すべてのおすすめ
子を産む。
母を知る。
己を知る。
過去にさかのぼり
見えなかったものを見る
聞こえなかったものを聴く
忘れたものを思い出し
そして子の未来を願う
繰り返される
営みのなか
過去と ....
あなたが あのこと キス する あいだ
とおい むかしに たびをして いた
おとが すこし
きこえにくかった あのころ
まいくに きょうみが でたのは
そのこ ....
砕けた背骨など
切り裂けた肉体など
コルセットで締め上げて
美しく着飾れば
微笑むのは容易い
私は、強い女
人々の喝采も
百万本の薔薇も
救えぬ魂
あなただけ ....
重い防具担いで
朝早くから歩いた道を今
二人揃って手ぶらで歩いてる
たった数年前の事を話して
涙目になったりする
もうあの頃には戻れないんだなぁ
などと言いながら
6年間飽きもせずに ....
風の便りに聞いたんだけどさあ
20年も筆を折ったままだったおまえが
またぞろ詩を書いているんだってね
どうゆう風の吹き回しだか知らないけど
本棚一杯の現代詩手帳やユリイカ
荒川洋治やら訳 ....
そんなに強くしないでと、
君はいう。
構わず痕を付ける。強く。
あいつの知らない場所に、おれの痕を付ける。
おれを愛した唇で、
あいつを愛撫して、
おれが愛 ....
電灯に 虫が群がる
暗闇を震わせて
光に酔ったように身を惑わせる
ぶつかり合って 羽を散らし
ひとつ
ひとつ
闇に落ちていく
ああ
あれは ヒト だ
....
どのくらいの広さで降っている雨なのか
心は探りに行く
夜に出てゆく
けれど心は気持ちでしかないので
体の外のことは何も感じられない
雨の立てる匂いの遠さと近さ
水の滞空時間
....
たおれるって
あきらめることでは なくて
おきあがれない こと
かよわなくなった こころ
暗く 憎しみばかりつのる時
灯は しずかに 病みを照らして
今は 夜
ただ ....
わたし
椿の紅のビロウドのような
柔らかさに触れたくて
はなびらに少し
指先を這わせただけでした
椿は 紅を舞わせて地へと落ち
華の美しさを ....
過去を良く思えるのは 今に満足していないから
そんな話を耳にしたことがある。
その通りかな なんて思ってみたり・・・
あの日 ドキドキしながら 二人で歩いたトンネル
つ ....
あたしの町のあたしの川の向こうにはあたしだけの工場が在る。
其処は終日稼働式で、何時でも好きな時に好きなだけ眺める事が出来る。
くすんだ灰色の煙突は大した高さでも無いのに
チ カ チ ....
マウンドに立つ その、一番。
目を見開いて、瞬間瞬間を一時たりとも逃さぬように。
ごくん、
と 咽喉を鳴らして。声を張り上げて。
さあ、 奴らが主役の夏が来る。
おまけみたいな僕は
露店でビールを配る
一杯四〇〇円也
腕に妙な刺青をした
お兄さんに意地でも
売りつけてやろうとするが
睨まれてもごもごする
仕方なしにちょろそうな
カップルにヨイシ ....
その花は
涙をあつめた
毬のようで
降りつづく
雨の重さに
身を委ねて
香りもせず
散りもせず
ただうつむき
けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
た ....
次に私が拾った獏は
これはもう生まれついての
野良獏だったから
やっぱり夢は食べなくて
好んで食べたのは・・・嘘
あぁ 私はどうしたらいいのかしら
せっかくイイヒトで通してきたのに ....
「これ、ウン十万もするんだよ」と言いながら
弾いている塗装の剥がれたテレキャスの価値は私には解らなかった
「この人ら、大好きなんだよ」と言いながら
聞いているNUMBER GIRLのよさは私には ....
ビルの屋上から
少年は飛ぶ
毎日
そして水溜りを見つけては
世界に広げるのでした
だれも傷つけない言葉は
だれも救えない
誰かを救うという
ことは
だれかを傷つける
ということ
その罪を背負う
勇気を
持つということ
詩人は
小心者で繊細な癖して
意外とだらしない
ちらかった原稿用紙の上
飲みかけの缶ビール
吸殻だらけの灰皿
空の100円ライター
そして一冊の詩集
ボードレールの悪の華
詩人は ....
自転車のかごに乗っていた子供の瞳はこうだ。―見てはいないが、映している。
映されていた、天使は、大人になるための訓練をしていた。それというのも
見過ごす事で、無疵のまんま成長したがる人間がたくさん ....
うたうことは
わたしの たましいの かたちを
そっと ゆびで なぞるのと にている
誰もいなくなったプラネタリウムの
暗いドームの下
まるで其処が聖堂ででもあるかのように
ひざまづいて祈る影がある
何を何故祈るのか
誰にも知られることなく
ひとりきり目を閉じて
長い ....
土曜日の夜ダンスフロアには見慣れた常連の男の子
何をやっている子なのかは知らないそんなことにはあまり興味ない
ビール片手にしばらく眺めてる今夜はどの子と遊ぼうかとぼんやり考える
一夜の恋人を探し ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
七夕や清く正しい朝帰り。
あなたは俺が生まれ育った場所を知らず
まるで外国のように感じている
だから楽園のような場所だと言うと
そんな所は無いと明るい声で言う
吹けば飛びそうな二人
町の手前で
恋をしている
お客 ....
君は
占いに出てくる星座しか
知らないというのに
アルタイルとヴェガには
とても詳しくて
毎年、同じ物語を
飽きもせずにロマンチックだという
私は
二星間、14.428光年を
冒 ....
その日
生まれてくる
いのちのために
地球は
美しい嘘を吐き続ける
クジを引いて、中をみたとき消えるもの
花が咲いて、そのとき消えるもの
求めて求めてやっと辿り着いて、消えるもの
氷でできたグラスが消える
名のない匂いの記憶が消える
人には言えない重 ....
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