すべてのおすすめ
今日が終わる
その少し手前で
ひとつ足りないことに気づく
いつものように
君を送りとどけた駅で
「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない
ひとつ ....
貴金属コーナーに群がる高校生は
鼻で笑えたけど
たくさんの買い物袋を両手にさげて信号を待っている中年夫婦を
バスの中から見た時
手袋をはいていない手も
雪の上での足踏みも
会話からもれ ....
天王寺動物園に
桜が咲いて
カラオケの音量が
最大になった日
僕たちはアポロの前で
待ち合わせた
どこに行く当てもなくの約束
ただ一緒にいたかったから
もっとたくさん、桜がみた ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜
だから
ここにいるだけで
しあわせ
夏が終っても
君が胸を泳ぐから
クロール
息つぎをせずに
どこ ....
君は覚えているだろう
君がはじめて掴んだ自由は
真新しい買ったばかりの自転車に乗って
得意げに街中を走りまわる事。
そして今
世間との関わりを君は海に投げ捨て
白い灯台すれすれを斜 ....
あの日から、
背負ったこの柱は、
復讐だったのかもしれない。
だがもういい。
もういいんだ。
おれは後数日で、
十五から背負い続けた、
柱を下ろし、
そ ....
浴衣着て髪をゆって会いにゆきたい
慣れない下駄は足をきりきりひずませ
夏の暑さが心地よくなる
柔らかい心が潰れてきりきり悲鳴あげて
あの日一人で見上げた橋桁の花火
....
果物屋のおばちゃんは
リンゴでピラミッドを作って
バナナにそれを眺めさせて
スイカでバナナのための日影を作ります。
どこよりも甘いグレープフルーツを
毎日同じ男の子が ....
待ちくたびれて
今宵も 携帯握り締め
布団の中 夢の中・・・
帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨
ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた
縁取り、白
フレームは銀
それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて
....
今を足蹴にして 昨日にツバしても
守りたい物がありました
月がみていた あなたの秘密
月が嗤った わたしの憶い
月が謳った ささくれていく心を
寂しい夜が膝を抱え
....
三階のレストランの窓から見下ろした
木造の橋の向こうへ伸びる石畳の道をゆく
白い服を着た君の背中はだんだんと小さくなり
緑の木々の下に消えた
立ち尽くす僕は
次いつ会えるかもわからない
....
わたしがいなくなって5分後の世界
相変わらず
交差点は混んでいて
ストップランプは
シンクロしてて
大型ビジョンが
めまぐるしく 変わって
新作モードは
ガラス ....
痛々しいほどの
朱をさらけだして
鶏頭が咲く
傷口は
季節が変わっても
じゅくじゅくと疼き
癒す言葉など
持ち合わせてはおらず
ただ唇を乞う
ツバメが
ひととき ....
私は一度も死んだことがありません
だから、よく解らないのですが
静かに息を吸いながら
あなたの詩をゆっくりと読みました
ゆっくりと
もう一度と言う声にうながされ
残照の黄色の花に気 ....
清流に身を沈め
両手を広げて目を閉じる
上流から押してくる
強い圧力に
決して負けない
循環する旅の途中の
冷たい流れが
この身体を貫くまで
美しい透明のものたちが
わた ....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
埃だらけの夜道に座り込んで
煙草の先に火を点けました
吐きだした煙も
イエスタデイを戻してくれない
煙草を放り投げて
行く道を決めようと思います
煙草は
くるり くるりと周り
赫い火と ....
少しだけロリータ少女になったらしい
風の噂で聞いたんだ
彼女はロリータ少女に
****
「私はね、高級娼婦になりたいの」
彼女はそう言 ....
線が
小さな点の集まりだと知ったのは
まだ恋なんて知らない
幼い頃のことでした
とぎれとぎれに
一つ一つの出会いがあるように思えても
振り返ればなぜか
すべてがつながっているよう ....
じんべえって
まるで人の名前みたいだ
こんな夏の日に
すっかり涼しい顔をして
遊びに行こうって言っている
(ほら、じんべえ
祭りばやしがきこえるよ)
ふわっ ....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
それは総ての男を魅了する
総ての芸術家を虜にする
それは瑞々しい果実のようであり
たおやかな母の抱擁をも予感させる
それはあまりにも眩しい
陽に焼けたまろやかな曲線は
誇ら ....
あたまは空っぽ
ヤニはあたまの隙間を埋めない
白く塗りつぶされた脳に
黒で皺をかいても大人にはなれないかな
あぁあぁと嘆いて
呼吸が出来なくなる瞬間に
時間が一瞬止まったら
そこから ....
胸の奥につないだ
遠い思い出の時間は
時折
甘美なひとときを
わたしの中に
もたらしてくれるけれど
つなぎめが
とても痛くて
ささえきれなくて
今にも
ぷつんとちぎれて
....
パフェ、
パフェ、
パフェ、
10回言ったらパフェ10個
眩しい太陽
目を細める僕の顔前に
うふふ
エプロン娘
純白、
かついたづらな覗き見
こいつめ
....
泡立つ球体を、
一息に飲み干して。
どろーむ。
どろーむ。
しんどろーむ。
ぴーたーぱんは、
三時に食べた。
....
ひとしずく、
ひと掬いの時。
誰も振り返らない。
人しずく、
ひと救いの時。
誰も振り返らない。
ほら、
また落ちた。
....
かなしい あお
さびしい あお
....
すいかだった。
真っ二つに割られたすいかが、
テーブルの上に、
どでんと置かれている。
どこを見回しても、
スプーンがない。
仕方がないので、
そのま ....
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