地平線
小川 葉

少年は
言葉の世界に暮らし
少女は
意味の世界に暮らした
地平線には
さみしい遊具があった

あれからどれくらい
年月が過ぎたのだろう

錆びついてしまった
心のように
ちぎれてしまった
縄跳びの縄が
崩れてしまった
ブランコが
地平線の上で
速度を失わずに今も
動き続けている

僕たちが生きている限り
僕たちが人間である限り
少年少女は終わらない

世界のバランスが
保たれているように
愛することと
愛されることが
ともに在り続けるように
地平線には
いつだって明日があった

明日とは
愛を信じるということだ


自由詩 地平線 Copyright 小川 葉 2007-12-22 23:46:28
notebook Home 戻る