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川縁の土手に根を生やした蒲公英たちは
うららかな春の陽射しを浴びて
いっせいに背を伸ばす
夏になったら向日葵になるの
ダンデリオンが通りかかると
みんなで声をそろえて問い ....
海を見下ろす高台の公園には、昔この国の王侯貴族が避暑地の別荘として利用した赤レンガ造りの建築がある。現在は音楽大学として使用されており、小春日和のお昼時に、セロ学生の太く若い旋律は白い玉砂利を撫ぜ、 ....
君と
君の子供と
駝鳥牧場に卵を買いに行く
大きな鳥に
君も
君の子供もはしゃいで
{ルビ接写=マクロ}切り忘れて
携帯で駝鳥と撮った写真は
すべてがぼやけて
僕らの風景 ....
眠れない夜
眠らない夜
想いの行方は
彼方
銀の先は
星を射す
いくつの言葉を
集めても
満たなくて
繋げた言葉は
形を描けず
流れる星になる
めぐる
めぐる ....
少女は長い間
窓の外に広がる海を見ていた
{ルビ籠=かご}の中の鳥のように
時折
人知れぬ{ルビ囀=さえず}りを唄っても
聞こえるのは
静かに響く潮騒ばかり
( 浜 ....
抱きしめると
あなたが
ガラス玉の寄せ細工に
思え
はじけ飛ぶ
その寸前を確かめたくて
そっとぎゅっと
力を入れる
と、
あなたは
小さな咳をするので
腕をゆるめて
顔 ....
あの空の下にきっとあの娘がいる
透き通った空気の中で
花と蝶と戯れながら
黄色い笑い声で
初夏の調べにあわせて
舞っているんだろう
昨日にさよなら ....
名前はやはり記号なのでしょう
存在を証明する 一番純粋な記号
大人に近づくにつれて
何となく 自分の名前さえ空ろになって
記号なのだと 証明なのだと、
眠る前に言い聞かすのです
そうし ....
ちゅいロ すうピー
つっかけた 窓のヒカリ
にがりきった 靴の汚れ
泥棒にでもあったように
抜け殻は かんかんと折れて
飛ぶんよ
重い からかさも
選びすぎて 似合わない
....
閃光を浴びる波打つ腕を貫く
静脈の彼方から、疲弊した虹彩がため息を吐く。
朦朧とした街は、たえず銑鉄を溶かして
都会の人々の苦悩の鋳型を作り続けている。
すべての窓には、水がなみなみと注がれて ....
あなたが大声で「ロバの耳」
とか叫ぶ意味が判ったわ
解き放つのね 何かを
解き放ちたいのね 何かを
あなたはこの町一番の床屋
それは誰もが認めていて
あなたが決めた髪形に
誰も逆 ....
つまらない時を過ごして
つまらないものを食べて
つまらない家族と
つまらないパック旅行
つまらない景色を見せられて
つまらないを連発する
そんな旅をしてみたいものと
つまらないの原料を作 ....
空の眼が開いた
夕焼けが なく
はけで塗られた台本の上の
削り取られた 穴が
船だというから
のぞけない
除かれた場所から
消えるのなら
責める理由
思い浮かばぬうちに ....
かわべりで おにぎりを
たべているとき ライオンがきて
たてがみをはずし じゃぶじゃぶ
あらいだしたら まちがっても
めをあわせては いけません
重苦しく背負った影を
どこかに降ろそうと
少しひんやりし始めた夕暮れ時に
ぶらぶら散歩した
ふぅー
一息つく
風景は確かに初夏の緑に包まれていて
日差しも確 ....
小鳥たちが行く先も告げずに
飛び立っていく
行く先を告げたとしても
僕は小鳥たちの言葉を知らない
空!
机の引き出しを開ければ
今日もガラクタでいっぱい
....
あなたはいつも少しかなしい
春の肌の女の子 薄桃色の乳首のように
きれい
「あなたはいつも少しかなしい」
ハッカのにおい
耳たぶをふるわせた「かなしい」を思い出して
まるくなる
私は ....
くらい でんとうの
よぎしゃに のって
いまも
おまえが
そらを
のぼって ゆく
おおきな ほしの
そらに
たちのぼる
たばこの
けむり
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのはまだ生きている
証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
優しい顔の朝は嫌い
やるせない正午の空気が嫌い
やがてくる夕刻のわざとらしさが嫌い
夕焼けの終わりに
ゆらりと一瞬揺れる炎は少し好き
酔ったように戯 ....
気がついたときには世渡り上手で
海渡り上手になっていた
キラキラした夜の海を彼女は
水面と共にうなりながら歩く
体にさざなみがこびりついて離れない
頭にひとなみがこびりついて離れ ....
おとこが さばくで
星を かぞえている
ひとつずつ 指さして
いまにも 泣きだしそうな
顔で けしている
●関連作品
海難の話→http://po-m.com/forum/sho ....
目が覚めても何かと手を繋いでる感覚があった、確かにあの頃は。
拾い集めて繋げた
羽根で決して明日に
辿りつかなかったのは
少し汚れていたせいじゃない
「ひみつ」という言葉 ....
寄りかかった柱の
きずあとを指でなぞる
地面すれすれまで
しおたれた こいの
恨めしげな ギョロ目
ソヨともなびかず
すみきった あおは
....
雪の街で眠る君よ
すっと前を睨み
歩きなさい
何も知らなくてよい
ということはなく
何枚もの鏡が重なる夜
退屈な日はお泣きなさい
その大きな身体を震わせて
いつか来る日のために ....
薄曇りの空がからだを湿らせるだけの
ちっぽけな夜だから追いかけてみる
西の地平に月
最後に沈んだ
星の名を知らない、と
静かに胸に沈めた備忘録
この体は赤道儀だ
....
水の中に深く潜ると
魚たちの溜息がきこえてくる
どうせ水のある場所でしか
生きられないいのち
われらの時には
乾いた真実が欠けている
ソレイユ!
ソレイユ!
光は水の中にまで入りこみ
....
星を なくして
みすぼらしいまま
たおれるたびに 砂をつかんで
たちあがる はてしのない
夢のなかに いるとしたら
アスファルトから突きだして
咲いていたタンポポが
とてもちからずよく見えた
僕らが作る未来は
僕らにまかされている
僕たち次第で未来は変わる
心はそうつなが ....
昔の自分が否定していた性欲処理の為のセックスがしたいと思うようになった
昔の自分が見たら失望し絶望し幻滅して死ぬに違いない
ただ何もせずに一緒にベッドで眠るのも悪くないと思う事も未だにある ....
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