すべてのおすすめ
夕日が
熟した柿の実の中へと
沈んでいく
静寂が生まれる瞬間だ
紅葉は色を落として
深い眠りについた
幾つかの音を拾って
風が遠くからやってきた
心音に重なる
騒がしさが消えて
耳 ....
暑い夏が好きだった
手に言葉を添えると時間が生まれた
時間に風味を添えると
愛の形が出来上がった
若さとは手品師だ
思いのままに時間の入れ替えができ
時間の繰越ができる
暑い ....
この頃はパソコンを筆の代わりにしている
指先だけが大きく成長して脳の一部は退化してしまったが
それでも老いの防止にはなるからと
漢字などの変換機能に思考の一部を委ねている
....
長いご無沙汰でした
白い空白に一筆を付け加えました
青空が何もなかったように通り過ぎて行きます
なんとも清々しい朝です
昨日から考えに考えて
しぼり出した一言ですが微妙にバランス ....
まき水をしてみる
夕立を誘うように
蜃気楼の先から
風鈴電車が走り抜けてくる
虹の橋がゆっくりと空へと伸びていく
....
咲き忘れたという曖昧が実を結ぼうとしている
ここに月夜の一滴の滴を置いた悪戯が
昨日のように蘇ってきた
悲しみなどという言葉の甘さに
蛍の群れは誘われて死んでいった夏は過ぎた
....
玄関の中には母が待っている。大きな声を出し始めたので、急いで玄関の扉を開けなければならないのだが、鍵が見つからない。ぽっこりと膨らんだ小銭入れの奥深くにしまい込んでいるのだが、慌てているから手許が ....
古くて重いげき鉄を
引き起こして打つ単発銃を
最新の銃だと陸軍上等兵は誇らしげに説明しながら
天皇陛下という四文字を並べる前には
最上級の姿勢でしかも深々と頭を垂れる姿は絵になった
桜 ....
夕方になると
家の中の丸いテーブルに
収穫した夕日がたくさん並べられた
トントンとまな板で
取立ての収穫を刻む音は軽快で
一日の話題は素朴だが
夕日色に包まると砂糖の香りがした
夕日 ....
もろみの香りが狭い台所をかい潜ってきて私を酔わせる。悩ましい容姿に、私は見とれてしまって動けないでいる。老いた思考の欠片を、もろみの香りの柔らかな手で探られると、昔の元気な男になって、もう少し頑張 ....
秋の最後を飾るように、広い太平洋を泳ぎきって食卓に戻ってきた秋刀魚。煙を巻き込んで焼きこんでいくレンジの手さばきに台所は手持ち無沙汰だ。おろした大根に醤油の数滴を混ぜ合わせると、食卓も手持ち無沙汰 ....
乾 加津也さんの花キリンさんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
秋景
-
花キリン
自由詩
4
11-11-5
暑い夏
-
花キリン
自由詩
2
11-9-27
パソコン
-
花キリン
自由詩
4
11-9-21
手紙
-
花キリン
自由詩
4*
11-9-15
ノウゼンカズラ
-
花キリン
自由詩
4*
11-9-14
月下美人
-
花キリン
自由詩
3
11-9-13
玄関
-
花キリン
自由詩
4*
11-9-12
桜
-
花キリン
自由詩
3*
11-9-11
夕日
-
花キリン
自由詩
7*
11-9-4
酔う
-
花キリン
自由詩
3*
11-1-8
秋刀魚
-
花キリン
自由詩
2*
11-1-1
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する