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平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ
偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう
覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられ ....
人は
一人では孤独にはなれない
もし人間が
最初から自分だけだとしたら
孤独という感情が生まれることは
ないのだろう
孤独になれるのは
多くの他人の鼓動と呼吸とを
ぶつけあい
....
さよなら
と言ったはずなのに
あなたは笑って許してくれた
ピンクの薔薇の花束と
なくしてしまった
パールのピアス
差しだすあなたの優しさが
ナイフのように
わたしを貫 ....
黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ
大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら
夕闇の光で織る
繭玉を ....
会えるかな
会えないだろうな
琥珀色のトンネルの向こう
果物ナイフで切り裂いた光の
向こうの・・・向こうの、そのまた向こう
動かない青空の果てに
....
夏は涙を流してくれない
秋
瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす
冬
食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる
自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる
....
呼吸が緩く渦を巻く
雨の涸れた風の世界
けれど風は
こちらからあちらへ
あちらからこちらへを繰り返し
その先の
どこへも流れない
白を放ち続ける街灯以外の
全ての静けさに横 ....
使い捨ての帽子に
ミルクティが付着して
私は
何故か、はっとする
余りは沢山あるからと
笑いながら言う
これが人間だとしても
あなたは
笑うのだろうか
白いメッシュ ....
ピアノとベースとボーカルで
毎週土曜日に演奏がある
金持ちのおじさん
ブランデーを飲む
マスターはカクテルを作る
俺は弁当を頬張り
ブルーベリーの紅茶を飲む
お姉様とお話をする
....
陰樹の茂りに
やさしい 幻を見せて
吸われた強いタバコ
陰でささやかれる 会話
もうろうと 煙り
奥の端の席に 織るべき 夢
この店は 沼の匂いがする
湿りの温もり
肌にしたた ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう
光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
....
あぁ、そうか
僕は僕だったんですね
気付いてしまいました
つまり僕は今まで
僕を演じていただけで
なんていうのか
僕自身が勝手に
ありもしないドラマを
でっちあげて
存在もしない ....
我々は我々であるために
キャッチボールをする
キャッチボールは速い
止まらない
たまに爆発現象もある
五秒で終わるべきことが
終わらずに
並行を保っている
だから安定してい ....
受信器をゆさぶる
星の名残
罅割れて
物言う石
ひどく間違えて
あなたの中に探した
有意信号
嘆き
ではないよ
轟き
深い軸
渦
の息吹
....
南部鉄がチリリン
梅酒を飲んで
うちわを扇ぐ
タマがすり寄る
ヤキトリのお兄さん
今日は疲れてないよ
と言う。
客が少ないのだろう
友だちはお前は
自由だから良いと言う。
....
なんとなく
名前を忘れたら
気持ちが楽になった
苦しみもなくなって
痛みもなくなって
しがらみもなくなって
名無しも悪くない
まるで自由みたいだなって
思えたのは束の間
....
私は死んでいるけどあなたは生きるんだよ
ずっとずっと生きていくの
私のことは忘れて
それは本心で本望だよ
何十年後も 誰かがそばにいても覚えているっていう人がいるけど
そんなのは悲し ....
町並みは息をひそめているし
プロムナードは息を抜いている
空はカンツォーネを奏でているし
海はレクイエムをうたっている
風は愚痴を吐いているし
光は論理を愛撫している ....
世界中を見たくなり
船を作ることにした
一代目は攫われた
取り戻したときには壊れてた
二代目は勝手に船出した
アメリカで大成功したとかしないとか
三代目は普通にした
見たこと ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す
街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
赤いザーメンが射精した時に出た
病院に行ったほうがいいんじゃない? と君は言った
構わない と答えた だが少し不安になった
再び射精した時も赤い精子が出た
少しずつ世界が変わってきているのね ....
私は医者じゃないから あなたの病を治せません
私は画家じゃないから あなたの笑顔を描けません
私は芸人じゃないから あなたを笑わせられません
私は詩人じゃないから 愛の言葉なんて贈れ ....
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る
新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏
種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
寄せては返す
漣のような音色
碧く
深く
悲しいほどに透明なそれは
大気を満たし
僕の心にも滲み込んで
静かな
静かな夜を連れてくる
風船が
割れなくなって
空が
割れて
閃光星の隣まで
来てしまった
息の代わりに
靄を吸う
風船の中は
温かい未来で
階段も天井も
白く
湿ったものは
どこに ....
人は炎のように形を変えて
そっと温め
時々燃やして
いつかは消えて
世界は炎のように形を変えて
そっと温め
時々燃やして
いつかは消えて
けれど炎は消え去らない
くすぶり続け ....
ある日、
(傘を忘れてしまった
朝焼けに焦れた視線が
日影の後ろ姿を おいかけていった
風光は二度と再び帰ってこなかった
....
目を閉じ
骨を確かめる
歯のかたち
牙のかたちを確かめる
地平線まで
指はのびる
ひらいた骨が
永さを失くした海を奏でる
あらゆる証書が
毛虫のようにうご ....
しゃぼん玉飛んだ
マンションの二階くらいまで飛んだ
マンションの二階くらいまで飛んで
壊れて消えた
も一度しゃぼん玉飛ばしてみた
今度はすぐに消えた
今度は ....
大きな お城 丘の上
お姫様が住んでいて きれいなドレスを着てました
太陽の昇る日には 葡萄酒とパンを
月の欠けた夜には 微笑みと言葉をくれました
さよならジュリエット 手をひかれ ....
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