くるまる/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外.35
こうだたけみ

いつだってシーラカンスのきぐるみ着てる彼は、今ごろの時期からは汗だくであっちこっちあせもをつくるんだ。天花粉をはたいてはみるのだけれど、シーラカンスのなかがいいにおいになるだけなんだって。

私なら今日もしましま毛布にくるまってくるくるお休み。くるくる地球儀まわして世界を二十周はしたかもね。それからさ、ボ、ボクト、ツ、ツキアッテクダサイなんて言うんだから干支が一周するくらいのあいだ突っつきあってるんだ、ツンツクツン。

桃の表面てばどうしてあんなに突っつきたくなるんだろ。赤ん坊のやわらかおしりみたく見えるからかな。糖度センサーひっかかった落第生はながされてどんぶらこ、タローって名付けられたりするのきみも。

三十度を越えてくる最上階の部屋のなか食べそびれたバナナ四本とろとろけてピーナツのにおいした。あれからからまるだけの手足ほどほどにほどいて、弛んだおなかにくるくるくるまって眠りたいもいちど。


自由詩 くるまる/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外.35 Copyright こうだたけみ 2015-05-10 23:50:09
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