぐーるぐる
で ....
プラズマ放電のなか生まれ落ちた
ハイパーコダマこんじきの馬体
かの女の競馬熱は
とどまるところを
知らない こんやも
カクテルライトに浮き沈み
ターフのへりにぶ ....
それは
ニッケルとコバルトの間に僕達がいる
ということ
右手に
五つ
つながったティッシュの箱が
ゆらゆらと揺れていて
差し伸べられた踏切に
笑 ....
きょうは朝から春の雨
森の仕事もできないし
畑の仕事もできないし
海草拾いもできないから
カイとふたりで赤いカサさして
てくてく出かける
ききみみ図書館
司書のおじいさんは
て ....
海はすっかり赤ワインで
空はすっかり酔っているのに
うみろばはまだやってこない
ところで
したり顔でカイが言うには
うみろばの役目は
海馬のはんたいなんだって
海馬ってなんだか知らな ....
秋霖 というのでしょうか 長い雨でした
三年 という歳月は 忍耐の最小単位
きみが家を出て一年ほどは手紙のやりとりが盛んでした
やっと抜けるような青空がひろがり快い
晴天がつづいているのだけれ ....
思いきって体を展開
次のうち正しく人体となる展開図はどれか選べ
ア
イ
ウ
エ
の中に答えはあるのか
さらに思いきって
らせんを分解
写真1のヒトを示す遺伝子の正確な塩基配列はどれか ....
夏の空には白い雲がながれ
暗い緑色の湖にうつる木々
幼い想いを秘めた草いきれ
揺れて動く昆虫の青い狂気
母と若い二人の姉とぼくを
残して夏の日父親は死んだ
集まった縁者は皆知らん顔
....
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