すべてのおすすめ
ぐるぐる太陽の下、
ぼくたちは生まれて、
食べて寝て起きて、
また食べて、
生きて、
いる。
まいにちまいにち、
いつもまいにち。
食べて寝て起きて ....
窓の網目の向こう側
揺れる緑
ブランコの白
減りゆく隙間から
時間を走る
自転車の銀
今日の内側は
青い空のおかげ ....
「えくぼ」
六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?
穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました
安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
みずうみ、の真ん中にたち、わたしはいっぽんの樹になる。
ふいていく風、わたしの身体をつきぬけ、
腕をのばすと、せかいのかたむきから、はなたれる。
わたしの枝いっぱいの葉たちをそよがせる ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
満月ぽっかり
いや
ぽっかりじゃないな なんだか
もっと
おろーん
満月おろーん
いや
しかし
おっきいなあ今夜のは
なんだかおまえに食べさせたい
イグアナに
イグアナの ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき
空のろくろ
空のふいご
枝々を巻き
高く きしむ
ひかりが動き
動きがひかり ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり
小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる
夏は夜
浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように
時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い
君は
峠ではためく{ルビ経文布=タルチョ} ....
少年少女たちが つどって
いっせいに 深呼吸をする
青空に 結節性陰影もなく
きよらかで わたしには
死ぬほどの 毒である
よしださんって人は
そりゃぁもう、いまどき稀に見ないほどの
和風なお方で
そりゃもう
声は小さくて
黒髪が似合っていて
見た感じ
男性が苦手そうな
コンビニの定員さ。
....
こゆび と なかゆび ってのは
実は 恋人同士で
いつだって 寄り添って
らぶらぶーっと していたいのに
いつも くすりゆびに じゃまされる。
ああ、そっか
だから、こんや ....
青い 朝爪
くとん と
葉の 胸
黄緑 透ける脈
まだ
まぶしいの
月に
あずけてた
から
雪に埋もれた世界の中で
かすかに聞こえる水の音
「あれは世界の消える音」
そういう君は光の子
雪に埋もれる世界の中で
かすかに凍える人の音
「あれは世界の消える音 ....
君の声を聞きながら
僕は背中で昨日の夕陽を夢見ている
後ろ向きに眠りたい夜もある
紙飛行機だけが日付を越えていく
いつも聞こえるユーモレスク
君はどこまでも繰り返しで
世界はいつでも思 ....
鍵を掛けたかどうかを忘れて
それでもここまで来てしまった
世界の青は静かに落下して
戻れない道の重なりにいる
昔の話をしようか
言葉でしか帰れない、場所がある
こんなにも遠い西の果てで ....
粛然として初夏は重なり
カーテンを引く
夏の重さは水面を広げる
わたしたちは口止めをされている
沖の方では服を脱ぐようにして
海の肌が見える
わたしはあなたが好きだっていうことを
莫迦み ....
順繰りに咲き誇る花々は
緑に浮かぶ星の煌めき
晴れ晴れとジューンブライドになるはずが
ほんのちょっぴり なみだ顔
夜の帳の降りる時間も
知らぬ間に間延びして
雲がたれ込めている ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた
―― ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している
一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
街灯に葉が透ける
見るでもなく 見ないでもなく
浮かぶ 黒猫の瞳
水たまりに漂う
おびただしい黄色の残骸
昼 彼らは風に揺られて
あたらしいいのちを探していたんだ
春は今 ....
コントラバスは 宇宙からできている
共鳴胴は スプルースやメイプルなど森の木々から、
弓は 草原を走る馬の尾の毛から
成り立っていて、
弓に琥珀色の松脂を塗り 弦に滑らせることによって ....
行基さんでの
待ち合わせは飽きたので
采女神社でって
君がいうから
僕は池をぐるりと歩いて
時計回りで君を待って
興福寺の夕暮れに
見上げると
和紙に漉かれた
六分の月
君 ....
さまたげるものだけが
私を
言葉に向かわせる
たとえば 雨
いつだって
あなたも同じだ
突然
ひょい、と現れて
私が
気にしないで生きようと
思っていた矢先にいつも
嫌い ....
雨音流れる窓辺には
おんもをじっと眺めてる
ぼうやの姿がいとおしく
ガラスの世界が閉じ込めた
人の想いが美しく。
雨音流れる窓辺には
涙のように帰らない
....
花の名前を覚えた あの日
愛しい人が指差した
ライラック
陰りゆく歩道
いまにも 雨
コンビニの駐車場
一匹の子犬
しきりにしっぽを振りながら
通り過ぎる人を見上げる
その先 ....
私とあなたの間には
いつも一枚の窓があり
互いは違う顔でありながら
窓には不思議と似た人の顔が映る
私とあなたの間には
いつも一輪の花の幻があり *
互いの間にみつめると ....
雲は薄い水彩画
静まる街の片隅でそれを見上げる
風は止まない
誰かが植えた大きな木の葉が
不規則に踊り続けている
ふいに灰色の鳥が目の前の枝にとまり
世界のニュースを告げる ....
かくれんぼうを捜していると
日が暮れ出すばかりか
いつの間にかサラリーマンになっていた
そうして欠勤者の中に彼を見つけた
電話をかけて理由を聞くと
厭きちゃったからという
今度は君が鬼だか ....
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