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わたしの手にとてもよくなじんだキーボードで、
いのち、と打って、
変換で、命、と出ないから、
めい、と打って、変換する、
いのちはどこへ、行ったのだろう。
いのち、と打つと、
胃の血、 .... 
美しいもののために
わたしの泥がたちあがる
言葉は手段になり
舌も歯も唇もメディアになる
ぜんぶ私のもの
だったのに
どうしてだろうわたしは
どうしてだか
人間になって .... 
ドアを開ける。
廊下
風
壁
渦巻く
すべての白が
クリーム色になりたくなかった/それは薄むらさきだった
漂白剤はもう
ひとかたまりになって  それから朽ちて
 .... 
不意に、もうひとり帰ってくる気がする 
母は家にいて 
私も家にいて 
弟が帰ってきて 
もうひとり弟が帰ってきて 
それから父親が帰ってきて 
机に張り付いて私は耳を澄ま .... 
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった 
毎日一度も鳴ることはなく 
しかし今日も握りしめて生きている 
何もかもが煌々と夜を照らしても 
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった  .... 
{引用=
いつも考える私は黒い上下の服で
見つめる白い棺の中身に顔がない
}
たわむれに
両手でそっと抱いた母の
細さに泣きたくて
三歩
あゆめ  ず
たわむれの
 .... 
冷たく横たわったそいつは
人間にもけものにも昆虫にもなれない
5ほん足のいきもののなれのはてだった
みみずにもからすにもこうもりにも馬鹿にされた
5ほん足のいきもの
「せめてここに居るこ .... 
ここはそのむかしパパの書斎だった
むかしといっても2年ほど前までのことだ
その部屋
の真ん中
パパの回転椅子
の上のドーナツクッション
の上に
足をひらいてすわってし .... 
寝てる間に熔けて口いっぱいに溢れた金属のようなチョコレートが嚥下しても嚥下してもしきれない
私の前に横たわる地獄とはそういった種類のものなのです
うたをかくのがすきなんです
おは ....