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もっともっと弄って下さい。
わたしは、
あなたのための最後の小鳥。
(そして嘘をつく舌)
冬の空のしんとした質感に
しなだれる肺のたおやかなこと
木枯しに枯れていく太陽のもと
不透明な雪の結晶となる重さを
熱く呼吸して火照る
湾曲している波に共鳴する
空との境界で
風 ....
ともだちが多いほど
幸せなことなんだって
そんなふうに信じてた
ときもあったけど
誰かを一心に
想いつづけて
生きていくほうが
もっと幸せ
そんなふうに信じてた ....
彩りが白く染められ
輝きが覆い尽くす
秋に重ねるから美しい
君の
季節に染まったほおに
想いが重なれば
雪景色のように
清らかに美しいだろうか
それとも
ただ ....
あなたは 天邪鬼だから
ときどき わからなくなるよ
誤解の元になるんだからね!
散々なこと言った後に
優しくなるのは ずるい
ずるいよ
いつものことなのに
....
今日も
トマトが
降っているから
空から落ちてきたものを
食べてはいけません
とは
誰も言っていないから
朝のサラダは
皿を
素直に
差し出すだけで
私たちは
満たされて
形 ....
聞き慣れぬメロディーが
不意に耳を訪れ
きみのケータイを発見せり
外出先で気付いたろうか
今の電話は急用かな
届けてほしいと言うだろか
どうしてくれよう
白いフレームが
こっち ....
あいとくちにするのがてれくさいから
いつでもぼくはくちぶえをふく
のんびり のほゝんと
うたをかぜにのせて
たしかなきもちがとんでいく
あいとくちにするのがてれくさいけど
....
目には見えない「現実の壁」に敗北して
言葉を失いしばらく立ち尽くしていた僕の背中は
やがて青空からの{ルビ息吹=いぶき}に押されて
いつのまに
古時計の長針と短針がゆったりと逆回転する
不思 ....
真っ暗な筒、ひとりズルズルと降りてくる
あぁ、靴下がないな 枕元でいいか。
大きなリボンにぶら下がる 大きなプレゼント
さて、あと何件周れば終わるかな
袋の中を覗き見る。
....
ああ、それは
みずのように
おとをたべてそだつ
ちをゆさぶって
そらをかすめる
いきをするたびに、せかいがひろがる
ああ、わたしは
はりをおとし
うたをたべていきる
....
繋いだ手の感触を
消してしまえずに
たとえば、今
この空のあの雲
と 私の指が示しても
あの人にはもう
届かないでしょう
尾とひれのついた
魚の形の 群れが
泳いでい ....
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない
植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう
いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう
小さな庭に種をまい ....
破裂するくらいなら
ずうぅっと漂って
ゆっくり、ゆっくりと
しぼんでいきたい
しぼんで行って
終わりには小さくなって
また、膨らましてもらって、
ひどく澄んだ冬の六時が
赤茶けた月を破裂させようとしていた
森が木枯らしに波立つ
子供たちの影だけが薄く揺らめき
灯りに群がって死のうとしている
毛糸の帽子を頬までかぶっ ....
僕の部屋には大きな貼り紙があって
窓と名乗っている
ときどきそいつをはがしては
あっちへ貼ったり
こっちへ貼ったりして遊んでいたのだが
ある日ふとしたはずみに
僕の胸に貼ってしまった
....
目がさめると
世界は半透明だった
そうか、ゆうべ
基地をつくったのだ
求めていた体温に
ほどちかいぬるさと
液体でも固体でもない感覚の
その場所で
眠ることは
ひどく ここ ....
朝になると
静かにそれを繰り返す屋根の波を
勝手に世界と呼んでいた
語る言葉はどこかに置き忘れて
少し笑う背中で世界に潜り込んでいく
息を吸えば吸うほど
体は軽くなっていくはずで
両 ....
女
愛しいあなたを抱きたくて
透明から青
青から碧へ
変色する
この静かな淀みの池で
禊(ミソギ) する
今夜の月は丸いから
お前、美しい女になるのでしょう ....
シャワーを浴びた君の
髪の毛の先に雫がひとつ
君のつま先にぽたりと落ちるまで
君の体といっしょに眺めている
どこかに雫はないのかな
君のつま先から君の髪の毛に視線を戻すと
なめ ....
すべりだいの
かいだんは
たのしい
すすんでいくから
うれしい
すべりだいの
てっぺんは
ひろい
とおくがみえるから
きもちいい
すべりだい ....
他人に優しいって事は
自分にも優しいって事かな
君に優しい顔を見せるたびに
僕は自ら犯した罪を
古いものから順に消し込む
過去に犯した罪を贖う為に
君の気侭な振る舞いにも優しさ ....
多くの星が
自ら輝くことができないように
僕らもまた
自ら輝くことはむずかしい
たとえば僕がそうであるように
一つとして同じものなどない
そんな僕ら星のかけらたち
一つの存在が放 ....
「たぶん、もうすぐ雨が降る。」/ かおり
たぶん。
たぶん、もうすぐ雨が降る。
重たいグレイの空
湿った空気
ぼやけて見える隣の町の赤色灯。
煙草の煙も
な ....
あたしはまちの人気者
運動会には引っ張りだこで
野良達の羨望のまなざしに囲まれる
気のいい、やおやのおいちゃんや
魚屋のあんちゃんから余り物の貢ぎ物
喰いっぱぐれる心配は無い
オリンピ ....
薄荷煙草の火も消さぬうちに
十二月が階段を上ってきた
(マフラーの準備をしなければ冬は来ない)
身勝手な先送りを
誰か聞き届けるはずもなく
暦の挿し絵は 赤 緑 白
聖 ....
咲き残る
幾重もの紅き花片は
誰人かに
散ることを留め置かれた
木枯らしに晒されて
「私はもう疲れたの」と
通りすがる男達に
哀しい微笑を投げかける
空が赤くなる頃
見慣れぬ街で
聞きなれたメロディーが耳に届く
どこに住んでいる人も
みんな同じ感情を持ち合わせ
町中に響く
家路のメロディ ....
夜店で買った
金魚が死んだ
汚れた水には住めないと
金魚が住める綺麗な水に
私は二度と戻れない
他者の言葉に傷ついて
赤い涙を流すから
金魚の住めない水になる
他者の心の物差しで貴方の ....
ぎゅうっとだきしめられて
わたしのあごを
かたにうずめる
もうかえれないはずの
胎内に
かえったみたい
からだがおぼえてるんだ
ひとつだったこと
パズルみた ....
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