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夏に
瞼を虫にさされたので
片目があきません
いくらか黄色を
強めに帯び始めた
八月のカーブ
片目で町を走れば
遠近感がなくって
前の車も
白線も
ドアーも
濡れたボトルや
....
ヒビの
まつりの
ちょうちんの
蛇腹の影を指先で
破って遠く青色に
逆回転した明るみの
正午、
南中した太陽に
気を失うほど目線の重なる
白い顔
白い顔
....
銀色の電車が水の中を走って
クレイジーパターンの看板
ヘッドライト電灯に炙りだされた
乗客たちの吐く息は白く
白く浮かんでから固まって落ちる
カランと音を立てて
真っ赤に錆び ....
しお きかせてくれ
なみのまにまに
うまれた
しろい
あわつぶのようなしお
なつのうみからあがって
かわいてゆくくろいはだに
いくつも結晶するしお
しお ....
冬の朝の肩口を
ふゆ
となぞり、柔らかさを与えてみる
100℃が滑り落ちていく、
白い学校から海までの坂道のなかで
袖をつかまれたまま
伸びきってしまうラーメンのような
(海はきらき ....
*いたるところにある給水塔/ちいさな/8月
たとえばこんな狭い
はしごで登る
四角い金網のうえで
果たしても
ぐるりをとりまく
空のもと
擦れすらもしない
僕ときみだったとして
....
はやい
から
きれて
とんでる
けしきが
ちかくの
草むら
なんて
もう
線だ
恐ろしいくらい
長い
線だ
空気が
固い
いま
どれだけ
もう
壁みたいで
い ....
街灯で
ところどころ熱病だ
この道では
駐車場まで
浮かされて
君 という名前を僕しか知らなくて
僕の名前も君しか知らないだろう
それが夜の景色の中で
電柱の隙間で影を重ねている ....
{ルビ円=まる}く
操作場に日が満ちて
白く
陰影を見開きに
分けないので
水が貯まっていくように
温度は上がっていく
畳のめが潤みはじめ
いま
から
あのとき ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
なげつけて
ながして
つぶやいて
つたえて
ささやいて
はきすてて
ないて
どなって
たたきつけて
ないて
つたわらない
こみあげて
かざして
みせて
どれだけを
....