すべてのおすすめ
はき古した靴を空に放って風を聴く
はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす
ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを
いつももちあるいている心のスケッチブックに
....
切り裂かれた皮膚から
去っていった細胞が
シクシク泣いている
あの日開いた傷口は
新しく育った細胞にふさがれて
戻る場所はもうない
見えなくなった
何もかも
熱帯雨のような景色のなかを
蚊が飛んでいる
飛蚊症なんだって
読めない
書けない
意識がまとまらない
網膜はく離の前兆とかもあるんだって
頭痛、嘔吐 ....
川でひろった
この石は
世界でたったひとつの石
と 田中正造が新田サチに語った後いく枚の暦がめくられただろう
古典的ロマン主義と反駁しても意味はないが
世界にはたくさんの川
たくさんの川原 ....
戴いた命を
ほんとうにいつわりなく
わたしはつかって来ただろうか
戴いた時間を
無駄と、間違いとから、
せいいっぱいまもって来られただろうか
戴いた体は
このたましいで良かったと ....
冬の道のあちこちに
手袋の片方がよく落ちている
ポケットから
ものを取り出す時に落ちたのか
自転車の前かごから滑り落ちたのか
私も長年愛用していた
手袋の片っぽを失くしてしまった
....
いろんなことをしって
いまがある
ぜつぼうと
よろこび
いろんなことをやって
いまがある
なみだと
ゴール
いろんなことをへて
いま わたしは
詩をかいていてよ ....
青い空がおいでって私を呼んでる
ずっと夢見ていた旅立ちの日
春の風が何度も私をせかして
早く早くって言うけれど
飛び立つにはけっこう勇気がいるのよ
心臓がドキドキして今にもはじけそう ....
月の表面がつるつるであったと信じられていたころ
自作の望遠鏡での観察で月の表面がでこぼこであることを発見した
ガリレオ・ガリレイ
プトレマイオスの天動説はキリスト教神学オフィシャルサイトの既 ....
歌わないでほしい外が歌っている
空が久しぶりに色彩を取り戻したきょう
けれども風の帳に覆われて
わたしはあきらめた
木琴の音色はいったい誰が担当しているのか
いろいろにたずねてみるし
....
解体された桜花が一方向に流れてゆく
姿だと悟ったのは間近にしたからだった
視覚はいつでも偽られ偽ることを好む
ゆうべの青いかがやきはちっとも
かがやいてはいなかった
明けて、暴かれた結果論た ....
雑草の中にまみえる私
誰かが足を止めるのを
待っているかのように
じっと雑草の隙間から
空を眺めて佇んでいた
こうしてしおれて行く
雑草にもなれずに地を
這う小さなロゼット葉
思い ....
わたしたちは毎日
岐路に立って考えている
左の道にいきますか?
はい いいえ
左の道にいったので出会った人
左の道にいかなかったので出会えない人
もしも 出会ったその人が
....
雪が降る、雪が降る、
赤いハートに降り積もる
春はまだか、春はまだかと、まるくなる
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の四方
散りし桜の梢
若葉の木々
去りし日の想ひ出が
木々の梢にいざよふ
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の空
乙女 ....
わたしを見て
瞳に映るわたしだけがわたし
わたしがわたしでいるために、わたしを見て
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
後で行くから、最初は一人で寝ないとね』
今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
セロリくん
臭いから苦手だっていう人
あんがい多いんじゃないかな
触感はシャリとして蕗みたい
いたって淡泊な味なのに
強烈な野菜臭で
やたらと自己主張している
漢方薬みたいなあの ....
隣の芝生が青くみえる丑三つ時
いっそ眠れないならと珈琲を飲み
ため息、またひとつ
のんべんだらり
日長一日 だらだらと
ソファーの小舟で
文庫本が櫂に
目が疲れたらひと休み
音楽の風に吹かれながら
好きな時間を小舟に乗せて
無為の海を漂流しよう
のんべんだら ....
まだ自転車に乗れなかったころ
ともだちの自転車を借り
田舎の緩い坂道をおそるおそる降りながら
何度も練習していた
不思議なことにあるときすっと自転車が自分のものになる
そんな瞬間を体験し ....
人間の蛮行を悲しむのは
人間だけなのであろうか
諸々の神を世に送り出し
それを受け入れた者達は
神に事の真意を問い続け
贖罪の何たるかを尋ねて
今日もまた祈り続けては
神の悲 ....
うなずいてはみたもののぬるい秋桜ぬるい秋桜
七月のある日 兄は ぼくを呼んだ
風通しの良い部屋に一人伏せていた兄は
「今度は帰れないかも知れない」という
「弱気なことを…」
ぼくはそう言ったきり次の言葉が出ない
幼少時父も母も病で ....
ひとは、これほど醜いのか
愛は、これほど弱いのか
ただ祈るしかないのか
※2005.7.7 ロンドン同時爆破事件の日によんだ詩
今、一度
一面の雪の朝
私は
兄とかまくらを作る
田んぼ中の
雪を集めて
できました
私たちの秘密基地
しゃがんで入れば十分余裕
通学路からも
はっきり見える
不格好な雪の家
それ ....
光のあたらない
すみっこにこそ
きらりと光るものが
ひそんでいる
目立たなくても
すみっこの力を
侮っ ....
奇天烈な手つきで
狐憑き 月のツノ触る
淡い{ルビ間=あわい}の 睦言夜ごと
{ルビ霊=たま}の緒からめて 落ち戯れて
指きり含んだ口の中
だんご捏ね 味見
うめ 咲くな
さ ....
お布団の中、あと一分、、三分、、、
起きた後の喧騒と引き替えにしたってかまいやしない
冬のまどろみは 快楽だ
星なんか
見えない夜もある
それでも夜空を見上げて
一番輝く星を探しているんだ
その星が
ずっと照らしてくれると信じて
星なんか
見えない夜がある
暗い夜道で
仔猫の鳴き ....
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