すべてのおすすめ
詩のカタチして
小生意気な顔をして
エーイエーイと言っているよ
僕のうちは貧乏だから
50円が無いとは言えないで
大事に握った50円玉
丸くて小さく穴開いて
向こうの家が見えている
....
病院は寂しい所だった
相憐れむ人たちが
見た目には元気そうに
思い思いのことをして待っている
ここでは
みんな少し
優しくなれるらしい
一度目の気持ちなんて忘れた
穏やかな ....
皮膚という薄皮の中に
なまあたたかい
生がある
そう思いこんでいる
骨にまとわりつく体を
巡っていく流れに
生がある
そう思いこんでいる
あなたとつない ....
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
回らない時計を目の前にして
君が暮れる
寒さを間違えるようにして
マフラーに埋もれて見えなくなる
薄い窓に耳を寄せれば
世界はこんなにもくっきりと
くれる
途方に
あるいは
....
何年かぶりに
自転車に乗った
早朝
海岸への坂道を立ち漕ぎする
自転車に乗るのは
本当に
本当に久しぶりだ
きつい登りに
太ももが悲鳴を上げ ....
とりが てんにあそび
そら たかく
まなざしが わたしにふれる
らせんのように うたが
うたがおりてきて
わたしの ひたいをうつ
はな こぼれ ささやく
....
山田くんは手を洗わない
一学期の終わりころから急に、手を洗わなくなった
購買のやきそばパンを食べるときにも
科学の実験をやった後でも
山田くんは手を洗わない
聞くとこ ....
冬将軍の黒いマントの中
屋台骨に成り果てた木々にも
白い花が咲くはずで
ほんの少し前まで
華やかに彩られた木々の下に
なぜか タンポポが咲き乱れ
蝶のように舞い踊っていた葉っ ....
外は雪が降ってます
音もなく舞い降りて
静かに積もっております
天気予報の確率が高まって
予定どおりに降ってきた
そんな皮肉を言うために
ここに来たのではありません
雪が降ると
....
ペテルギウスが
燃えて寒く震える
凍り付いた瞳の結晶の奥で
星が流れたとき
湖に波紋
魚も鳥になる夢を
みるのだね
手段や技術で語られるものは
やっぱりそれに規定され ....
なだらかな夜の背骨の上を
滑るようにして僕は歩く
温度を持たない
曲がり角を曲がり
名前を寄せない
ガードをくぐる
透明感を隠した街に焦がれる
僕を覆う他人の溜息
....
まだ雪の多い
街中を
私は外套一枚で
使いに出ておりました
ご奉公先の奥様は
とても優しい御方で
時々
私に使いを頼む時には
少々多めにお手前を握らせてくださり
何か好き ....
地下鉄から生まれた人たちが
夜の寸前で吐き出されている
空へ続く四角い階段
斜めに染まる街の角度で
溶かされそうになっている
午後六時は動き出せない
指先も爪先も逃げるように
眠るに ....
そして雪の中へ沈む
地上から十メートル
中空に横たわりながら
雪を待つ
冬のさなかにほおり出されて
わたしは海を夢に見る
深淵から
響いて響いて
波がわたしを呼ぶ
わ ....
いま すれちがったひとの
顔のうろこが すこし
はがれていたよね なまぐさく
だれしも さむいものを
海に はこぶ途中なんだ
鬼のいない鬼ごっこを
弟と久しぶりにした
記憶の中ではまだ
幼いはずだった足音が
いつの間にか大きくなっていて
少し誇らしげだった
何も追いかける必要など無かったのに
大勢の人の ....
国語の教科書にのってる詩に
水しぶきをあびせられたように
眼を見開かされた小学時代
宿題にされた詩
初めて書いたのは 鶏頭の花
鶏のとさかみたいだとか 好き放題
五年生から 夏休み ....
鏡に映す)顔が白く仄めく
朝日の刻々と刻む音に
変容する影
どうしてか かなしくなる
私という生きものは、。
例えば(いけないかしら躍るように)、
昨日買った手鏡が、
私を映すという ....
君に何が起こったのか
あれこれ詮索しても
真実は君の心内にあるのだから
僕には到底知り得ない事だし
余計な気遣いはして欲しく無いこと
良く理解しているつもりだよ
だから僕には君の旅 ....
めをとじて
みみをふさいだら
きみのココロが
みえてきた
きみのさけびが
きこえてきた
遠くにいる人を想っている
列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち ....
ガラス張りの大学に入り受付をすませると
演劇スタッフの君はにっこりと僕を迎えてくれた
小劇場に入ると
舞台上に寄り添って並ぶ幾本もの木の幹の間で
若い役者達はふざけあい談笑しながら開演の時 ....
乾いた風が汗ばんだ額と髪の毛をすり抜けるときも
大地を蹴る爪先に火山性の礫がかすめるときも
棕櫚の緑が覆う甘いオアシスの水の飲むときも
いまだ おまえの低いうなりと乳臭い匂いが
俺にまとわりつ ....
ああ忙しや忙しや
三太のオヤジは右往左往
---なにしろ年に一度の出血大サービスだからな
子供ら誰一人漏れのないようにな
平等に配んなくちゃならねぇしな
え?そりゃあカン ....
あなたはきっと
優しい声と、やわらかな睫毛を
いとしいひとに沿わせながら
年金や家のローンのことを話し
子どもが生まれたら
どのメーカーのビデオカメラを買おうかと
冗談まじりに相談した ....
赤と緑が
美しく共存する
いつからかクリスマスのシンボルとして
家々に飾られるようになった
花を守るために
葉が変化したという
赤い花苞
この世界には
今も ....
軋む
一歩ごと
軋む
心ごと
逃げ込んだ森は
甘美な瀞が満ち
わたしは愛しい景色を
凍る爪先で犯してゆく
痛む
一言ごと
傷む
一夜ごと
明日を司る月が
昨日 ....
来る 来ない 来る 来ない 来ない 来る…
散ってゆくイチョウの葉っぱを数えていたが
あくびした瞬間に わかんなくなってしまった
おととい販促のおネーちゃんからもらった
ケータイで ....
前へ どこまでも進むのが
希望の原理です
その道は きみ自身の
背中の扉まで つづいているから
いまは ふりかえるな
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213