レーゾンデートル
灯和


水面の瞳の
 オクターブが
月面の波に
 揺れる頃

「携帯電話は
 もう、鳴らないよ。」
 君の唇が
 そう告げたのを、見た。


 朝に鈍く輝いている
 鏡の破片は
 幼き夏の日を
   照らし出せないで、いる。



   「?星?はね、
    本当は、?お日さま?の下で
    ?生きたい?と願っているから、
    星でいられるんだ。」


 此処にはないから、
 探してみても
 見つからないのは
 ついさっきまで
 夢を見ていたからか。





    君の肩があまりにも冷たくて、
    二人 身を寄せ合い
    月面の瞳の、レーソンデートル
 
     互いに求め合っていたんだ。


自由詩 レーゾンデートル Copyright 灯和 2007-12-07 16:24:46
notebook Home 戻る