すべてのおすすめ
懐かしい、と思わず声をあげてしまったのは
きっと何かが体を突き抜けて
螺旋状に空に
消えて行ってしまったから
サビサビの
ボロボロの
どうしようもないくらいに 小汚い
きっと元は黄色 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前
母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります
雨もりがあふれる床
....
わたしのからだをみて
よく覚めたその目で
きのうできたばかりのほくろ
乳房の産毛 透明色
幸福なときに見え隠れする
目じりのしわ
いつかの傷 主張している
....
触れない唇
握らない掌
体中の
あちこちが渇くのです
潤して欲しいと
井戸を掘るのです
上手に
井戸が湧けば
わたしはきっと
すくわれる
井戸を掘るのです
時間す ....
生まれ変わったら何になりたい
と、問われたので
水
と、私は答えた
それは或る時
貴方の頬を伝う涙であろう
再びこの世に生まれる時に
貴方を抱く羊水であろう
今はた ....
国道沿いのマクドナルドで
あなたのシルエットを買った
伝えたかった言葉で
支払いを済ませる
足りなかった文字が、あったような気がする
4時限目の鐘が
モノレールをつたって、とど ....
まず ごめんなさい
勝手に サイフを 覘いてしまったこと
レシートは 私が預かって おきました
今夜は冷えるので この1000円で 肉まんでも。
おいしい顔が 浮かぶようです。 ....
柿の実色に日は暮れて
通学路に残ったチョークの○も滲む頃
街中の電線にたわむ百舌たちは
嬉々 嬉々と啼いて安堵する
それを羨む秋の傍らで
きみに書きあぐねている手紙は
お決まりの挨 ....
窓には柵が無いので 宵月の真ん中
を見ようとすると バランスが取れなくて
危うい
落ちるまで手を伸ばそうが 届かないから安心
幾夜に渡って一途に見つめても
月は降りてくれないから 代わり ....
うららかな小春日が微笑み
空が蒼く透きとおり
宇宙の果てが大きな口を開けると
風が乙女を呼ぶ声が聞こえる
こんな日はお布団でも干しましょう
この頃、冒険談がいっぱい詰まった
世界地図を ....
まずはこちらのショーケースをご覧ください。
数多くの思想が並んでいます。
お好きなものをお買い上げください。
お一人様2点まででお願いします。
そしてこちらの棚をご覧くださ ....
淋しさの屋上に幽かな
夕焼けが照らし続ける赤い星
病んでしまった日記帳や
駅前の木々までも染め抜く
#41
吐瀉物は
パッ
と散って
花が咲くみたいに
路上に開いた
深夜
2時40分
#42
(大阪弁のイントネーションで)
ワタシの主食 ....
私の三匹の獏たちはすくすくと育って
立派な大人の獏になった
偏食も直って夢をバクバク食べるようになり
(三匹めの小さな獏はおバケの夢だけ苦手だったけど)
やがて彼らは巣立っ ....
靴紐がほどけて
その存在を見せ付けてくる
埋められるための空白は
ただ待つことしか出来ないのに
生きることを言葉で表現できたなら
どんなに幸せだろう
もしそれが可能なら
生き ....
みたすものではなく
うめるもので
うめつくされた
まいにちは
うめるものを すてて
みたすものを
そそがないと
もとには もどらない
わかっては いる
それでも
みたす ....
たぶんノルウェーあたりに
巨大な送風機があって
そこから送りこまれた冷たい風が
君の頬を桃色に染める
わかさぎのエスカベッシュ
南瓜のキッシュ
ハッシュドビーフ
そして食後には
ア ....
草をはむ靴音を
幾度となく確かめて
渇いた枯れ葉の上に
柔らかい音をたてた
それ一枚ずつに
言葉があるかのようで
カサコソと囁いては
木漏れ日に揺れ
風に流されもする
....
なんという事もない 日曜の昼下がり
公園の野原の片隅
ポコーン ポコーンとボールを追う
カシャクシャと落ち葉と戯れる犬
こどもらの華やいだ声
透き通った青海原に
....
その時に何を考えてるかなんて
そんな野暮なこと聞かないでよ
あたしはただ数を数えているだけ
何も考えないし
あたしは眠らない
どんな男でも
眠っている顔だけは
妙に愛らしいこ ....
このパンフルートの音色で
君の過去を知る事が出来るとしても
僕は知りたくないし
このパンフルートの音色で
ふたりの未来を覗く事が出来るとしても
僕は覗きたくないよ
昨夜からの冷たい ....
太陽の溶けた樹液が
母星を 取り込み
枝の上に 果実を成す
宇宙飛行機には 乗れないけど
かじりついたら
行っていない星はない
この実すべてになるために
巡りきた
宇 ....
サンマがぐんぐん泳いでいます。
サンマが群れを成してぐんぐん泳いでいます。
サンマは海を泳ぎます。
サンマは海を遠くの方から
反対側の遠くの方まで泳いで
そうやって一生を ....
入眠
夜を行く 夜行列車の端から端まで
眠れないという あなたの背中を
私の恋を知る 二年の黒髪で覆い尽くす
やがて 足が滑らかに滑り落ち
月の無い夜を 黒豹と翔け行く ....
投影される星宿は
ただまばゆく
木漏れたように
天蓋にはりつき
記憶の中で見失った
街あかり
偽りの夜空のように
星の並びを過去に
たどれるならば
雪の降りしきる
プラネタリウ ....
言葉の陰で泣くのはいけない
それならば言葉の上に突っ伏して
泣きなさいと月は言う
果たしてそんな事が僕に
出来るのだろうかはまだ分からない
一息で詠えるフレ ....
今日は君が生まれた日
たくさん並ぶ花を見て
かわいい花を見つけたよ
そんなに豪華じゃないけれど
君にぴったりな気がしたよ
その花を
プレゼントしたら
君は喜 ....
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える
仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた
木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた
教室も ....
ともすれば、その人の
冷たい朝なのかもしれない
天井はいつも通りにぴんと張り詰めている
とりあえずは、流行の
そこから外れた道の街路樹のなびく姿を真似て
まずは珈琲をすすることから始める
....
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