すべてのおすすめ
浴衣に片思いを忍ばせて
ぼうっと光る
夜店の明かりに吸い込まれていく
君は決して
私を待つ人でなく
私は決して
君を待ったりしないと決めていて
今思えば
それだけで
私た ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
わたしは
夏を追いかけて
川辺に花火を見に来たはずなのに
自分を満たしに来た事に気づいた
{引用=
父は昔
子供と出かけるより
自分のお店で働く事に熱心だった。
うちの ....
夜空の星が一斉に僕に向かって
急降下してくる
星のシャワーを浴びながら
僕はひとりブリキの機関車の
おもちゃで遊んでいただけ
ひとりはなれていた
いやな ....
封を切った宇宙からは、
懐かしい薫りがしました。
お久しぶりです。
と、
挨拶をして、
あなたを二匙。
ゆっくり沸かし、
ふんわり注ぎます。
....
小さな手は星を拾った
大気の熱に
輝きは奪われ
小さな
つやつやと光る
黒い
石になったその星は
小さな手に載せられて
女と一緒に街を歩いた
街は赤紫の夕景を傾かせて
女の歩み ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
女はいつも災いをもたらす
憂いを含んだ微笑みで
鏡に向かい髪を梳く
後ろ姿に見惚れてはいけない
鏡の中の女と
視線を合わせてはいけない
男はいつも災いをもたらす ....
沈んでみても、何も知らないままだった
それは六月のサイレン
降り止まない四月の桜
同じところを同じだけ繰り返して
歌声はそれでも高いところを目指している
好きな人を好きな ....
四十二度
真夏の
山嶺をこえる日差し
積乱雲!積乱雲!
いつか焼かれるわたしは
真夏の
ひそかに揺れる
こかげの雑草
生きていくには
熱すぎる体温
....
梱包用のテープで作った 四角い篭
縦横に編んでいて 真ん中に持つところが
アーチ型に つけられてある
婦人会の集まりで作ったから ひとつ 持っていけ
母が実家に立ち寄った私に 機嫌よく く ....
真夏の一本道は何処までも続く
と思っていたのに気づくと僕は
廃墟の街で佇んでいた
強烈な西日を受けながら
僕は少年の影を追いかける
街が暖かく流れていき
ランドセルを地面に置い ....
四角い窓から見える蒼穹がどこまで続いているのだろう
そんな事にいろいろ思いを巡らせては外の世界に憧れを抱くんだ
僕はキミみたいに自由にはなれないから
空想で創り上げた硝子の街を歩く事しか出来ない ....
私の部屋の金魚鉢には
金魚が一匹いる
金魚鉢を見ていたら
すうと引き込まれて
泳いでいた
涼しい青い水の中
緑の水草ゆうらゆら
赤い尻尾はひいらひら
たくさん泳いだら
す ....
ひたひたと打ち寄せる若い海が、
青い匂いに弄ばれて、言葉の果てで立ち尽くす、
夏に縛られながら。
波は立ち眩んで、一滴ごとに、ほころびる海の雫が
暑さに滲んでいく――。
散らばる熱が ....
夜空に、ひしゃく星
くらやみは
すくわれることなく
すりぬける
あなたとわたし、
街灯りを遠くに眺めながら
水を打ったように静かな公園を歩いていると
一 ....
わたしは眠ります。
目を閉じ、
膝を抱えて、
冷たい液体に浸され、
ふゆる堕ちて、
目を見開き、
網膜に最後の瞬間を焼き付け、
固い地面に叩き付け ....
僕の隣には
注いだばかりの炭酸水
弾ける泡の一つ一つが
小さな生き物のように騒いでいる
生まれては消え
その瞬間を精一杯に生きている姿には
最近味わったことのない爽快感 ....
最後の煙草は 空に昇るまでおあずけだった
何千本と 香の煙を浴びてから
あなたをおじいちゃんと呼んだことはなくて
先生と
呼んでいた
社長で先生
おなかが出てる
父さんと釣りをしなが ....
待合室には
女の子を連れた母親と
少し離れたところに
人の良さそうなおばあさんが
座っていた
熱のせいでボゥッとなった私の目も耳も
何も見ようとも聞こうともしていなかった
「お子 ....
そら
そう
ほら
みて
ここ
そこ
むこう
ぜんぶ
ぼくに
とって
ふかく
やさ ....
あなた、アオウミガメの背中を
匂ったことはあって?
少女は
さして、答えを求めるふうでもなく
空と海の継ぎめを見つめたまま
潮風にふくらんだ髪を
そっと抑える
....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
わたしがうまれた宇宙は、
とても深いところにありました。
そこは何もかもが、
ゆっくり動いていて、
まるで止まっているような、
時がながれていました。
....
そりゃあきれいでサラサラのボウズさ
プールからあがって
シャワーを浴びたばかりの
音も殺して近づくんだもの
それで顔にティッシュ乗っけて逃げてくから
なんともはや、
すごいでか ....
ギラギラの太陽と茹だるような暑さのもと
癇癪を起こしたような蝉の声を聞きながら
ホワイトクリスマスの事を考えるのは無理があるかも
波をけたててトナカイの代わりにサーフィンに乗って
アロハのサン ....
海という隙間で息も絶えだえに
船がただひとつ進めない方角があり
羅針盤の鏡にこうして映すと
宇宙も空も無くなる時間なのに鏡は
越えられない境界線を示すだけなのです
宇宙に似た深い暗闇を
....
蝶の花 蝶の花
土の下へ
飛び去りゆく輪
蝶の花
塩の火 塩の火
燃えつきぬ糸
人の色でなく
向かうものはなく
甘いにおいは風に消え
ただふるえだけが降り ....
{引用=
無性に
ミルク飲みたいよね
あほらしいほど 真っ白な
照れちまうほど 優しい それを
大人やってると
無性に飲みたくなる よね
飲んだところで
あたしのなかの灰色は
や ....
水面にゆがむ月よ
滑らかならぬ蒼白い顔は
私を待っていたのでしょうか
それとも見送ってくれるのでしょうか
足を止めると
あなたはきらりと
涙を放ったように見えましたが
驕りだったよう ....
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