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豊かさの中で
ぼくたちは泣いている

ほしいと思ったものが
いつでも手に入るから
いつでも捨ててしまう

持つべきものがなくとも
誰かが持ってきてくれる

便利さだけでは
豊かに ....
今あなたが食べた
その秋の実は
一年に一度しか実がならない
そんな生き物なのです
人の一生の中では
わずか五十回くらいしか
作ることができません

この秋の実ができるまでに
冷たい風 ....
晴れた日に
テレビゲームをしていたら
外で遊べと言われ
公園でサッカーをしていたら
ボール遊びはするなと言われ
自転車で探検に出かけたら
行き先を必ず言えと言われる

ぼくたちの遊びを ....
君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて

はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
夏祭りが終わった
その次の日の朝
不思議な世界だったこの公園は
いつもの公園を
たた狭くしているだけの
小さな空間でしかなかった
組み立てられていた木材が
リズムよく折りたたまれてゆく
 ....
平たい大きな雲が
冷たい空気の上に寝そべって
暖かい空気をかぶったまま
空を旅してる

いろんな場所を見られるように
頭がたくさんあって
世界を西から東へ
ぷかぷか旅してる

ぼく ....
林の中の上り坂
豊かな緑の
新たに生まれる空気が
空につながっている

小川に沿った土の道
豊かな水の
新たに生まれる波が
海につながっている

暑さの中の涼しい風
豊かな夏の
 ....
夏の渓谷
そろりそろりと川の水へ
足を踏み入れる
心地よい冷たさが体の中へ
冷房の涼しさとは違う
透き通る水底には
兄弟なのか姉妹なのか
小魚が二匹泳いでる

夏の渓谷
どこから流 ....
漢字を書こう
一画ずつ正しい筆順で
口の部分は四角ではなく
顔の中にあるくちなんだ
きちんと三画で
○ではないんだ
それはその字に失礼だ
そもそもそれでは
その字の意味がわからない
 ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
すじ雲が広がる空の中で
遠くの方で飛行機が弧を描く
ゆっくりと大きな旋回だった
夕陽に反射する銀色が
勇ましかった

飛行機は目的地に向かうための
方向を変えるというよりも
今の空をす ....
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼

細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ

小さな店に ....
その日の夏が始まる
トンボが空をすいすいと
気持ちよさ気に飛んでいる
空は泳げることを
初めて知った
昨日も見たというのに

その日の夏が折り返す
繁る木々の葉がさわさわと
軽いリズ ....
人は
一人では孤独にはなれない

もし人間が
最初から自分だけだとしたら
孤独という感情が生まれることは
ないのだろう

孤独になれるのは
多くの他人の鼓動と呼吸とを
ぶつけあい
 ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す

街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
以前にも書いた通り、自分はこの現代詩フォーラムの投稿から
詩歴が始まる。
今まで詩を書いてこなかった自分にとって、どうやったら
詩をうまく書けるのだろう、そう思いながらあれこれと
考えていくう ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
らしさ
それは君自身
そして自分の目標を
乗り越えられたときに
初めて生まれるもの

らしさ
それは君の過去
何度となく苦しんだ
そのつらさを味わって
培われてきたもの

らし ....
風が立ち止まった
蚊取り線香の煙が
まっすぐに天井へと昇ってゆく
一匹のハエが
ぼくの前を通り過ぎる
振り払おうとしても
もう飛べない
風は今も立ち止まっている
夏の夜が固まってゆく
 ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから

夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
 ....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった

葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく

川のせせらぎの音も
 ....
今まで見えなかったものが
見えるようになった
自分が生きている今の世界が
迷路になっている
高い壁と細い道しかない
何も拠りどころもなく彷徨い続けると
展望台と書かれた案内板があった
そ ....
大人になんてなりたくないと
思った時から
ずっと星を探していた
将来への自信と
可能性への期待に満ち溢れて
星は必ず見つかるものと
全ての人に全ての星があると
それが当然だと思っていた
 ....
夏が黄色くなってゆく
太陽の色に近づいている
夏をぎっしりとつめて
鮮やかな黄色になってゆく

黄色くなってゆく夏は
水に中に落ち
ぷかぷかと気持ちよさそうに
泳いでいる

近くで ....
森の中で
がばっと大きな口が開いていた
大きな口は
緑色の歯をいつも見せていた
晴れた青い空の中で
流れてきた白い雲を
一気に飲み込んだ
歯が揺れている
近くまで寄ってゆくと
自分が ....
都会の道路に沿って
綺麗に並べられた街路樹は
まっすぐに立っていたが
その緑は曲がっていた
歩行者や大型の車に合わせて
その枝と葉は
捻じ曲げられていた

緑はいつも
土や大地の色は ....
鉄は錆びていた
光沢は外に発しない
錆びきっていた

鉄は昔を思い出した
あの銀色に輝いていた自分を
当然だと信じていた
今はぼろぼろな茶色の体が
悲しかった
雨に濡れて
少しずつ ....
そこに風があった
葉を揺らし
湖を渡っていた
やがて街へ
そして自分へ

そこに風があった
花に触れて
川を横切った
やがて海へ
そして彼方へ

一瞬の風は
また一瞬の風へと ....
雨が止んだ
そして他の誰よりも
最初に光を見たのは
ぼくだった

光は止まっていた
その光をくぐるようにして
白い蝶が飛んでいる
風も止まっている

雨が止んだ
閉じていたものが ....
乱太郎さんのぽえむ君さんおすすめリスト(66)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
豊かさの中で- ぽえむ君自由詩18*07-12-1
秋の実- ぽえむ君自由詩9*07-9-3
大人たちの遊び- ぽえむ君自由詩9*07-9-1
君の夏の中に- ぽえむ君自由詩13*07-8-29
夏祭り- ぽえむ君自由詩6*07-8-26
雲のシッポ- ぽえむ君自由詩4*07-8-23
豊かな夏- ぽえむ君自由詩4*07-8-18
夏の渓谷- ぽえむ君自由詩5*07-8-17
漢字を書こう- ぽえむ君自由詩2*07-8-14
夕陽が呼吸する- ぽえむ君自由詩15*07-8-9
空を旋回する- ぽえむ君自由詩6*07-8-7
夏の匂い- ぽえむ君自由詩11*07-8-5
昨日も見たというのに- ぽえむ君自由詩16*07-8-3
孤独の物語- ぽえむ君自由詩10*07-8-2
循環する風- ぽえむ君自由詩14*07-7-29
「とりあえず1000投稿」を終えて- ぽえむ君未詩・独白21+*07-7-28
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
らしさ- ぽえむ君自由詩7*07-7-27
風が立ち止まっている- ぽえむ君自由詩7*07-7-26
星が飛んでいる夏- ぽえむ君自由詩11*07-7-25
夏の夜- ぽえむ君自由詩10*07-7-24
冷たい夏- ぽえむ君自由詩23*07-7-24
迷路- ぽえむ君自由詩11*07-7-23
星を探していた- ぽえむ君自由詩20*07-7-20
黄色い夏- ぽえむ君自由詩15*07-7-20
森の中の口- ぽえむ君自由詩9*07-7-19
緑が曲がっている- ぽえむ君自由詩13*07-7-18
錆びた鉄- ぽえむ君自由詩11*07-7-17
そこに風があった- ぽえむ君自由詩10*07-7-16
雨の後に- ぽえむ君自由詩14*07-7-15

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