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打ち震える涙が、立ちならぶ
忘れられた街景の片隅に、十代の足音を揺らして、
失われた向日葵は、いまだ声を上げて、
古い風の臭いに浸り、
枯れた夏を首に巻いて、
届かない空の裂け目を編んで ....
照りつける夏の陽射しの下 
墓石の群を横切る私の地面に頼りなく揺れる影 
一瞬 頬に見えた{ルビ滴=しずく}は 涙なのか汗なのか 

( {ルビ嘗=かつ}て 一途だった少年の恋は
( 夏の夜 ....
「輪郭はね、大きすぎない方がいいと思うんだ。
    両手を、こう。ゆらりと、一杯に広げたくらいの」




朝の電車は
どこかに海の匂いが紛れている
だから皆、溺れた ....
男の子が砂浜で木琴の練習をしています。
裸足の男の子が、サルディーニャ島の砂浜で
木琴の練習をしています。
明後日は学校で発表会です。

砂浜は今日も白を誇っています。
その海岸線はどんな ....
かわいた南風
空は澄んで
ニイニイゼミが賑やかに
白い雲がゆったりと流れて行く

小笠原高気圧が居座って
台風も避けて行ったのだ
誰も居ないから
力強い風音が頭上を走り
誰もが高 ....
夏は化粧に忙しい
忙しくなればあちこちがさわがしい
小さな約束がたくさんあるけれど
約束の周りには雨がふりつづけている

この星の伝言は
雨が好きなのかもしれない
わたしらは雨の外側で
 ....
風のなかを
水がそよいでいる
遠い水
互いに見えない ふたつの水


濃い影 薄い影の重なり
音は溜まり
低く連なり
夜の道を速くする


やわらかな菓子
指 ....
瞼の裏で、
魚が撥ねている。
なんの魚かは分からぬが、
確かに撥ねている。

目が合った。
すると魚の奴は、
ひときわ大きく撥ね、
瞼の水溜まりに消えた ....
ハレーションしそうな圧倒的光量が
雲隠れを始めると
夏はブラックなジョークそのもの
太平洋高気圧は昨日の前線に押し切られて
雨のノイズで水浸しの状態
日本列島はホワイトアウトして
沈没 ....
1. 

もわもわ
と、ふくれあがる嫉妬心
あなたが遠くをみつめるその先に
見えるはずのない影を見ては
心に広がる黒い雲


2.

クルクル
と、まわる私の猜疑心
ゆう ....
一枚の空の色の
濃度の移り行くにつれ
波は静かに寄せ
そして音もなく引いていく

童話の中の
プリオシン海岸
千羽鶴が空の赤い部分へと消え
鉱石ラジオの声は
波の音のように大きく小さ ....
砂糖にたかっていたアリを
靴で踏みつけた
おまえは家の子ではない
アリの巣から拾ってきたのだ
前の夜、酔った父は言った
群れは乱れ右往左往し
数十匹は難を逃れ
数十匹は幸せな表情 ....
 は、真空の一点で凝縮し続ける無言する{ルビ性=さが}である。



仄暗い
道を歩いていると
星雲を繁茂する
一角で
ぽっかりとあいた
湿っている暗闇が
{ルビ濃紫=こむらさき} ....
草合歓の葉陰から
かすかにもえる月を見た
藍青の波間にひかるものは
あれは はるかな昔
指から落ちた曹長石のかけら
青みをおびた涙の石の粒


もしも
月の淵から水音がしても
蠍が ....
私達は知らない 
戦時中にかけがえの無い妻子や友を残して 
死んで行った兵士の 
爆撃で全身が焼け焦げてしまった少女の 
青空を引き裂く悲鳴を 

( 昔話の地獄絵巻は深い地底に葬られ 
 ....
「天井に穴が開いてね。いつまでも眺めていたら、
   なんだか塞ぐのが、勿体無く思えてきたんだ。
     ほら、そこから突き抜けていけそうだろう?」




一割ほどの ....
真夜中の街
儚い灯りを縫い合わせて
君はいくつも
星座を作ってみせ

物語がわからなくても
知ったかぶりで綺麗だねと
僕は何度も
言うのだろう

  地上の流れ星はいつも
  赤 ....
ばら撒くばら撒くコンドーム
舞い散る舞い散るコンドーム
穴空き穴空きコンドーム
ラーメンの味を思い出せ
梅干しの味を思い出せ
線香の匂いを思い出せ
女の匂いを思い出せ

 ....
ウエッジソールのサンダルなんて
3年たったら過去の遺産
昔はやった厚底サンダル
今年のウエッジソールと何が違うの


星型の砂を探して
海に行こうと決意した
私はふわふわと波に乗る女
 ....
服の仕立て屋の看板の前のバス亭から
町を離れる時刻は 数本

昨日の夜から待ってた 朝は
大きな通りに 越えて 来た

牛乳配達のバイクが かちゃりと 続く
家の開けられた窓からは 蛇口 ....
あなたといると
イオン
目に見えない何かが
私を包む

それがたとえば
川沿いの散歩道
ブティック
ピアス
かたりと置いた テーブル

私の輪郭が
角張った直線が
どこか
 ....
見知らぬ人から葉書が届いた
元気ですか、とだけ書かれているそれに
元気ですよ、と応えてみても
一人の部屋は結局一人だった

置いていかれた
この街も、いつの間にか色が薄くなってきている
 ....
目の前に置かれた石を 
思い切り、蹴る。 

弾道は前方に細く長い弧を描き 
一面の霞の向こう側にある 
無数の「明日」を貫いて 
激しい雷雨の日を貫いて 
柔らかな陽が注ぐ日へと 
 ....
遠い朝 日に乗るように
長靴が 畑の真ん中に立っています

沈んでいく桃色の光が 靴底で
何人かの村人に 似ていきます

ひそりと ゆえに おもむろに かぜ

駆け出しそうな 針葉樹の ....
この眠れない夜
少し開いた窓の隙間から
カーテンの裾を揺らすのは
頬を掠めるひやりとした夜風
紛れ込んできた露の雨音に
畳の匂いが、一層、濃くなる

月があるわけでもないのに
外は仄か ....
わたしの手に
あなたの手が住み
眠り、少し起きて動くと
くすぐったいものが
わたしの中に届く

汗をかいて
わたしもうっすらと汗をかいている
守らなければならないのは
こんなに小 ....
窓を閉め切った真夏日に
枕に
むせ返る香水の薄靄に
顔をうずめて
真っ白な交わりを

まだ梅雨は帰らない

降りそそぐ
部屋中のアクロソーム
その先体構造に侵されて

私、 ....
サイダー
壊れたタイル

フラッシュ音
(写真は、撮らないで下さい)

果実の汁のように
飛び散るのは

海の水

天まで届いて
はたかれる

波を汚していく
サーフボー ....
風、吹き
障子が揺れた時
襖から、祖母が顔を出した
時は既に遅く
襖から、祖母が顔を出した

葬儀の前夜
その白い布の下から
祖母が顔を出した
少年が泣いた 時は既に遅く
祖母が死 ....
溺れていく夏の海の傲慢を乗り越えて、原色
の光景にすべりこんでいく。速度を上げろ。
減速してはいけない。止まってしまったら、
たちまちにして恐怖がおまえをとらえるだろ
う。夏に生きる恐怖。夏に ....
千波 一也さんの自由詩おすすめリスト(6385)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
沈黙する正午- 前田ふむ ...自由詩18*06-7-26
渇いた夏_- 服部 剛自由詩26*06-7-26
祝福- 霜天自由詩1306-7-26
サルディーニャ島のフラクタル- ブルース ...自由詩6*06-7-26
ひまわり- あおば自由詩5*06-7-25
雨の内側- tonpekep自由詩12*06-7-25
しずく_うつわ_ゆび- 木立 悟自由詩506-7-25
「_向こう、で。_」- PULL.自由詩12*06-7-25
*ブラックジョーク/ホワイトノイズ*- かおる自由詩7*06-7-25
もわもわ_クルクル_ぷっちん_コロン- 落合朱美自由詩32+*06-7-25
プリオシン海岸- 遊羽自由詩206-7-25
ブラックジョーク/ホワイトノイズ- たもつ自由詩20*06-7-24
無声- こしごえ自由詩18*06-7-24
緑の月- 石瀬琳々自由詩17*06-7-24
名前の無い街_- 服部 剛自由詩10*06-7-24
ひとがた- 霜天自由詩706-7-24
夜景、そして- たりぽん ...自由詩17*06-7-24
東京タワーのテッペンから- 虹村 凌自由詩2*06-7-24
星砂- さき自由詩1206-7-23
休日- 砂木自由詩7*06-7-23
しあわせイオン- umineko自由詩8*06-7-23
転居届- 霜天自由詩706-7-23
架橋_- 服部 剛自由詩7*06-7-23
白い_足跡- 砂木自由詩14*06-7-22
梅雨、列車は停滞する- 美味自由詩11*06-7-22
ある、手に、- たもつ自由詩1906-7-22
精一杯の梅雨で- チェザー ...自由詩7*06-7-22
明日の朝、- ふるる自由詩6*06-7-22
鶏頭の花- 結城 森 ...自由詩8*06-7-21
溺れていく夏の- 岡部淳太 ...自由詩16*06-7-21

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