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春は唐突に、桜のことを思い出させる。
夏は積乱雲を、
秋は紅葉を、
冬には静電気を、

思い出さない。

それらのことを、別の季節には。
桜の並木道を抜け、
日差しを雲がさえぎり、
 ....
拭っても拭っても血が止まらない。ただティッシュを赤黒く染めていくだけで、何かほかにやりようがないかと思い、その血で化粧することを思いつくが、部屋には鏡がなく、窓ガラスに映して見ようかと振り向くと窓 .... もうすぐ明かりが消えようとしている
後に残されるのは、冷たい輪郭、電灯の

もうすぐ明かりが消えようとしている
後に残されるのは、凍える肌、我々の

もうすぐ明かりが消えようとして ....
すべての、そもそもの始りは夢だった

今でも夢は続いていて

夢だった(原始、夢はなんと呼ばれていただろう、最初の人々に、最初の言葉で)

もう、失われてしまった神話の
もう、忘れられた ....
不在を証明せよ、
と、
書きなぐられた、
黒板が、反響する、チャイム、
放課後の静けさ、誰もいない、教室の大気、
歪な、掃除要具入れの、造形美、
フローリングの線に沿って、並んだ机達が、
 ....
コーヒーとクッキーとタバコの三者択一をせまられて、
それらの選択肢の詳細を明示されない。

コーヒーはドリップなのかエスプレッソなのか、
クッキーはバターをつかっているのかいないのか、
タバ ....
牡牛座と双子座の間に生まれた
境界線を
漂う
定めを持って

牡牛座の子供たちと
双子座の子供たちの間で
戦争が起きて

俺の右手首の
歪なためらい傷が
二つを区別する
国境に ....
僕はそこに居た
夜が明ける前
朝はまだ遠いところで
僕はその部屋に居た

沢山の人たちが 星みたいに輝いていて
まるで宇宙にいるみたい
彼らのささやき声は 重力みたいにひそやかで
僕に ....
ステージの上で
スポットライトすら浴びて
沈黙ですらなく
空白だった

沈黙は沈黙としてその場を満たす
沈黙はその時、立ち上る煙草の煙を暗喩している
時間よ止まれと、僕は暗闇に命じる
 ....
あの日から数えて何度目かの地震かわからない
そもそも数えていないのだかから
わかるわけがない
それが余震なのかもわからない
震源地を確認して
津波の心配をしない
東京湾は
そもそも入り口 ....
人と人が出会うように
男と女が出会うように
心と心が
出会い
お互いに触れて
重なり
子供が生まれた
彼らはその子を心と名づけた

生まれたとき心は水のようで
差し込む光は透過しな ....
僕が語ることのできる中で、もっとも美しい物語を君にあげよう

月が灯ると、夜が始まるよ
それから、
朝の始まりは、夢の終わり

朝と夜の間、
明るくて、暖かくて、
年老いた銀杏の大 ....
声と言葉のパフォーマンス、PPWを主催している。(PPWについては僕のフォーラムのHPを参照してください)
また、同じ場所で服部剛さんが主宰しているぽえとりー劇場や、別の場所で催される詩の朗読会で、 ....
喜びの朝よ
光の朝よ
冬の朝の沈黙する瞬間
あなたがとても冷たくなって
その肌はますます透明に近づいて
服を着ていなければあなたの
肌を通して屈折する光が
投げかける光が
踊り、光が
 ....
どうしてかわからないけど
思い出すのはいつも彼女のことだ
鏡に向かって化粧をする彼女
まっすぐ伸びた背筋
長い髪
笑った顔
驚いた顔
拗ねた顔

加速するたびに近づいていき
今に ....
もしもこの海が真っ二つに割れて
そこに一本の長い道ができたら
僕たちはTOYOTAのランドクルーザーにのって出かけよう
それは奇跡のひとつに数えられるだろう
僕たちの走った海の底は
ひとつの ....
私はつらいのだと君は言う
私は不幸なのだと君は言う
誰にも顧みられない
愛されない
そうしてうつむいて
早足で通り過ぎていく
経血と精液がベットの上で混ざり合って
喜びが今産まれようとし ....
思い出そうとして、思い出せないまま
思い出せないことを、思っている
みんなキレイで、神様みたいで、
キレイだってだけで、みんな神様みたいにきれいだ

季節が変わる/ハンドクラッピング ....
目覚まし時計のコチコチ音が急に大きくなったような気がして、そうじゃない、周りが静かになったんだと何秒後かに気付く。真夜中。時計には重要な役目が二つある。一つは時を告げること。もう一つは、時を刻むこと。 .... グラスの中で
水平を保つ
still water
水平であるということは
しかし
地球の曲線の一部でもある
その先の
水平線に沈みこむ間際
昨日と今日の隔たりが
グラスの中で出会いそ ....
ペチッと足下がなって気付く
つぶれたキャラメルポップコーンの一粒
金曜の夜に輝きだした女の子たち
指先がおよぎはじめ
どこかへいきたくなる
移動の風景
常磐自動車道
映画館が崩れ落ちてい ....
耳を澄まそう
日が翳り
灰色の雲が天蓋を覆う
低く垂れ込めて
最初の一言を

ポツリ



耳を澄まそう
これは
幾千億の雨粒が語る物語
その一粒一粒が ....
ほら、
ほろほろと、
ゆれているよ
あかるいね
ほら、
ほろほろと、
もえているよ
あたたかいね
それにしてもきみ、あまりにもしずかじゃないか
あんまりしずかで、あたまのなかのおとが ....
僕が語ることの出来る中で、最も美しい物語を君にあげよう

それは過去形で語られる未来の物語
街を埋め尽くす春の予感
通り過ぎるたびに生まれ変わる新緑の境界
果てしないものは、
広がり続ける ....
鳥と話が出来たら、教えてやろう
 あの明るいのは火星で、地球と同じように岩の塊で、
 風が強くて、とても寒い
 その先の木星はガスの塊で、すごく大きい

鳥は言うだろう
 そりゃぁ、すごい ....
言葉が 膝を抱え丸くなったまま 産まれない まだ

非結晶の 硝子が こっそりと流動する

それは秘密 だよ

いつか 懐かしむだろう 君を 君の淹れてくれたココアを 君の唇の湿度を いつ ....
夜空を見上げていたんだ

真っ黒な夜だよ

幾千の明かりが灯った
クリスマスツリーの上
巨大なビルとビルの間の
ちっぽけで 真っ黒な夜空だ

星が一つだけ瞬いていた
明るい星だ
 ....
「詩人不在証明」

不在を、証明せよ、と、書き殴られた、黒板、放課後、幾つめかの、チャイム、掃除用具入れの、造形美、誰もいない、教室の、大気。


足元から伸びる影を追いかける、ような、 ....
ラピスラズリは、青い。

惑星に似た丸い石は、原石のまま磨かれずにいて、
濡れてもいないのにいつも冷たい。

時々、水脈を聞く。

明かりを知らない水の奏でる音楽を。
明かりの届かない ....
人の生を、単純な線にしてみる
すべての線が、平行に走り、交わることはない
それが孤独
すべての人が、もって生まれたもの
人は、人として生まれた
幾千の星が持つ固有のベクトルに似て、
すべて ....
夏野雨さんのrabbitfighterさんおすすめリスト(49)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
巡りはしないけど、そのような季節が- rabbitfighte ...自由詩414-9-8
飛び立とうとしていた- rabbitfighte ...自由詩7*14-3-15
let_it_go- rabbitfighte ...自由詩412-10-28
すべての、そもそもの始りは夢だった- rabbitfighte ...自由詩212-10-15
詩人不在証明その3- rabbitfighte ...自由詩3*12-10-5
雨の音を聞きながら書いた詩- rabbitfighte ...自由詩312-10-3
海面上昇9- rabbitfighte ...自由詩312-6-8
月よ/月夜- rabbitfighte ...自由詩7*12-6-7
空白- rabbitfighte ...自由詩612-3-24
それが余震なのかもわからない- rabbitfighte ...自由詩311-11-28
- rabbitfighte ...自由詩511-8-29
_- rabbitfighte ...自由詩411-6-8
【批評祭参加作品】朗読についていくつか- rabbitfighte ...散文(批評 ...9*11-3-8
おはよう- rabbitfighte ...自由詩311-1-27
即興夜想曲- rabbitfighte ...自由詩511-1-21
東京スカイツリー(仮作)- rabbitfighte ...自由詩9*11-1-4
ハミング- rabbitfighte ...自由詩510-5-2
季節が変わる/ハンドクラッピング- rabbitfighte ...自由詩8*10-3-18
習作散文詩__無題- rabbitfighte ...自由詩509-12-28
stillwater- rabbitfighte ...自由詩1009-7-9
夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)- rabbitfighte ...自由詩609-6-9
祝婚歌- rabbitfighte ...自由詩10*09-5-27
ほろほろ- rabbitfighte ...自由詩6*09-5-26
_- rabbitfighte ...自由詩509-2-15
星の季節- rabbitfighte ...自由詩709-1-28
海面上昇7- rabbitfighte ...自由詩8*09-1-11
メリークリスマス- rabbitfighte ...自由詩13*08-12-22
「詩人不在証明」- rabbitfighte ...自由詩14*08-11-6
旅の、あなた- rabbitfighte ...自由詩3008-9-25
海面上昇5- rabbitfighte ...自由詩15*08-9-8

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