いらつき
はだいろ


いらつきは雨のよう
ホームに駆け下りたら
行ってしまった電車
半分だけ見て出た映画
飲みかけのアイスティー
しおりをなくした小説

時がたっても
大人になっても
ぜったいにゆるすことができないことも
きっとあきらめることはできたって
あきらめるように気がついた

あれは夢だったから
いつかはしゃぼんのように
われるきまりだっただけ
そして部屋を片付けることにしただけ
あんなにも楽しかったのは
あれがただの夢だったから

うまく眠れず
くりかえしつまらない場面を思い出し
それでも遅く起きた日曜日
まどの外はとてもこまかい雨
とても静かな雨
きのうのいらつきももう消えた





自由詩 いらつき Copyright はだいろ 2011-11-06 10:05:07
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