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「明るい私」を演じる日々に疲れて
休日は体を丸めた蓑虫となり
布団に包まる
{ルビ転寝=うたたね}の間に
夢の運転席で僕はハンドルを握り
並走する左の車線に
追いついてきた ....
オレは
ズボンを脱いでパンツも脱いで
レフトを守っている
どんなフライも捕ってみせる
さっきだってお腹からずさーって滑り込んで取ったじゃないか
ところで球場を見渡せば
カメラがいくつか ....
{引用=laisser vibrer
(音楽)鳴らしたままに。(打楽器で)振動を止めない。}
0,
ポリリズム、
異なるリズムの孤独が、偶然同期する
ほんの一時の間だけ、でも
....
080816
アウストラロピテクスが
ぽかんと空を見ていたら
ハイエナに飛びかかられて
喉頸を引き裂かれ
哀れ絶滅したという
見てきたような嘘を書 ....
午後からは雨がやんだ
小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う
雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる
会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
あなたが海に沈めたノートを
魚のままで取りにゆこう
強い水と光のために
泣いていることがわからなかった夏が閉じ
ノートを手にとるころには
手足があり
波音はなく
....
急ぐ足はコンクリートで固めて 消防車が来るより早く根を下ろす
崩れ落ちて 天を仰ぎ見た 背もたれは腐って 朽ち果てていた
火曜日の夜は 国道の渋滞で行き先を見失った
コンビニ ....
080805
生えるためには水が要ると
ステンレスのボールが喚く
サルビアの花の写真は
今からでも間に合いそうに
麗しく艶やかで瑞々しくて ....
スプーンみたいに丸い
タンクローリーの背中に夕日が映っている。
運転手は気づいているだろうか。
路上でヒッチハイクしている神の存在にも。
(中指を突き立てている奴がそいつだ)
捏造した交 ....
気づいたときには、わたしが
わたしという輪郭に 縫いしろを足して
日常から切りとられていた
景色はいつも、ひどく透明なので
ふりかえっても もう
戻るべき箇所を、確かめることができない ....
汗をかいたので
洗濯して
ベランダに干す
ここは海が近いから
命の
匂いがする
書店で本を開いても
どれも白紙なので
選択は
できなかった
もう
言葉などいらな ....
地に伏していた。身体の自由が効かない。目を開けると、そばに灰色の蛾の死骸が見えた。風でうすい翅がゆらめいている。翅の鱗粉がかすかに光る。蛾の数本の細い脚が、宙をつかみ損ねていた。顔をずらし視線を先に ....
おなじすなをさわっている
別の数を言うから
涙がでるだけ
目を見て。 それか
目を閉じて。
見渡す限りの砂場で
雨が降って
いたとしても
同じところにいる、
それだけで
掘ったり ....
もし
そうなったとき
信じるしかない
自分を知ることが
生きることだと
光の友は言いました
たとえ
殺されても
横断歩道を渡る
夢を私は見続けました
きみがいたところ、そこには
いまでは
言葉がある、
あるはずだった言葉に
ついて、話していた
夜をすぎて、きみはどんどん重くなっていった
この夜は
これまでのどの夜よりも
きみ ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに
{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる
釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
少し湿ったね と
旧道沿いの
あしもとのほうから
梅雨のにおい と
祖父のにおいがした
ふりかえると
あたり一面にシャガの花
思い出すひとがいるから
咲くのだろう
....
場末のバーで仮面を外す
背中のジッパーつまんで下ろす
皮膚に新鮮な空気が当たる
嫌なことだってあらぁな
今日も日の出と共に家を出て
さっきまで怪人と戦っていたんだ
けどもうすぐ給金だよ
....
アテネ・フランセの
フランス人のフランス語の先生に
彼は恋をしました
ジュ・テームあなたが好きです
彼のフランス語が通じません
日本語も通じません
ミラボー橋の下を
セーヌ川は流れるそう ....
***
シルバーの空に映り込むことを知りました
もう
春とは違うよと教えられ
枝先からこぼれそうな
それも
また
みたことのあるカラーでした
***
その日は雨だった
けれど
私は友達二人と老夫婦とで阿佐ヶ谷住宅近くの
うどん屋へ向かった
阿佐ヶ谷の駅までバスで向かい阿佐ヶ谷駅からは
すぎ丸というコミュニティーバスに乗った
すぎ丸の中は ....
松林のにおい
やわらかに透過する光
あなたのその目じりのしわが好きだった
波風がうばっていく言葉に
その想いものせて
わたしたちはあめふらし
ふいに雨音が恋しくなる
傘の下で肩を並べ ....
泣きはらした様な空が
広がり
あたしのうちまたを
細い暖かい体液がまたながれて
玄関の先の土を濡らしてる
うすぎたない腕を
切れそうな糸のように伸ばし
母が若い稲のようにふさふさとゆれ
....
肚、なくなって久しいが
これを求める人々があとを絶たないのを見るにつけ
渇望されていることを知る
現れる土壌でないことを
察していても
なお
とびちるこぼれるあふれる
亀裂は断続する黒点
から
ただれて
淡々と
丸いメロディ
一、二、四
円周率の汀に咲けなかった蘭の
つぼみ
ひらくたおやかな
ゆびへ
黄色い
なみだぼ ....
080523
99と書く
次は100だと思うとそれ以上書けなくなる
思い切って進め
そんなこと言っても可哀想だと思う気持ちがあり
迷っていると
....
こどもの頃
僕はポポという おもちゃの兵隊に優しくキスをした
ポポは照れ臭そうに 真っ赤になって土に潜った
ポポを知ってるのは僕だけ
僕のことを知ってるのもポポ ....
ある日めんどりは思いました
どうしてわたし
歩いているのかなあって
ためしに羽ばたいてみたけれど
やっぱり重くて飛べなかった
もう何年経つかしら
最近は疲れちゃって
毎日卵は産めないわ
....
地球がもう少し傾いてたら
この斜め振りな雨に濡れることはなかったかもしれない。
寝ぐせとも天パとも云えぬような頭からは
まっすぐな言葉は生まれない、かもしれないから
今 ....
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