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学園都市線の高架下
灰色の橋脚に二羽の鳩が仲睦まじく
寄り添ってはキスをして
激しく身をよじってはまたキスをして
やがては重なり 羽ばたきながら
気の早い春が固い雪を緩め
茶色く水っぽ ....
二〇一二年の一雫が
左肩に落ちる
乾いた肩が ほら笑った
指で払った雫が
隣の肩にかかる
右肩の笑みが増す
隣の肩が羨ましげに
指をくわえる
余計でもない一雫が
転々と分 ....
1
白く熱い道を
白いカッターシャツの高校生が
自転車でくる
7年ぶりに会った息子、きのうのこと
美しく花開いたのっぽのあの子
その道を今日も彷徨えば
また出逢った有り難さ
足 ....
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく
脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
ひとりで生きられる
生きられない
それとも、ひとりで生きざるを得ない
わたしってどれなんだろうね
※
無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
君がリリアン編んで
見上げた空は花と同じ色で
ぜんぶ、ぜんぶ春だった
ゆびさきで、光源をたどる
なくしたもののかたちは
思い出せないけれど
なくしたものから芽ぶいたのは
街でいちばん ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
ロックンロールは
好きかい?
ロックンロール
最高!
ヘビメタがなければ
私は死んでいた。
明日を生きる力を
与えられる。
カラオケは好きかい!
シャウトをする。
雄叫びボ ....
君の瞳に恋をした
毎日君を想い
毎日悶え
毎日苦しむ
君の心はSomebody else
If I am 神様 then
私に振り向かせるのに。
私のハートは撃ち抜かれた
君 ....
君の瞳はダイヤモンド
とびきり美しく輝く
キラキラ光り
みんなの目を奪う
君のハートはダイヤモンド
澄んで輝く
混じりけ一つない
みんなの心を奪う
君の笑顔はダイヤモンド
周 ....
{画像=120223235940.jpg}
欠けた塊の怒り
輝くような怒りはあるか?
物質のように堅い岩石のような怒り
傷ついて欠けてしまうような怒り
純粋で結晶していて ....
空も
海も
荒れている
鉛色した浜辺に
鈴をなげる
こんな日であっても
ひとは
生まれ死ぬのだろうか
鳥たちは
季節を選ぶというのに
どんな理由があって
生まれ死ぬのだろうか
....
ぼくはいつも
あおい国を探している
仕事場へ向かう朝の舗道で
灰色の敷石の
一つ一つの継ぎ目から
あおが立ち昇る
草原の朝露たちが集まって
小川になり大河になって溶けて行く
....
ねぇ こっち向いてよ
誰としゃべっているの
ねぇ こっち向いてよ
何を考えているの
嫉妬の始まりはみんなこう
恋人でも 友達でも 両親でも
さみしい って気持ち
愛されたい ....
顔見知りの男が死んだ
いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた
そんな一人の男が死んだ
※
よくある話しだけど
おんなが二人いた
別れた奥さ ....
ホッテントット
ビッケ
ブッシュマン
ホッテンプロッツ
ノルマン人
ロイバー
メスチゾ
蒙古斑
マッケンジー
アルマゲドン
マーマーレード
モカマタリ
Money, Money, Money
Laugh, Laugh, Laugh
Let's get crazy.
You are mad!
Believe, happiness, trus ....
一握りの金持ちの為に
何人もの貧乏人が苦しむ
富の再分配が必要だ。
Give us job to live.
人の温もりが欲しい。
互いに愛し合い。
大切にして欲しい。
鍵のない ....
明日は 今日よりも軽やかに
と我々は{ルビ希=のぞ}んで
今日は 昨日よりは{ルビ厳=おごそ}かに
と我々は慎む
平穏になればなるほど
勝手にもがいて 考えこんで 苦しが ....
右耳の膨れ上がる曇り空
足跡に花、折れて音符
歩き出し走り出しては 落葉の舞う
鉄骨の綾取りを鼠は さ迷い
幽霊の端をかじり駈けゆく
車輪のにごり絵、渦巻 ....
まだ幼い頃
家族で夜の海へ
泳ぎに出たのだろう
若い夏草のような
家族で
私は玩具のように
小さな浅黒い生き物
だった
海もまた
生き物だと
生々しく感じたのも
それが初めて ....
ない
時間がない
眠りがない
ことばがない
つく 嘘もない
打ち明ける 真実もない
積み上げる 思想もない
吐き出す 幽霊もない
絶叫する 空白もない
....
たとえば
想い出行きの列車の切符があったなら
僕は迷わず買っただろう
雷が鳴る雨の午後
胸のジッパーを握りしめて
心細さを振り切るように走った通学路
修学旅行の帰り道
玄関を開け ....
おばあさんが 一人
風に あたっている
何もなかったように
日曜日
特になし。私が在るだけ。
月曜日
遠回りなのか、近道なのか、そもそも行先はどこ ....
何かが{ルビ蠢=うごめ}くのを背中で感じた
後ろを振り返れば
モゾモゾと動きまわる
何一つ微動だにしない筈の
心の虫は笑いながら蠢く
痒さは手では届かず
イライラで集中できない
....
ぼくが来た道に横断歩道はあっただろうか
君はちゃんとぼくを渡れただろうか
傘を畳みながら
石段を踏みしめる
雨の日に投函した手紙は晴れの日に届くだろうか
花束に深く沈んでいった君
曇り ....
体が溶ける謎は説けぬ
君は去った街に残るのは
涙の水溜まり
途切れなく続いている毎日
心の端の方では落ち着くらしい
ほどけなくなった靴紐には
最終的にハサミの刃をあ ....
日本の国土で保てる人口は
1000万人である。
後は海外からの略奪で生きている。
食料資源皆後進国から海の底へ
人口はいつか減らなくてはならない
減れば安定した人口構成になる。
少子高 ....
玉手箱を開けると
おじいさんになった。
竜宮城で目標のない時間を
過ごすと徒に時間が経つ
働き者は時間が長い
怠け者は時間が短い
多くを成し遂げ
少なく成し遂げる。
テレビは時 ....
今年こそ行こうねと やっとのことの格安バスツアー
強制イベントは トイレ休憩のサービスエリア
お土産ひとつ 幸せひとつ
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