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{引用=今も変わらずに花の名である人へ}
きっと気紛れに入れたのでしょう
桜の花びらが
はらりと、
不意に零れ落ちたので
もうどうしようもなく立ち尽くしてしま ....
許したと思っていたことを
許せてなかった
忘れてしまったと思っていたのに
忘れられなかった
台所で
風呂で
ふっとひとりになる
重ねてゆく日々の小さな落とし穴のような ....
深夜シフトのコンビニ店員は
今日も、自動ドアの向こうにいる
23時から8時まで
これ以上にないほどダサい
緑とオレンジのうわっぱりを着て
レジを打ったり、品出しをしたりする
とても、と ....
ぼくのかけら
ひら
ひら
舞い降りて
誰かの人肌で
溶ける
人知れぬ
森の奥深く
舞い降りて
静かに
眠れ
鈍く光る銀色のドアノブをひねり
といれに入ると
窓辺にはうす桃色の{ルビ薔薇=ばら}が咲いていた
水色のすりっぱには
背中合わせのふたり
男の子は贈る花を背に隠し
女の子は四葉のクロー ....
優しく濡れていた
公園の池が凍りわたるという法則を
冬だから寒いのは当たり前でしょうと片付けた母の
手の平の保温性が
今も強く、わたしの身体へと、わたしの眼へと
柔らかいままの金 ....
かかっていた淵が
木の内側から
咲き 産まれ
飛翔と
知る時間もおかずに
闇のまま 飛び立つ
雲は まだ眠る
陽は あちら側
凍結した 雫が
おちない 純情
....
ぼくのランクはどのくらい?
そんな事を聞かないでください
前の人なんて覚えてないの
ずるいけれどそう答えるしかありません
体を重ねるたびに深まるこの気持ちを
あなたにどうして伝えまし ....
僕が君の恋人でなくなって
君からおとうさんと呼ばれるようになってもうどれぐらいたつだろうか
人並みに恋をして結婚した僕たちは
人並みに親になって家庭というものを築いている
僕は君を昔のように呼 ....
猫を殺す夢を見て
汗だくになって飛び起きた
飲みかけの
ペットボトルのミネラルウォーター
冷蔵庫から取り出して
震える手でキャップを開ける
雨の匂いに誘われてベランダに出ると
こ ....
朝目覚めると 「しなーん」と朝立ちがなかった
いつもの事だけど 「しなーん」としょぼくれていたから
今日は「しなーんな一日」にしようと決めた
娘さんとチャッピさんとクーさんは早起きで「パパお ....
めん棒が
ぬぐう
世間体
誰 も知らない
色
誰にも 触らせない
歩けもしねぇヤツが、走りたいとは言うもんだ。
飯も詰め込めないその胃袋で、精々胃液でも吐いてやがれ。
死にたくねぇなら格好つけんな。
人生も恋愛もセックスも、ただの間抜けな事でしかねぇよ。
....
厳しく枯れたアスファルトへ
刺さり損ね
刺さり損ね続ける、冬枯れの枝葉の
その陰、から
密かな微かな摩擦、それは残像です
かつて彼らは節足動物でした
密かなのは、そ ....
鋼鉄のキリンどもが
夕陽に照らされて
朱く燃え上がりはじめると
このありふれた景色にも
特別に美しい瞬間が訪れる
陽が落ちきるまでのほんのわずかな時間
第3セクターで作られた
この海 ....
疑いの芽を摘み取って
抱いた疑いの鳥を打ち落とす狩人を
狩人を
落とした涙の分からぬままでいいから
体が朽ちるまで可能な限りの羽を使い
あたためたい
私に出来ることはあたためることだけ
....
夜半の月は無情に蒼く
帰ると誓った影はない
白菊の花は夜露に濡れ
冷えた袖はしっとりと重い
長い旅だとあなたは言った
待てぬと叫ぶこの手には
あなたが残した一輪の菊
時は重陽、誓いの盃
....
その道は
街灯の小さな明るみの中に
白く浮かび上がっていた
様々な思いが通り過ぎていった
その白い舞台の上を
今日は
消え残る足跡がひとつ
闇の中に後ずさる
風が
粉雪と共に ....
早朝フォーラムを開くと
17通の私信が届いていた
びっくりした
こんなことは初めてだった
うれしかった
選挙の当選者と似ているのではないかと思った
なかにはしょ ....
車を運転しながら
彼が
さっき鼻毛出てたよ
あーホンマ
私は鏡を覗き込む
下を見ればスカートの裾から覗く足
タイツ伝線
私のお腹さんがぐぅって言うから
どこか軽く行こう ....
江ノ島の砂浜で、
少年だったわたしは、
父とカイトを、飛ばした。
父の、大きな背の、
後ろで空を見上げる。
埋まる足元と、手につく砂。
潮風に乗って、
黒い三角形のカイトは、
糸をはり ....
かかしに たよる
おお ばか さん
あおっ ちろい
まるの かむり
いがぐれた
いびき
はい びじょん かざる
たくましい たけのぼう
の あしもと
ころがっ ....
だれか ひとりのひとを
すきになって すきになりたいんよ
だけど 遠距離でも つづくコじゃないと あかんなぁ
純粋に 恋 がしたいんよ
あい やのうて 恋 がしたいんよ
それ ....
よる は ふしぎ
いえないことが
するん、と
すべり おちる
よる の ふしぎは
あまり しられてないし
おしえて あげられない
ひみつを しりすぎると
あさに かえれなく ....
君がくれた
手紙の束をどうしよう
黙って二人
レンタルビデオをみた日は
もう帰らない
仕事の帰り
チーズケーキを二つだけ買った日は
もう戻らない
....
風が 開いた
土の 群れ
巻かれて
上がる
梳いた
炉
はぐれゆく
胸に
破 削り
天陽
流し込む
子供の頃
フリージアってきくたびに
甘酸っぱい氷菓子みたいな
そんなものを思い浮かべてたの
そんな話をしてくれる女が好きだ
染み一つ無い真白な紙を埋め尽くす
白い詩の燃え尽きた詩人よ
家中のペン先が折れ曲がる筆圧で
描く 角張った情景
放り出した原稿のマス目から
飛び出す遊び文字を拾い集めて
茹で上げる アルフ ....
雪は雨に変わって降っている
みずからの重さを溶かして
まるで自分を打ち消しているかのように
その姿を相殺している
真っ白だった自分が嘘だったのだろうか
....
天に輝く月をみあげて
あれが欲しいとおまえは泣いた
水を両手にすくいためれば
掌に小さな光の幻
それは本当の月じゃないと
おまえは唇をとがらせる
おまえの見ているその月と
今手の中にある ....
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