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香気がどこからかぼくの指にしみこんできた
朝日はいつの間にか木陰を
ありありと作るくらいに大きく育って
父は病んだ体を褥に起こして
指先から瑞々しい桃の果汁を滴らせながら
桃の果肉を噛み砕い ....
身体の自由を奪われることと引き換えに
過去の重荷をどこかへ置き忘れて
少しづつ解き放たれていく
その手を見ればわかる
長い年月を耐えて踏んばって
あなたは生きてきたのだから
ちょっ ....
ふりつづく雨の
ほんのわずかな晴れ間に
少しの希望が見えたなら
それにすがってみようと思う
生きつづけるなら
あきらめも肝心
妥協だってしてやる
けれどまだまだ
何かが ....
お花畑に
直立するオベリスク
であるところの君
あるいは
漫画に戯画された
仮性包茎
であるところの君
きわめてきわめて 男根的性格である君よ
君のピンクの先っぽには
いつもお天道様 ....
無いものねだりは
しないでおくれ
でも可愛い君にだけ
内緒であげよう
僕の飴玉
あっ
ふたつとも
口にふくんじゃいけないよ
もうひとつは
妻のだよ
なつくさを
くさかりしながら
じぶんのこころも
ちょっとかりこんで
さわさわと整える
刈ったぶぶんは
お日様に干して
お月様の光も吸わせて
冬に着るふと ....
クソったれ
と叫ぶのにも飽きた
きりが無いもん
渋谷でラオウとケンシロウ
二人が闘ったら
きっと明日はいい日になると思う
スクランブル交差点を
僕の詩で埋め尽くせたら
次の日は ....
モスキートにキスされて
わたしのあんよは
はれもよう
えらいこっちゃ えらいこっちゃ よいよいよいよい
サンバのリズムが吹き荒れて
かゆさの神輿が湧きあがる
夏の祭 ....
駅前のタクシープールに
老いた男と猫が
向かい合わせに座っている
餌の缶詰を猫が喰い
空き缶は物乞いの貯金箱となる
毛刈り前の羊のような
油色の毛を
肢体しならせ
舐める猫
....
僕は一羽の小鳥
左利きの小鳥
優しさと思いやり
静かな暮らしを願い生きてきた
一羽の左利きの小鳥
いつも片目を閉じて
楽しさにかまけて
見て見ぬ振り
まわりばかり気にして生きてきた ....
おばあさん たべねば だめだ
見舞いにきた人が
そう 励ましてから
おばあさんの 体調は悪化した
食べれねぐなったがら もうだめだ
と 急に思いつめたらしい
看護婦さんがみかね ....
姉弟は祭の晩を歩いていた
姉は弟の手を引き歩いていた
弟は姉に引かれて歩いていた
揺れる提灯が線を描く
揺れる提灯が線を描く
暗くなる暗くなる
提灯の灯が溶けてゆく
弟は 親から ....
もうすぐ
爆撃機のように
八月がやって来る
さあ灯りを消して
ふたりで
ベッドに隠れよう
月のきれいな夜に友達に言った
そんなポンコツスクーターじゃ
どうがんばっても月には行けない
じゃあ見てろ、と友達は言うと
アクセルを一ひねりして
鳥海山をジャンプ台にして
飛んでいってしま ....
伸びた髪が視界を遮る
一瞬 目を閉じ
吹き抜ける風
潮の香りを探す
どぉんと岩に打ち寄せる波
白い泡が風に混じり
こちらへ届く前に消える
今日の空は青い
波が作る白い泡のように ....
今日もめぐってきた
午後8時30分
あなたの元へと私を運ぶ最終時間
全てを捨てて・・・何度も心揺らした
「今の状態がいいんだよ」
あなたは そう言って微笑んだ
辛 ....
もう仕事なんてしたくねぇよ
こんなかったりぃ仕事やってられっかよ
俺はババァの愚痴を聞く為にいる店員じゃねぇ
なんで煙草すってりゃ金になるような仕事が無いんだ
沢山のバニーちゃん達に囲まれて
....
誰もいなくなった部屋で
揺れる鈴を
祭囃子と
遠い花火が
呼んでいた
赤い小さな
金魚の遊ぶ
窓辺に揺れる鈴
(ち、りん)
月明かりの ....
君はまだ若いから
いつも遊びのつもり
それも面白くて
それも楽しくて
否定する気はないけれど
どこかで今日も
どこかで今も
涙の数だけ起きている
鼓動の止まる瞬間に
泣いたっては ....
いつだって
君はその場しのぎで生きている
辻褄合わせに行き詰まると
多段式ロケットのように
それまでの人生を切り離し
昨日までの生活
昨日までの人間関係を
リセットするかのように生きてき ....
地球の自転に逆らって
飛び続けてみたら
いつかは
取り戻したい時間に
辿りつくことができるだろうか
{ルビ痩=や}せっぽちな
私の体の奥のほうで
一匹の虎が
牙を光らせ吠えている
今にもこの胸から溢れ出しそうな怒りの炎が
魂の{ルビ器=うつわ}を青い光で染め上げている
....
すこしだけ 息をすった。
らくになる前に こみあげてきた。
ごまかすために 窓の向こうがわをあおぐ。
ゆびと ゆびのすきまから
にじみだした 青。
はき出した息の白さにおどろいて ....
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛していない
両刃の上では
留まれない
赤い靴は血の色で
ガラスの靴は涙色
愛している
愛し ....
街の中心
その、少したかいところ
高架化されたせんろの上を
古びたでんしゃがはしる
ねむいからだをはこびながら
きみのすむ都会から、とおいまちへ
眼下にひろがるまち
せなかには洛 ....
わたしがきらきらの火花に歓声をあげているあいだ
そのひとは
灯かりのむこうの景色をみていたというのです
君が言わせたがる言葉を
どうしても言えず
唇をかむ
うながされ
催促されて
思わず口からこぼれそうになる言葉を
唇の裏側で
なんとか押し留める感触
口腔器官が発熱している
....
きのうの僕はつらかった
きのうの僕はかなしかった
だけど めざめたばかりの僕は
一枚の白い画用紙
つらい色をぬらないでおくれ
かなしい色をぬらないでおくれ
....
駆け抜けろ!今の奇跡を
唸る肉体に熱いボディを載せて
光るうねりの中
喝采はまだまだ早い
スタートダッシュが決まれば
後は走り抜けるだけ
煌めきを乗せて突き進む
嬌声をあげて突き進む ....
平坦な場所
何も いない
みていた空
置いてきぼり
かかわる 擦り傷
ぺろりと なめ
居場所は
歩いたっきり
ひきさく 日常の中
道なりの 花 乞い
....
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