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(夕火の)
雨がふっている
多分、あの崖に植わっていた木の枝
くすぶっていた赤や黄は
ゆうやけが
いや葉っぱが
お互いを見ながら
しばらくのまどろみを
一日のしめくくりを
見つめ ....
今日、貴方は誰と何処でお誕生日をお祝いしてるのでしょうか…
この空の下
貴方が幸せであれば
それでいい…
そして時々
私の傍で唄ってくれれば…
そんな風に考えると
少し淋 ....
近づくクリスマス・イブに
街は華やいでいる
通りを歩くカップルは
皆 幸せそう
艶やかなイルミネーション
眩しいツリーのショウウインドウ
きらびやかな中に
とり残されてい ....
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡
指 は
震 えて
チェックメイト
後ろ指
指さない ....
あなたのことを日と思う
君の異を空の旅にいっているのだろうか
きみのこえが聴こえない
あのときに看た時計のおとの針よ
君は誰だかし ....
目を閉じて
少女は
オカリナを
鳴らす
誰かを
思い出してる
ひとつ
ひとつ
オカリナに
指を置く
何かを
思い出している
少女は
オカリナを
いつまでも
....
ステンのやかんで湯を沸かし
凍った車の視界をひらく午前七時
柔らかさを帯びた空気の向こうに
こっぽり
と浮かんでいるあれは
マリーゴールドの豊潤
あるいは熟れた蜜柑に似た
色 ....
わんと鳴いたから
「ぼち」
わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする
とげぬき地蔵じゃないんだってば
雪が降って ....
AM4時
揺れ動く時間に
プレゼントを食べました
オレンジのろうそくに
渇望して
溶けていく 温もりの
輪に入って
暖をとろうとしたのです
舵を 探しました
一人乗り ....
朝焼けの 光の中に 立つ影は 鏡を無くし 空を見上げる
あなたの言葉が 今も 耳に残る
点滅する街燈の 下は 黄昏時
じっと見ていた あなたの顔を 遠ざかっ ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする
こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ
だんだんと色が濃 ....
しわしわの祖母の指を見る
指のシワはそのまま五線譜のようにのび
窓を抜け
空の彼方まで飛んでいった
飛びつづけた時間の
縫いとられた時間の
針と糸の通った縫い合わされたところ
日々の ....
耳の、奥
疼くであろう膜は
憂いのように湿りを帯びて
たしかな変化を
告げる
その呼び声に
ほんの少し瞬いたあと
通り過ぎる光の筋は
私が知る ....
いつもなら
真横から朝日を浴びる時間に
ライトを点灯させた車が
飛抹をあげて通り過ぎていく
ふいに
まだ夢が続いているような
不安にかられる
クレーンを折り曲げた重機が
ごうごうと ....
母は
今も悔やんでいる
父が逝き
毎日
毎日
こんなにも悲しいのに
泣けないのはなぜだろう、
と
私もそうだ
父の
いるべきそのあたり
ふすまを背にした
低い食卓
....
夜を、
わたしの、夜を、
誰かがたやすく追い越して
ちがう、
誰か、は、
待ちぶせる
かけら、
手のひら、かけ、ら、
わたしの言葉は瞳を閉じ、て
もうじき嘘になる ....
街角には、白い柱が一本立てられている。象牙の色のなめらかな小さな突起に覆われ、大人が手を回しても少し届かない程度に太く、もたれるのにちょうどいいへこみがいくつもあった。 手を触れると、人によっては柱 ....
わたしに春のかぜをくれたあなたは
いつも冬のかぜをあびていました
人には春を
花を喜びをいっぱい渡すのに
なぜ
自分には冬の吹雪を与えつづけるのですか
春の訪れを拒 ....
不自然な色をしたゼリーは
舌の上に空色を強か(したたか)に残して消えた
無疵なものなら此処にあるよ
口の中にビー玉を詰めて栓をした
うっかり全部喋らないように
舌の先で話を転がしてる
....
フニクリフニクラ わたしの行く先
海の中の快楽主義者
太陽のせいだ。
といった男は
今頃どうしているのだろう?
溶け出した
翼を持ったイカロスは
ダイタロスを
責めはしなかっただろ ....
{引用=*
風の遺書
風の遺書を
思い思いに握りしめた
少年たちの
あしあとが
続く
空を
いくすじかの
涙がながれて
いきるって
かなしい?
....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
指専用のバス停に
思い思いの格好で指が並んでいる
やがて指専用のバスがくると
指たちは順番に乗り込んでいく
おそらく指にしか
行けないところがあるのだ
慰めが必要だったのは
本当は誰だっ ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と
}
キューブを完成させる方法
かしこく、方程式どおりに回すのか
バラバラにして組み立て直すのか
完成し ....
きみのりんかくをぬいあげていく
オルガンの重さが
ひかりににていて
急に
まぶたがいらなくなる
砂糖の
あじをわかりたくて
紅茶ばかりのんでいる、午後
猫が行った
声に体 ....
広告に
幸福装置ついに完成!是非お買い求めください!
どんなに不幸な方でも必ず幸福になります!!
と、出ていた。
競馬で勝って、懐が暖かかったので買うことにした。
....
空気が もっと透けて
幹どうしが当たると
かーん かーん と
乾いた音が遠くまで響く
岩や砂塵は
薄い大気の流れを押し切って
存在を増し
影は濃い
インターネットは繋ぎっぱなし ....
斜めから日脚が延び
私の膝下にかかる
この光が消してしまうの なんて
もし私が少女であるなら
このまま失っていくんだろうか
ペディキュアが溶けだして膝の赤みが溶けだして
この陽にむかっ ....
まだ起きてますか?
そう打ったメールは
送りませんでした
これから会えますか?
そう打ったメールは
まだ携帯の中
電話してもいいですか?
そう打ったメールも
やっぱ ....
唇に唇を重ね
あなたの甘い血潮を感じていたい
目を閉じて
あなたの髪の香を嗅いでいたい
胸と胸とを合わせ
あなたの鼓動を聞きたい
抱きしめて
あなたを我がものにしたい
....
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