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低い雲が覆い隠す
放牧場のある丘には
みっつの風車が立っている
ぎゅおん、ぎゅおんと
海にむかって唸って
いるはずの刻
{ルビ霞=かすみ}のように薄い雲が
まわっている時間を
見えなく ....
僕の職場には黒猫さんがいた

黒猫さんの本当の名前は町田さんというのだけれど
何故だか誰もが黒猫さんと呼んでいた

僕はどうして黒猫さんが黒猫さんと呼ばれているのか知りたくて
社内の先輩た ....
あれほどの時間
費やして
あなたの
何を理解したのだろう

幾千の言葉
重なるくちびる
繰り返す夜明け

あなたという一個体に
内在する真実は
ついぞ私に
とどかなかった

 ....
初めて指輪を贈った人は
彼女ではなくて
母だった


『ビューティフル・リング』



僕は7歳で
母に連れられて
縁日の夜店を廻っていた
ふと
屋台に並んだ
ガラス玉の指 ....
空耳のどしゃぶり
ガード下にこだまする

立ち止まる黒猫の
瞳はブラックホール

目が合えば僕は
吸い込まれていく


夜を開く赤のカーテン
その向こうへ黒猫は走り出す

加 ....
磨かれたノルマンの尖塔の硝子が、
ケルトのひかりを運び、
古都は、厚き信仰の素性を醸し出す。
北をめざした奥まった海流は、
度重なる落城のかなしみを刻んだ、
鉛の雨をもたらして、
午前の湿 ....
愛しきものに残された
僅かな時間が
手出しを許さず
無表情に過ぎて行く

死の匂いのする
冷ややかな居心地に耐えかねて
虚ろに庭先ばかりを見ている

こんな哀しい歯痒さのなかで
無 ....
今朝のおまえの目が
あんまり緑だから
どうしたって聞くと
やっぱり風邪だ

普段体調がいい時は
緑に茶色が散っている
水の底に見たブナ林のような
おまえの目

それが濃い緑に張 ....
あなたに笑ってほしくて

おどけて見せるけど

ふざけて

からかわれるのも

嫌いじゃないけど



本当は

全部つつんで

抱きしめて

抱きしめて

抱 ....
南にむかって
角をひとつ 曲る
てのひらに 
陽の照るように
ゆっくり

あなたのほほからたちのぼる
あたたかなあめの 午後は
甘くて
空をむかえる地べたのように
五つのゆびを ....
なつは名のみのあめばかり

紫陽花は爛漫に咲きほこり

つゆの雫をぽとり、ぽとり

樹々の緑も色濃く、ゆるり

夏はまだだと雨降り積もり
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
河の幹に 歌い
背中の流れ さすりみつめる

土 深く 埋められた
逃げられなかった あどけない微笑み

風の内にだけ目覚め
歩く事はない けれど

しきりが生まれる 
名前を 思 ....
うち雨の日好っきゃねん

なんでなんでなん

だってな傘忘れたらおんなじ傘でくっつけるやん

あほな事ゆうてやんと傘持ってきなさい

ちぇっいけずやわぁ

すっきゃからええねん
 ....
閉じられた、そして
知ることもない雨が過去になって
それでも夕暮れと朝には
部屋は明るくなるので


花暦
今の頃は
冷たい雨を探す前に
どこに行けばいいのですか
すべてを抱いたま ....
ふとした瞬間に
高く昇り過ぎた月に右手が重なり
青白く汚れて見えた

誰かを待っている
でもそれは僕じゃない

綿密な時間のこぶ
質量のないものへ憧れながら
君はもう消えてなくなった ....
草の上に寝転んで
そのまま流されてゆく
ゆっくり
雲の速度で
あなたが海に沈んだ日
僕らはなんでもない一日を
なんでもない日常に組み込もうとしていたところで

ざわめく
白地図を埋めていきたかった
その上にも空はあって
雲は浮かんでいたはずなのに
 ....
知らない雨が通り過ぎて
心音だけが聞こえる部屋に
やっぱり私は取り残されている、のかもしれない

何かが去って
その声が聞こえて
足音が混ざり合って
雨の
ぱたんぱたんと
庭に置き去 ....
{引用=
傾いたトタン屋根
 乗り捨てた自転車
 伸び茂った雑草
 線路端
 フェンスの向こう
 風に揺れてる

「扉が閉まります」

 目を伏せる
 それは ....
《お気に入り》
っていうのは、
一体どういう位置関係なのだろうか」と
一昨日の三限目から
ずぅっと、
悩んでいます

曖昧さが愛しくて
不完全さが憂鬱で
もどかしさは
白鷺の歩みの ....
とどかなかった、星の下
遠雷の近づいてくる夕べ
雲がますます色をなくし
このからだの重さに形をなくし
響くのは指先の細くなぞる唇の遠い約束
の紅さ
ずっと忘れずにいたのは
鮮やかに流れて ....
繋いだ手と手が
軽く緩やかで
程よい加減であればあるほどに
自然で優しく歩めるように
あなたたちとわたしも
そうなれたらいい

結び目はかわいいチョウチョ結びで

あなたたちが巣立つ ....
地面に伸びた影を
ただひたすらに
追いかける
僕らはあの日
自由だった

悪戯な
きみの笑い声が
背中をくすぐって
僕のなかにあったのは
「現在」という時間だけ
確かにあの時 ....
遠くを見ています
遠くを見る、街はやがて浮上します
見つめるものはいつだって純粋なものを零していくので
俯けば私の、足跡だけが追い越していく

浮上する声の下で、見送る人がいます
誓いに誓 ....
灰と化した花びらが ふわり手のひらに沈みこむ
時の流砂でくたびれるより 儚く拙い言葉たちよ
いっそこの身体ごと 潔く風にほどかれてしまえ

感動の華華を咲かせてくれた 芸術の息吹。
ひとりで ....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく


雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
ちゃんと季節は夏至まで巡ってきたと言うのに
太陽の奴いったい何処に居るんだか
朝寝坊を誤摩化しているのか
おつきさんと夫婦喧嘩でもして
目の周りの痣を見られたくないからか
この頃ちっとも姿を ....
紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために

 真珠とり
 真珠とり
 ....
そこから音が消えてしまうと
彼は言葉で演奏を始めた
語るべき言葉を失う日のことを
ただ、朗々と奏で続ける

少しずつ無理な景色が増えていくと
喪失の夕暮れに出会ってしまう
燃える朝が安く ....
千波 一也さんの自由詩おすすめリスト(6385)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風時計、雨空を文字盤に- たりぽん ...自由詩17*06-6-27
黒猫さん- 松本 涼自由詩8*06-6-27
月の海- umineko自由詩5*06-6-27
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黒猫- 松本 涼自由詩606-6-26
アイルランド—ダブリンの旅情- 前田ふむ ...自由詩9*06-6-26
青い実落ちた- 銀猫自由詩13*06-6-26
目を閉じて- 水在らあ ...自由詩24*06-6-26
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夕餉- はな 自由詩1506-6-26
*早夏賦*- かおる自由詩10*06-6-26
Star_Ship- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-6-26
つぶやき_もどる- 砂木自由詩5*06-6-26
雨の日- プル式自由詩7*06-6-26
closed,and- 霜天自由詩606-6-26
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旅行- 石瀬琳々自由詩9*06-6-25
closed- 霜天自由詩406-6-25
閉じゆく景色へのプロローグ- 霜天自由詩606-6-25
途中下車- yaka自由詩5*06-6-24
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雷鳴の個人- こしごえ自由詩20*06-6-24
チョウチョ結び- さくらほ自由詩10*06-6-24
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つながりゆくもの- 水無瀬  ...自由詩4*06-6-23
ひびき_ひびき- 木立 悟自由詩1206-6-23
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真珠とり- 石瀬琳々自由詩15*06-6-23
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